環境省は28日、「『気候変動×デジタル』プロジェクト」として、ブロックチェーン等のデジタル技術を活用した「J-クレジット制度」の利便性向上に関して、検討結果を発表した。

J-クレジット制度とは、省エネ・再エネ設備の導入や森林管理等による温室効果ガスの排出削減・吸収量を「クレジット」として国が認証する制度である。

気候変動分野では、ブロックチェーンなどのデジタル技術を活用することで、温室効果ガスの排出削減活動や環境価値取引等の拡大が期待されている。

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(画像=月刊暗号資産)

当プロジェクトでは、J-クレジット制度に中小企業や個人でも手軽に参加できるよう、デジタル技術を活用し、オールジャパンでの環境への取組を推進する。

今回は、デジタル技術に知見のある事業者等から成るワーキンググループを開催し、現行のJ-クレジット制度に関する課題の深掘りや解決策について検討を行ったという。

J-クレジット制度において、「いつでも・どこでも・誰でも」環境価値の創出・取引ができることを目指し、リアルタイムかつ透明性のある取引によって地方創生を実現する。具体的には、各種手続きの電子化や認証手続きの自動化およびブロックチェーンを活用したJ-クレジット取引市場「ezzmo(イツモ)」の形成などを検討しているようだ。

ezzmoでは、民間が主体となって企業や家庭がクレジットの購入・活用をすることができるという。また取引市場運営に関しては、取引市場への参加ごとに一定の手数料を徴収することや取引手数料を設定し、事業採算性の確保が必要だとの見方を示した。

公表された資料によると、クレジット供給ポテンシャルは102〜174万t CO2と推計。販売手数料を5%に設定することで採算を取ることが可能だという。

環境省によると、このプロジェクトは佐藤ゆかり環境副大臣が中心となり検討が進められているようで、最速で2022年度からの運用開始を目指しているようだ。(提供:月刊暗号資産