褒め言葉は間接的にさりげなく伝える
とはいえ、選手たちも常にモチベーションを高く維持できるとは限らない。調子が悪くて落ち込んだり、試合で出場機会が与えられずやる気が低下することもあるだろう。しかも佐々木氏にとって、選手たちは年齢の離れた異性。日頃のメンタルケアにはどう対応していたのか。
「女性は男性に比べて繊細でデリケートだと思います。そして私はまったくデリケートじゃない(笑)。だからスタッフの助けを借りることにしました。チームにはコーチやトレーナー、ドクターなど様々なスタッフがいて、選手の心身のケアから生活面の管理、練習中のプレー状況の把握まで、あらゆる面から選手をフォローしています。
だからスタッフを通じて選手たちの情報を教えてもらったり、私からのメッセージを伝えてもらったりするようにしたのです。
例えば、トレーナーに優しくマッサージをしてもらっているときなどは、選手たちもぽろっと本音が出やすいわけです。『ノリオはちゃんと私の良いところをわかっているのかな?』とかね。
その場合、トレーナーから『ここぞというときに試合を決めてくれるのはあなただって、ノリさんはいつも言ってるよ』などと伝えてもらいます。
こういう言葉は、当事者の私が面と向かって言うと白々しいじゃないですか。だからスタッフから言ってもらったほうが、選手も素直に受け入れるようです」