松下幸之助の起業後の成功の秘訣
松下幸之助が斬新なアイデアを生み出したり、数々のイノベーションを起こしたりできた要因として、幸之助が常に大切にしていた「素直な心」があった。何物にもとらわれない素直な心で物事を見ることで、その「本質」がよく見えるようになる。自分の願望ではなく、物事の本質から考え抜いたことで、それまで世になかった商品を開発したり、あるいは常識破りのコストダウンを実現したりできたといえる。
映写された映像の中で、「たいへんな成功を収めているのに、なぜそんなに謙虚な態度でいられるのか?」という質問があった。それに対して幸之助は、「自分は謙虚にしているつもりはない。ただ周りにいる人はすべてわが師だと思っている。10人いたら10人の知恵を集める。100人いたら100人の知恵を集める。そういう心構えでやってきた」と回答していた。このように衆知を集める全員経営を心がけたことも、起業に成功した秘訣だといえる。
これら一連の起業物語は、参加者の胸に深く刻まれたのではないだろうか。
セミナー開催の社会的意義
セミナーに参加された大阪府守口市出身の島田浩美さんに感想をうかがった。
「松下幸之助さんが創業されたパナソニックがある守口市で生まれ育ったことに、子供の頃から誇らしい気持ちを持っていました。いま、自分で事業を少しずつ始めているところで、渡邊先生からうかがった幸之助さんの起業のお話はとても参考になりました」
CLUB Panasonicでは、単なる商品のサポートにとどまらず、登録オーナーの方々の学びに貢献するなど、社会的に意義のある活動を展開している。今後のさらなる発展に期待したい。
THE21編集部(『THE21オンライン』2020年02月12日 公開)
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