要旨
- 5/18に内閣府から公表される2020年1-3月期の実質GDPは、前期比▲0.9%(前期比年率▲3.6%)と2四半期連続のマイナス成長になったと推計される。
- 新型コロナウィルスの感染拡大を受けた政府の自粛要請の影響で、民間消費(前期比▲1.3%)、住宅投資(同▲3.0%)、設備投資(同▲1.9%)の国内民間需要がいずれも大きく落ち込んだことがマイナス成長の主因である。
- 成長率のマイナス幅は2019年10-12月期から縮小したが、消費税率引き上げの影響で大きく落ち込んだ後であることを踏まえれば、経済の実態は見た目以上に厳しい。日本経済は、消費税率引き上げ後の落ち込みから徐々に持ち直しつつあったが、新型コロナウィルスの感染拡大とそれに伴う自粛要請によって、その流れは完全に途切れてしまった。
- 4月以降は、緊急事態宣言の発令とそれに伴う休業要請を受けて、民間消費、住宅投資、設備投資の大幅減少が不可避とみられることから、経済活動の縮小ペースは一段と加速する可能性が高い。現時点では4-6月期の実質GDPは前期比年率▲30%台のマイナス成長になると予想している。