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(写真=Thinkstock/Getty Images)

住宅ローンを利用して住宅を新築した場合、あるいは住宅ローンを利用して新築住宅を取得した場合やマイホームを増改築した場合などは、所得税にかかる「住宅借入金等特別控除」を利用することができる。今後マイホームの新築・取得を考えている方はもちろん、すでにマイホームを取得した人でも利用することができる可能性があるため、ぜひ確認していただきたい。


住宅借入金等特別控除とは

住宅借入金等特別控除は、「厳しい経済状況を踏まえ、住宅投資を活性化し、景気浮揚の突破口にしようという狙いから、所得税における最大控除可能額を過去最大規模に引き上げ、中低所得者層の人への実効的な負担軽減になるようにするもの」である。

具体的には、平成31年6月30日までに自身が居住する家屋を新築・取得した場合や、自身が居住する家屋に対して一定の要件を満たす増改築等の工事を行った場合に、所得税や住民税について控除が適用される。

なお住宅借入金等特別控除には適用に際して10通りの区分があり、それぞれを紹介することは難しいため今回は参考として「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合」(総務省:「新たな個人住民税における住宅借入金等別税額控除(住宅ローン控除)」)について解説する。ちなみにそれ以外の場合で住宅借入金等特別控除が認められるケースとは、次のようなものである。

・中古住宅を取得した場合

・要耐震改修住宅を取得した場合

・増改築等をした場合

・借入金を利用して省エネ改修工事をした場合

・借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合

・省エネ改修工事をした場合

・バリアフリー改修工事をした場合

・認定住宅の新築等をした場合

・耐震改修工事をした場合

各区分における要件に関しては、国税庁ホームページに記載があるためこれを参照していただきたい。

住宅借入金等特別控除を利用するための要件

住宅を新築した場合、あるいは建築後使用されたことのない住宅を取得した場合で住宅借入金等特別控除の適用を受けることができるのは、次に掲げる要件をすべて満たすときである。

・新築した日、および取得した日から6か月以内にその住宅へ居住し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること

・特別控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること

・特別控除を受ける住宅の床面積が50平米以上であり、床面積の2分の1以上が居住用スペースであること

・10年以上にわたって分割返済する契約になっている住宅ローンがあること

・一定期間内に、「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」などの適用を受けていないこと

住宅借入金等特別控除により控除される金額

住宅借入金等特別控除の控除額は、住宅ローンの年末時点での残高の合計額(新築・取得費用がこれを下回る場合はその費用)を基準として算出される。平成26年4月1日から平成31年6月30日までに適用される控除は、次の通り。

1~10年目の年末残高(費用)×1%

上記算式によって求められる控除額のうち、控除限度額を20万円として所得税より控除がなされる。また、消費税増税後(8%及び10%)に取得した住宅については、特定取得として控除限度額40万円が認められる。なお、新築・取得した住宅が認定住宅である場合には30万円、それが特定取得であれば50万円まで控除が認められる。

住宅借入金等特別控除を受けるための手続き

住宅借入金等特別控除の適用を受けるための手続きは、控除を受ける初年分と、それ以降とで異なる。控除を受ける初めの年は、必要事項を記載した確定申告書に、各区分に応じた必要書類を添付して提出しなければならない。各区分に応じた必要書類とは、具体的に次の通り。

敷地の取得にかかる住宅ローンがない場合(住宅のみ新築・取得した場合)

「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」

「住民票の写し(平成28年1月1日以降は不要)」

「住宅ローンの年末残高等証明書」

「住宅の登記事項証明書」など

(※住宅の新築・取得年月日、その費用、床面積などを証明する書類)

敷地の取得にかかる住宅ローンがある場合(住宅と合わせて土地を取得した場合)

上記の書類に加えて、「敷地の登記事項証明書」など、土地について住宅と同様の情報を証明する書類が必要となる。またこのほか、前述の「住宅借入金特別控除額の計算明細書」において住宅ローンの利用明細が明らかにされていない場合などは、別途これを証明する書類を添付しなければならない。

住宅借入金等特別控除は住民税にも適用

仮に3,000万円の住宅ローンについて同控除を適用した場合(特定取得の場合)、30万円の所得税控除が認められる。しかしその年の所得税が30万円以下である場合には全額を控除し切ることはできないため、この残額は住民税より控除されることとなる。

所得税があまりかからないからといってこれを軽視するのではなく、その他税額控除にも使い回せるということをぜひ留意しておいていただきたい。