寄付金控除とは?

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(画像=PIXTA)

地方自治体やNPO法人などに寄付すれば、税金の控除を受けられるのが寄付金控除である。代表的なのが、自治体に寄付すればその地域の特産品がもらえて、控除も受けられるふるさと納税がある。

執筆者:森 泰隆

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寄付金控除の対象になるのは?

ふるさと納税のように自治体への寄付や国に対する寄付も認められている。国税庁長官等から認定を受けたNPO法人、政治活動に関する寄付金、その他行政庁から公益性が高いと認められた公益財団法人・公益財団法人や独立行政法人や介護施設や児童養護施設などの社会福祉法人、私立学校などの学校法人などが挙げられる。

一方で、一部NPO法人や一般財団法人や一般社団法人、宗教法人への寄付は税制優遇が受けられない。

ふるさと納税のように自治体への寄付や国に対する寄付も認められている。国税庁長官等から認定を受けたNPO法人、政治活動に関する寄付金、その他行政庁から公益性が高いと認められた公益財団法人・公益財団法人や独立行政法人や介護施設や児童養護施設などの社会福祉法人、私立学校などの学校法人などが挙げられる。

一方で、一部NPO法人や一般財団法人や一般社団法人、宗教法人への寄付は税制優遇が受けられない。


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ふるさと納税は寄付金控除

近年人気のふるさと納税も寄付金控除の対象となる。他の寄付金控除と大きく違う所は、住民税の控除があるところである。

また、確定申告が不要なワンストップ特例制度というのもある。

近年人気のふるさと納税も寄付金控除の対象となる。他の寄付金控除と大きく違う所は、住民税の控除があるところである。

また、確定申告が不要なワンストップ特例制度というのもある。

日本の寄付金事情

日本人は寄付の文化がなく、海外の寄付金額に比べて少ないと言われる。実際に、海外と比べるとどうなのか?本当に少ないのかを見ていきたい。

●米国の40分の1?

寄付白書2017によると、日本の個人寄付総額は7,756億円となっており、米国の30兆6,664億円に比べると約40分の1の規模となっている。

一人当たりの平均額でみても、日本は27,013円で米国は年間平均1,155ドル(1ドル=105円で約12,175円)となっており、大きな差があることは一目瞭然である。

●なぜ少ないの?

米国に比べて少ないだけでなく、英国(1兆5,035億円)、寄付金総額では上回っていても寄付者率では大きく下回る韓国(35%、日本は23%)などと比べても、やはり少ない。

なぜ少ないかは諸説あるが、日本では個人ではなく、集団や組織、公的な機関などの団体が社会的弱者を救済しているからとも言われている。

日米の寄付金と税金事情

日米ともに、税務当局が認定した寄付先のみ所得控除されるという点では同じであり、米国の所得控除は50%が上限、日本40%が上限だが、日本は一部税額控除を認められている点からすれば、税金面での優遇に大差はない。

強いて言うなら、認定先の数が日本2万超に対し、米国は100万超の団体があり、米国では多くの宗教団体が認定されている。

寄付金控除の仕組み

寄付金控除を申請すれば、1年間の寄付金に応じて、その年の所得控除を受けることができる。課税所得金額に税率をかけた税額から直接差し引くことができる税額控除と選択できる。

年金生活者や一定の所得以下の人は活用できないこともある。

●所得控除

寄付金控除に認定された団体に寄付する特定寄付金が控除される。

寄付金は無制限に控除されるわけではなく、(その年の寄付金総額-2,000円)か(総所得金額×40%)-2,000円のいずれか安い方が控除される。

●税額控除

政党等寄付金特別控除は、政党や政治資金団体に寄付すると受けられる税額控除である。税金から直接控除できる税額控除の方が、節税効果は大きい。

(その年の寄付金額-2,000円)×30%を控除することができる。

ただし、その年の所得税額の25%相当が限度となる。

所得控除と税額控除の有利な方を選択することができる。

寄付金控除と寄付金特別控除の違い

所得税から所得控除されるのを寄付金控除というのに対し、政党等への寄付金等で得られる税額控除を、寄付金特別控除という。

●寄付金控除

最近注目されているふるさと納税も寄付金控除(所得控除)の部類に入る。

●寄付金特別控除

2011年の税制改正から寄付金特別控除を選べるようになった。

寄付金特別控除のひとつが政党等寄付金特別控除であるが、他に対象となる団体は公益社団法人又は公益財団法人、私立学校法人、社会福祉法人、更生保護法人、国・公立学校法人、日本学生機構などが挙げられる。

これらの団体は、(寄付金額-2,000円)×40%が控除額となる。

ふるさと納税の寄付金控除

ふるさと納税が他の寄付金控除と大きく違う点がある。

それは、所得税だけでなく、住民税を控除できる点である。住民税からも控除されることを特例控除という。

●確定申告でしか受けられない?

ふるさと納税は他の寄付金控除と同様に年末調整ができず、原則確定申告が必要となる。

平成27年4月1日以降から、確定申告が不要なふるさと納税ワンストップ制度が出来たが、6自治体以上に寄付する場合、所得税の還付も受けたいのなら確定申告をしなくてはならない。

●ワンストップ特例制度

医療費控除などの確定申告が不要で、5自治体以内ならワンストップ申請書を寄付した自治体に送るだけで、ワンストップ特例制度が受けられる。

ただし、ワンストップ特例制度は、所得税の控除は受けられず、住民税の控除しか受けられない。

寄付金控除の年末調整と確定申告

寄付金控除を受けるにはどうすればいいのか?

必要な証明書と手続きの方法を紹介したい。

●年末調整

寄付金控除は年末調整では受けられない。翌年の所得から控除されるのが、住民税なので、ふるさと納税についても同様である。

●確定申告のための手続き

まず、所得控除を受ける場合には、確定申告書に必要書類を添付して税務署に提出しなければならない。寄付した団体から交付された受領書か領収書、特定公益増進法人であることの証明書の写しや政治活動に関する寄付金ならば、選挙管理委員会の確認印のある寄付金控除のための書類が必要となる。

税額控除を適用する場合は、公益社団法人や認定NPO等の寄付金特別控除額の計算明細書や政党等特別寄付金の計算明細書が必要となる。

確定申告は翌年の2月16日から3月15日までとされている。

●インターネットでの手続き

年末調整を受けているにもかかわらず、寄付金控除を確定申告しなければならないのは面倒に感じるだろう。

ふるさと納税のワンストップ特例制度のように申請書を返送するだけというわけにはいかない。

しかし、国税庁のホームページから確定申告書等作成コーナーを使って、税務署に書類を提出するか、e-taxを使うなら簡単に申請することができる。e-taxはICカードリーダライタとマイナンバーカードがあれば簡単に申請できる。2019年1月1日より、カードリーダとマイナンバーカードが無くても、ID・パスワードを取得すれば、e-taxを使えるようになった。

入力する際に必要な源泉徴収票やマイナンバーカード又は通知カード、寄付金受領証明書などを用意しなくてはならない。

入力は全て自動計算で、手書きのように電卓で計算する必要はない。e-taxはこれらの書類は保存しなくてはならないが添付して提出する必要はない。

寄付金控除対象となる政治団体

個人による政治献金は一定の条件を満たせば、寄付金控除の対象となる。政治献金と聞くと悪いイメージもあるかもしれないが、法律の範囲内なら税制優遇もある。

●政治献金は対象

寄付控除の対象は政党・政治団体・国会議員・都道府県知事・投道府県議会議員の現職又は候補者を支援することを目的とする団体や政令市の市会議員や市長の候補者として立候補の届け出をした人に、政治活動に関する寄付金であることが条件である。

個人が寄付をすると寄付を受けた団体は寄付金控除のための書類作成し、収支報告書と一緒に所管の選挙管理委員会に提出し、確認印を押印し一旦返却する。

その返却を受けた書類を団体から受け取り、寄付金の明細書と共に確定申告時に提出する。

●寄付金控除として認められない政治献金

政令都市以外の市長や市会議員の団体への寄付は寄付金控除の対象にはならない。

また、政治資金パーティー券や政党の党費や後援会費等は寄付金控除の対象とはならない。

法人が寄付した時の寄付金控除

法人は原則寄付金を損金にはできない性質だが、企業の社会的責任や事業に関するものである寄付には、寄付金控除のように一定の限度額まで損金算入が認められている。

●損金算入が認められるケース

国・地方公共団体に対する寄付金は全額損金算入が認められている。

指定寄付金という緊急性や公益性が高いものに対して、財務省が指定した寄付金も全額損金算入となる。国宝の修復や赤い羽根の募金や教育研究などが該当する。

法人の主たる目的である業務に関係するもので特定公益増進法人に対するや認定特定非営利法人などに対する寄付は、一定の限度額までの損金算入が認められている。

さらに少ない限度額だが、株式会社やNPO法人、神社のお祭りの寄進費用なども一般寄付金に該当する。一般寄付金は法人税の控除にはなるが、所得税の控除にはならない。

●企業版ふるさと納税

平成28年に創設された企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)という税制優遇がある。

国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに寄付を行った企業に対し、寄付の3割を法人住民税や法人事業税から控除される。

最低10万円から寄付しなければならず、一般のふるさと納税のような返礼品はない。

寄付金控除の上限

寄付金控除は所得控除と税額控除で上限額が違う。

●所得控除の上限

その年の総所得金額の40%が上限となっている。

●税額控除の上限

税額所得は、給与所得控除などを引いた額の所得金額に対して40%相当が上限となる。

政党等寄付金特別控除に限れば、その年の所得額の25%を上限としている。

まとめ

日本では寄付という文化に馴染みが無いが、ふるさと納税が浸透してから地方に対しての寄付は増えているだろう。2019年6月1日からのふるさと納税制度の見直しにより、返礼品のルールが厳しくなったにもかかわらず、寄付額が増加している。返礼品だけでなく、寄付金控除の効果もあるだろう。

しかし、まだまだ全体的な寄付金額となるとGDP比率で0.14%という水準は米国の1.44%と10分の1の水準である。

寄付金は富裕層が社会的弱者を助けるという役割があるが、日本ではセーフティネットが役割を果たしてきた。

しかし、少子高齢化を迎える日本で、そのセーフティネットがいつまで維持できるかが不透明で、そういう時こそ寄付がセーフティネットの役割を担うかもしれない。

ふるさと納税以外にも寄付金控除を使えることなどがもっと多くの人に浸透すれば、寄付に興味を持つことのきっかけになるかもしれない。