新型コロナウイルスによる危機をいち早く乗り越えたとして、中国株に世界中の資金が流入し、注目を集めている。この機に、中国株デビューをしたいと考える人も多いだろう。

今回は、中国株の買い方・選び方を分かりやすく解説する。中国株の基礎知識や中国株を取り扱っている証券会社も紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。

中国株デビューをする人が増えている背景

中国株
(画像=PIXTA)

新型コロナウイルスをめぐる混乱から比較的早く回復しつつある中国では、政府が国内の経済を安定させるため、早期に景気回復策を実施した。その結果、中国経済は早くも回復の兆しを見せ始めている。

これに気づいた世界的な投資家やヘッジファンドが、中国株に資金を投じたことで、一気に中国株に注目が集まった。

日本でも、2020年4月現在、Googleで「中国株」と検索すると2億3,300万件がヒットする。これに対し、「アメリカ株」の検索結果は1億1,600万件だ。中国株への注目度の高さがうかがいしれるだろう。

新興国株に含まれる中国株は、他の先進国と比較しても大きなリターンが期待できる市場と言える。一方で、相応のリスクもあるため、リスクを抑えて運用したい場合には適さない場合もある。

しかし、「余裕資金を攻めの姿勢で運用したい」「短期的に大きな利益をあげたい」と考えるなら、中国株デビューを積極的に検討するべきだろう。

これだけは押さえておきたい中国株の基礎知識

中国株は、取引所や株式に複数の種類があり、初心者が中国株への投資をためらう理由にもなっている。

とはいえ、一度理解してしまえば難しいことはない。逆にいえば、一定のハードルがある分、それをクリアした者にのみチャンスが広がっているとも考えられるだろう。

中国株は3つの取引所で取引されている

中国株は、香港取引所・上海取引所・深セン(しんせん)取引所の3ヵ所で取引されている。上海取引所と深セン取引所は、あわせて中国本土の取引所と呼ばれることもある。

中国株は、すべてが海外投資家に対して開かれているわけではない。一部の取引所では、一定の保有制限があるため、注意が必要だ。海外投資家への保有制限については、中国株の種類を紹介する際に詳しく解説する。

中国株には5つの種類がある

中国株には、A株・B株・H株・レッドチップ・香港株の5種類がある。上海取引所・深セン取引所にはA株・B株があり、香港取引所にはH株・レッドチップ・香港株がある。それぞれの特徴について、簡単に解説する。

A株は、上海取引所・深セン取引所の中国株のうち、海外投資家への保有制限がある株のことだ。海外投資家の持ち株比率が30%まで、一外国人投資家の個別銘柄の持ち株比率が10%までという制限がある。上海取引所でも深セン取引所でも、取引通貨は人民元だ。

B株は、上海取引所・深セン取引所の中国株のうち、海外投資家への保有制限がない株のことだ。上海取引所の取引通貨は米ドルで、深セン取引所の取引通貨は香港ドルだ。

なお、上場企業数や時価総額は、A株がB株を上回っている。

H株は、香港取引所に上場しているものの、中国本土で登記されている中国企業の株式のことだ。企業が香港取引所に上場するのは、グローバル展開の足掛かりとするためや、知名度向上を図ることで、資金調達をしやすくするためである。

レッドチップは、香港取引所に上場している企業のうち、中国本土以外を本社としており、中国政府資本が30%以上の企業の株式ことだ。本社所在地は、香港・マカオ・台湾など中国本土以外の地域、もしくは海外だ。

レッドチップは、政府資本の割合が高く、安全性が高いといわれている。そのため、優良銘柄を表す「ブルーチップ」をもじって、レッドチップと呼ばれるようになった。レッドとつけられたのは、中国共産党のシンボルカラーに由来する。

最後に、香港株は、H株にもレッドチップにも該当しない中国株のことだ。具体的には、中国本土以外を本社としており、政府資本が30%未満の企業の株式を指す。

A株の市場の違いを知る

上海・深セン取引所のA株には、メインボード・科創板・中小板・創業板といった異なる市場が用意されている。

上海取引所の科創板(かそうばん)は、ハイテク企業の育成を目的として始まった。そのため、半導体や車載電池などを扱う企業が上場している。

深セン取引所の中小板には、主に中小企業が上場している。

深セン取引所の創業板(そうぎょうばん)は、新興企業向けの市場だ。中国経済の持続的な発展を目的として、創業を後押しする目的で始まった。「中国版ナスダック」と呼ばれることもある。

中国株の銘柄を選ぶときは、こういった市場の違いにも注目すべきだろう。メインボードの上場している大手企業を狙うのも1つの選択肢だが、創業板などにも興味深い銘柄はたくさんある。

中国株の選び方は?注目したい主な指数も紹介

続いて、中国株を選ぶうえで大切な視点や、参考にすべき指標を紹介する。

中国は共産主義国家なので、政府の市場に対する介入は、日本でイメージするよりもはるかに大きい。そのため、中国株を選ぶときは、中国政府の政策にはしっかり注目しておきたい。

また、初めて中国株を選ぶなら、海外市場にも流通する商品やサービスを扱っている中国企業の銘柄に着目するのもいいだろう。「メイドインチャイナか」と思ったとき、その商品を扱う中国企業を調べてみるといいかもしれない。

中国株を買ううえで参考になる指標はたくさんあるが、ここでは代表的な指標を3つ紹介する。

上海総合指数
上海取引所が公表する、上海株式市場を代表する指数。上海取引所に上場するすべてのA株・B株の株価をもとに算出される。

上海50指数
上海取引所が公表する、A株銘柄を対象とした指数。A株銘柄の中でも、科学的根拠に基づいて抽出された、規模や流動性の大きな50銘柄をもとに算出される。

香港H株指数
香港取引所のH株銘柄の株価の値動きを代表する指数。ハンセン銀行傘下のハンセン・インデックス・サービス社が公表している。

中国株への投資の仕方は?3つの選択肢の違いを知る

中国株に投資するには、3つの方法がある。

1つ目は、中国の取引所に上場している中国株を買う方法だ。中国株を取り扱っている証券会社を選ぶ必要はあるが、中国株デビューするのに最適な買い方と言えるだろう。海外投資家に対して一定の制限はあるものの、最も広い選択肢から成長が期待できる中国株を選べるのが魅力だ。

2つ目は、アメリカに上場している中国企業の株を買う方法だ。中国版Googleといわれる大手検索サイト「百度(バイドゥ)」、中国版Amazonといわれる大手通販サイト「阿里巴巴(アリババ)」といった大手企業は、アメリカの証券取引所にも上場している。

しかし、米中関係にはしばしば緊張が走る。今後、アメリカの証券取引所への中国企業の上場が、廃止されたり制限されたりする可能性がないとは言い切れない。その点には十分注意しておかなければならないだろう。また、どうしても大手企業に限られることから、選択肢が狭まってしまうというデメリットもある。

3つ目は、中国株を投資先に持つ投資信託を選ぶという方法だ。投資先として中国に魅力を感じているなら、これでいいかもしれないが、中国株に投資しているという実感は得られにくいだろう。投資信託では、よくも悪くも運用をプロに任せることになるので、自分自身で投資判断を行う力を磨くことはできない。

中国株を購入する際の注意点

中国株投資には、当然リスクもある。一般的な投資リスクといわれる株価変動リスクや倒産リスク、流動性リスク(売買したいタイミングで約定しないリスク)はもちろんのこと、外国株だからこその為替リスクもある。

また、中国は新興国ということもあり、カントリーリスクにも十分注意が必要だ。政治・経済の動向は、情報収集によってしっかり把握しておきたい。

中国には、法制度の未整備や会計基準のあいまいさといった問題点もある。日本株と同じような感覚で中国株を始め、痛い目を見ることがないよう、緊張感を持って取引をすることが大切だ。

中国株を組み込んで運用効率を上げる

リスクはあるものの、高いリターンを狙うことができる中国株は、夢のある投資対象と言えるだろう。周りと同じように日本株やアメリカ株に投資するのでは物足りない人や、攻めの姿勢で投資したいと考えている人は、中国株をポートフォリオに加えることを前向きに検討すべきだろう。

ポートフォリオは、バランスが重要だ。リスクの低い資産ばかりでポートフォリオを構成しておくのは、決して運用効率がいいとは言えない。余裕資金を中国株に投じることで、運用効率の向上を図れるのではないだろうか。

※本ページは特定の商品、株式、投資信託、そのほかの金融商品やサービスなどの勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。本ページに掲載されている情報のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。