プレッシャーからくる「扁桃体ハイジャック」に対応しよう

マインドフルネス,荻野淳也
(画像=THE21オンライン)

ストレスを軽減させ、仕事のパフォーマンスも上げるとして、職場で実践する企業も増えている「マインドフルネス」。いったい、なぜストレスに効果があるのか? ビジネスパーソンへの指導経験が豊富な荻野淳也氏に聞いた。

リラクゼーションや瞑想とは別のもの

近年、マインドフルネスに注目が集まっていますが、誤解も増えているように思います。

例えば、リラクゼーションの一種だと思われていたり、瞑想と混同されて「無心になるのは難しそうだ」と敬遠されたりすることがあります。

マインドフルネスは、リラックスすることでも、瞑想のように「無の境地」になることでもありません。

マインドフルネスとは、いたってシンプルなもの。「今、ここ」に注意を向けている状態、ということです。

つまり、ランニングをしていても、パソコンで作業をしていても、人との会話中でさえも、マインドフルになることはできるのです。

では、なぜ、「今、ここ」に注意を向けることが、ストレスと関係するのでしょうか。

ハーバード大学の研究によると、現代人は仕事時間の47%を「マインドワンダリング」の状態で過ごしているそうです。マインドワンダリングとは、注意散漫で「今、ここ」に注意が向いていない状態です。

マインドワンダリングの状態だと、例えば、「仕事で失敗した」「家族と喧嘩した」といった「過去」を引きずって嫌な気分になったり、「明日のプレゼンがうまくできるか心配だ」などと「未来」を案じたりして、ストレスの増幅を招きます。「今、ここ」に注意を向けたマインドフルの状態だと、これを防げるわけです。