帝国データバンク
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コンプラ違反倒産、8年連続で200件超
~ 粉飾倒産は2年連続の増加 ~

はじめに

2019年度の企業倒産件数は2年ぶりに増加に転じる可能性が高い。主に小規模倒産の件数が増加しているなかで、中規模以上の倒産においてひときわ目立っているのがコンプライアンス違反倒産だ。業績堅調と目されていた企業において、長年にわたる粉飾が発覚するケースが続いており、多数の取引先や金融機関を巻き込んだ末の倒産が周囲へ与える影響は深刻さを増している。また、新型コロナウイルスなどによる事業環境の急変は、こうしたコンプライアンス違反を改めて浮き彫りにする可能性がある。

帝国データバンクでは、「粉飾」や「業法違反」「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。2019年度(2019 年4 月~2020 年3 月)の同倒産(法的整理のみ)について分析した。

なお、本調査は2005年4 月から集計を開始しており、前回調査は2019年4月8日。

■「コンプライアンス違反」は、意図的な法令違反や社会規範・倫理に反する行為などを指す

■同一企業に複数のコンプライアンス違反がある場合は、主な違反行為で分類

調査結果

1 2019年度のコンプライアンス違反倒産は225件判明。前年度比3.4%減の微減となった

2 違反類型別では「粉飾」が78件で最多。2年連続で前年を上回った

3 主な倒産事例は、長年にわたる粉飾が発覚した「ひびき」や経営陣による資金流出が指摘された「冠心会」など