人生100年時代。自分がどれだけ長生きをするのか、老後の生活費が足りるのか分からない。そんな不安を持っている方は多いだろう。また、実際のところ、私たちの老後生活を支える重要な制度である公的年金(国民年金・厚生年金)は、ゆとりある生活を送るには不十分であるといわれている。

今回は、公的年金の仕組みと、それだけでは老後資金が不足する理由についておさらいする。そして、その不足分を補う方法について考えてみよう。 

公的年金だけでは老後が厳しい理由 

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(画像=metamorworks/Shutterstock.com)

そもそも年金という社会保険制度は、あらかじめ保険料を出し合って長生きリスクに備えるのが目的である。まずは、年金制度の仕組みを見てみよう。

年金の基本的な仕組みについて

日本の公的年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の2階建てになっている。国民年金のみに加入している自営業者や学生等を「第1号被保険者」、厚生年金や共済組合等にも加入している会社員や公務員を「第2号被保険者」という。

また、第2号被保険者に扶養されている配偶者(原則として年間収入130万円未満の20歳以上60歳未満の方)は「第3号被保険者」と呼ばれ、保険料は第2号被保険者の一括負担となる。

日本の公的年金は「賦課方式」

年金の財政方式は、現役世代が受給世代の給付を支える「賦課方式」と、将来自分が受給する費用を積立てる「積立方式」の2つに大別される。このうち、日本の公的年金では賦課方式が採用されており、受給世代の年金を現役世代が支えている。自分の年金を自分で積立てているわけではない点に注意が必要である。

将来もらえる年金支給額は?

では、将来もらえる年金支給額についてはどうだろうか。とくに基礎年金は、保険料を全額納付していれば満額支給となるのだが、あくまでも賦課方式であるため、現在の支給額(所得代替率)を維持できるかは未知数だ。また年金は、運用状況次第で支給額に影響が出ることに加え、年金支給額の伸びが物価上昇率を下回り「目減り」してしまう可能性もある。

「公的年金プラスアルファ」を検討しよう

そこで、将来の不安を解消するために、「公的年金プラスアルファ」を検討しよう。

老後の備えをするために必要なこと

老後に着実に備える方法のひとつとして、公的年金のみに頼るのではなく、公的年金にプラスするかたちで資産形成を行えば、将来の安心を実現できる。無理のない方法で現役時代から少しずつ資金を積立てておくのがよいだろう。

税制優遇のある制度を活用しよう

そこで紹介したいのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」である。iDeCoは確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、自ら拠出した掛金を運用しながら、将来の年金にプラスすることができる。言わば、“積立方式の年金”である。しかも掛金は全額所得控除の対象となり所得税・住民税が軽減される。運用益は非課税、さらに受給時にも所得控除を受けられるなど税制面でも優遇されている。

iDeCoに加えて、運用益非課税の「つみたてNISA」も検討したい。少額から始められることに加え、対象商品は手数料や分配金などの点から厳選されている。まさに、長期・積立・分散投資を実現できる制度だ。これらの制度を活用し、公的年金プラスアルファを準備したい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)