マイホーム購入の際、住宅ローンを利用する人は多いでしょう。

しかし、いざ住宅ローンを選ぼうと思うと、各金融機関がさまざまなサービスを扱っているので、「何がいいのかわからない」と感じるかもしれません。

そんな時、不動産屋に「これがいいですよ!」と言われると、すすめられるがまま契約してしまいたくなりますよね。

ですが、これはとても危険です。

実は不動産屋の提携住宅ローンに申し込むことで、本当は必要ない手数料がかかってしまったり、お得でない住宅ローンを選んでしまったりするケースがあるのです。

この記事では、不動産屋にすすめられた住宅ローンに注意すべき理由や、損せず住宅ローンを選ぶためのポイントを紹介します。

不動産屋がすすめる住宅ローンが危険な2つの理由

住宅ローン
(画像=PIXTA)

冒頭でもふれたように、不動産屋にすすめられるがまま、比較検討をせずに住宅ローンを選んでしまうのはとても危険です。

住宅を購入する際、不動産屋から「提携している住宅ローンだと審査に通りやすい」「紹介を受けるといい条件で住宅ローンに申し込める」といったことを言われることがあるかもしれません。

しかし、この「提携住宅ローン」を選ぶ際には、以下の2つの落とし穴が隠れている可能性があるのです。

【提携住宅ローンを選ぶ2つの注意点】
① 住宅ローン代行手数料が発生する可能性がある
② お得な住宅ローンを選べない可能性がある

それぞれ、順番に見ていきましょう。

住宅ローン代行手数料が発生する可能性がある

「住宅ローン代行手数料」という言葉を、耳にしたことがないという方も多いでしょう。これは住宅ローンを借りるための手続きを、不動産会社に代行してもらったときに支払う手数料のことを指します。

不動産屋から「住宅ローン代行手数料がかかりますよ」といわれると、「そういうものか」と思い、支払ってしまう人もいるかもしれません。しかし、実はこれは必ずしも必要な費用ではありません。住宅ローンの手続を自分自身で行えば、代行手数料は発生しないのです。

手数料は不動産屋によって異なりますが、10万円程度の金額を請求されることが多いようです。中には、手数料として数十万円を請求されることもあります。

住宅を購入する際にはさまざまな出費がかさみます。もっとほかのことに使えるはずだったお金を、不要な手数料に取られてしまうのはもったいないですよね。

住宅ローン代行手数料は、不動産屋によって「住宅ローン斡旋料」「住宅ローン斡旋手数料」「融資事務代行手数料」などの名称で呼ばれることもあるため、こうした言葉が出てきた場合には、しっかり確認するようにしましょう。

お得な住宅ローンを選べない可能性がある

不動産屋にすすめられた住宅ローンを選ぶうえで注意すべき2つ目のポイントが、「お得な住宅ローンを選べない可能性がある」という点です。

住宅ローンにはさまざまなサービスがあり、金融機関や商品もたくさんあります。同じ金額を借り入れる場合にも、どのくらいの期間で借り入れるか、どの金利のプランを選ぶかによって、お得になる住宅ローンは異なります。

しかし、不動産屋が提携している住宅ローンには、当然ですが限りがあります。また、住宅ローンの審査に通らなければ不動産の購入申し込みができないため、不動産屋の営業は審査に通りやすい住宅ローンをすすめる傾向があります。

「審査に通りやすい住宅ローン=条件のいい住宅ローン」とは限らないため、すすめられるがまま選んでしまうと、お得な住宅ローンを選ぶことができない可能性があるのです。

選ぶ商品や金利タイプによっては、総返済額が数十万円~数百万円異なるケースもあります。月々の返済の負担も変わってきますので、しっかり自分に合った住宅ローンを比較・シミュレーションし、選ぶことが大切です。

提携住宅ローンを選んでも、審査や借り入れ条件に影響しない

不動産屋の提携住宅ローンを借りることで、「審査に通りやすくなるかも」「いい条件で借りられるかも」と期待する人は多いでしょう。

結論からいうと、不動産屋のすすめる住宅ローンを選んでも、審査や借り入れ条件にはほぼ影響しません。住宅ローンの審査の際、金融機関がチェックしているのは「借り入れる人が本当に住宅ローンを返済できるのかどうか」だからです。

金融機関では、あなたの年収や勤続年数、健康状態、購入する住宅などの情報をもとに審査を行い、融資の可否を決定します。こうした条件はどんな経路で申し込んでも変わらないため、審査などへの影響はほぼないといえます。

逆に、他の住宅ローンを比較することで、もっといい条件で借り入れることのできる住宅ローンが見つかる可能性もあります。提携住宅ローンを選ぶことで、かえって損をしてしまう可能性もあるのです。

まとめ

ここまで、不動産屋にすすめられた住宅ローンをそのまま選んでしまうことの危険性について解説しました。

住宅ローンの商品はわかりづらいため、ついつい不動産屋がおすすめする住宅ローンを選んでしまいたくなるもの。

ですが、

① 住宅ローン代行手数料が発生する可能性がある
② お得な住宅ローンを選べない可能性がある
といったデメリットがあり、損をしてしまう可能性があります。

マイホーム購入は一生の中でも大きな買い物。そのため、しっかり比較・検討をして選びたいですね。

「どうやって比較すればいいのかわからない」という方には、借入額や条件を入力するだけで、月々の返済額やお得な住宅ローンがわかるシミュレーションツールなどもあります。

こうしたツールを活用して、自分にとってお得な住宅ローンを確かめてみてください。

<プロフィール>

中澤 悠生(ナビナビ住宅ローン編集部)
住宅ローンをどこよりも分かりやすくをモットーに、住宅ローン情報を解説しています。
https://navinavi-mortgage.com/