新型コロナウイルスの感染拡大により、小売・外食はもとより多くの業種が会社の経営を左右するほどの大きな影響を受けています。

特に中小企業の経営的な打撃は計り知れません。売り上げが下がっても、社員の給料支払いは毎月発生しますし、家賃やその他固定費もばかになりません。企業の手持ち資金は平均月商の1.9カ月分と言われており、資金繰りの厳しさがジワジワと経営にのしかかってくるのは必須です。

そこで政府は、売上減に苦しむ中小企業を対象に、次々と資金繰り支援制度を打ち出しています。今回は、そうした支援制度の概要と実態について4回に分けて紹介していきます。

まずは補助金より融資の活用を考える

早急なアクションでコロナを乗り切れ!1
(画像=まちゃー/ pixta, ZUU online)

支援制度には、大別して「融資」と「補助金・助成金」があります。将来返済しなければいけない融資よりも、できれば補助金の方を利用したいと思う人は少なくないでしょう。しかし、補助金は給付条件が厳しいうえに支給まで時間がかかるケースも多く、金額も決して多くはありません。

新型コロナウイルス感染拡大の影響はいつまで続くのか、先行きは不透明です。こういったときは、当座の資金調達としてまず融資について考えるのが有効といえます。本当に使うかどうかわからない、借金はしたくない、といった考え方では、こうした非常時は乗り切れません。

こういうときこそ、「現金は積めるだけ積め」が原則です。そこで今回のコロナ禍に向けて、どういった融資制度があるのか見ていきましょう。

新型コロナ対応の融資には2種類ある

新型コロナ対策の融資情報を知るには、まず経済産業省のHP「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」を見ることをお勧めします。

新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
(画像=経済産業省)

融資や補助金(助成金は厚生労働省の管轄なので別)の情報が日々アップデートされているため、最新の情報を知ることができます。社員の雇用のこと、リモートワークなどの経費のことなど、困ったことがあれば、まずこのサイトを見てみることです。

融資制度については、このパンフレットの6ページに全体像がわかる解説が出ています。実際、政府系金融機関(日本政策金融公庫)によるものと、民間金融機関(銀行など)によるものの2種類があります。