日本国内だけでなく世界経済の浮き沈みが激しい昨今。とくに日本経済はその成長を実生活ではあまり感じることができず、多くの人は収入増につながっていないと考えているかもしれない。ただそれでも、子育てをしていかなければならない。そこで重要となるのが将来の家計に関する「シミュレーション」だ。
本稿では、手取り30万円で子供2人を育てた場合のシミュレーションをしてみよう。
手取り30万円の家庭で子供2人を育てるには……
仮のケースとして、手取り30万円で2人の子供を育てる場合を考えてみよう。もし2人とも大学に行かせる場合、どのような費用がかかり、どのようなライフプランが必要なのだろうか。
手取り30万円と額面給与(月収)
手取りが月額30万円とした場合、社会保険料、所得税、住民税を考慮すると、月々の額面給与(所得税、住民税、社会保険料引く前の金額)は約38万円(ボーナス無し)、年収は約450万円となる。配偶者控除や扶養控除は加味していないが、状況はそれほど変わらない。年収450万円というと、全国平均(約440万円)を少し上回る水準だ。
子供2人を大学に行かせるための合計費用は2,000万円!?
2人の子供を大学まで通わせるとしたら、幼稚園から大学まですべて公立の場合でも、1人あたりの教育費は1,000万円前後が目安となる。子供が生まれてからの18年間で2人分の2,000万円を用意するためには、均等で割っても月々9万円必要となる。
どのようなライフプランが必要か?
もちろん、子供を育てるには生活費その他の費用も必要だ。できれば、高校までの教育費は、家計の中から賄いたい。「子供の入学時」や「住宅購入時」など、出費が大きくなりやすいシーンに備えて準備しておくことが肝要である。教育ローンや住宅ローンを利用するときは、綿密な返済計画を立てる必要がある。
そのためには、子供の年齢と出費状況を踏まえたライフプランの構築が欠かせない。具体的には、年度ごとの「基本的な出費」や「貯蓄額」、「教育費」を割り出し、住宅購入のタイミングを見極めながら、老後資金も踏まえた資金計画について検討していこう。
シミュレーションを通じて堅実なライフプランを
あらかじめ必要となる費用を見積もっておけば、状況に応じた対応も可能となる。資金が明らかに不足すると想定される場合は、副業や共働きなども選択肢として考慮するべきだろう。金融庁が提供している「ライフプランシミュレーション」などを活用し、具体的な数字でシミュレーションしてみよう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)