ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりが、地理的な位置関係により、その特定地域の経済、または世界経済全体の先行きを不透明にするリスクのこと。地政学的リスクが高まれば、地域紛争やテロへの懸念などにより、原油価格など商品市況の高騰、為替通貨の乱高下を招き、企業の投資活動や個人の消費者心理に悪影響を与える可能性がある。2005年以降、頻繁にニュースの中で利用されている。例としては米軍によるイラク攻撃で景気が悪化した事例がある。米国のイラク攻撃により原油価格が高騰し、これが金利上昇に繋がり、景気が更に悪化する可能性がでてきた。しかも、世界中のほとんどの国が中東の原油に依存しているから、影響は世界的規模ということになる。米国では、景気回復が遅れる中、低金利に支えられ数少ない景気の牽引役となってきた住宅建設と自動車販売が、金利上昇により失速し、米国の景気回復が更に遅れると懸念されている。イラク情勢だけが地政学的リスクではなく、北朝鮮問題やアジア各国に見られるテロや紛争など、今後その影響が増大しそうな問題が山積しており、暫くの間、地政学的リスクが世界経済、日本経済、そして金融市場にとって最大の懸念といわれている。特定地域の政治的・軍事的緊張により世界経済全体の先行きの不確実性が高まるリスク。9.11米国同時多発テロ以降の米国によるイラクへの軍事行動は、ドル離れ要因となっている。