年末調整,アルバイト,パート
(写真=Thinkstock/Getty Images)

年末調整は、給与所得者(源泉徴収されている者)ならば皆が関わりのある手続きだが、アルバイトやパートに関してはこれを軽視している場合が少なくない。この傾向は給与所得者、給与支払者いずれにも言えることで、年末調整自体を行わない給与支払者もいれば、これについて抗議をしない給与所得者もいる。

こういった状況はひとえに、年末調整や源泉徴収という制度に対する無理解が原因だろう。今回は年末調整を受ける為の条件などについて解説するので、現在アルバイトやパート勤務をしている方はぜひ参考にしていただきたい。


扶養控除等(異動)申告書とは

年末調整の時期が近づくと、給与支払者(勤務先)から「扶養控除等(異動)申告書」、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」という2種類の申告書が渡される。

後者は名前通り保険料控除や配偶者特別控除の適用を受ける際に必要事項を記載することとなるのだが、前者については提出することが年末調整を受ける前提条件となっている。書類の名前が示すような、扶養控除を受けるためだけの申告書ではないということにまず注意してほしい。

扶養控除等(異動)申告書が提出されなかった給与所得者については、給与支払者は年末調整を行う義務を負わないのだ。また逆に、扶養控除等(異動)申告書は所得税法上で提出することが義務付けられているため、給与支払者は当該書類を提出しない給与所得者に対してこれを指摘するというケースもあるだろう。

扶養控除等(異動)申告書には、年末調整を受ける者自身の氏名、住所、生年月日等のほか、適用を受ける控除に関わりのある各種情報を記入する。丸をつける、人数を記入するといった簡単な内容のものばかりだが、ここで記入漏れや記入ミスがあると当然控除が適用されなくなってしまうので気をつけよう。

アルバイトを掛け持ちしている場合

アルバイト掛け持ちや副業などによりダブルワークをしている場合、前述の申告書類を2か所で受け取ることになるが、年末調整を行うことができるのは1か所のみである。これは、各種控除の適用が重複してしまい適正な課税が出来なくなってしまうからだ。ダブルワークの場合の年末調整は所得が多い勤務先で行うのが一般的だが、特に制限等があるわけではない。

所得が多い勤務先を本業、もう一方を副業として考えたとき、2か所の勤務先での合計所得次第では、確定申告を行わなければいけない。具体的には、副業の所得が20万円を超えている、かつ合計所得が150万円を超える場合に申告義務が生じる。

2つの条件のうちいずれか、あるいはいずれも満たしていない場合は申告の義務はない。だが副業で得た所得についても控除を受けようとする場合は、やはり確定申告を行う必要がある。

アルバイト先が年末調整してくれない場合の対処

先に述べた通り、年末調整を行うためには前提として扶養者控除等(異動)申告書の提出が必要だが、勤務先によっては当該申告書を提出させたにも関わらず年末調整を行わないというケースもある。自身の勤務先で年末調整が正しく行われているか確認したいときは、後日配布される源泉徴収票を参照すると良い。

年末調整が行われていれば「支払金額」の横、「給与所得控除後の金額」や「所得控除の額の合計額」といった欄に金額が記載されているはずだ。逆に支払金額や源泉徴収税額にのみ金額が記載されているならば、年末調整は行われていないことになる。

このような場合、残念ながら対処法は担当者へ直談判するか、「確定申告を自分ですること」しかない。申告書を提出した給与所得者について年末調整を行うことは義務なのだが、しかしその一方で税法はこれを正しく行わなかった者を罰していないのだ。

収入103万を越えてはいけない理由

年末調整において、あるいは自身で確定申告を行ったとき、合計所得が103万円を超えていなければ所得税は発生しない。ここでいう合計所得とは各種所得控除適用前の金額であり、所得控除には基礎控除と給与所得者ならば誰もが受けられる給与所得控除が設けられている。

基礎控除の控除額38万円 + 給与所得控除の控除額65万円 = 合計103万円は給与所得者すべてが受けられる所得控除で、一般にこれを超えてはいけないと言われるのは所得税が発生するかしないかの境だからである。

勤労学生控除とは?

給与所得者が学生や生徒である場合、2つの控除に加えて勤労学生控除の適用を受けることができる。勤労学生控除の控除額は27万円なので、合計所得103万円 + 勤労学生控除27万円 = 合計130万円までの所得については所得税が発生しないことになる。

この適用を受ける時に注意したいのが、103万円を超えると扶養からは外れてしまうという点だ。これは学生に限らず主婦のパートでも同様だが、2018年からは配偶者控除が受けられる年収の上限が150万円になる。ただ、現時点であなたが両親や配偶者の扶養親族として扱われている場合は、2017年いっぱいは103万円以内に抑えた方が無難かもしれない。

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