コロナ禍で一般車の新車販売台数が落ち込むなか、高級輸入車の EV(電気自動車)・HV(ハイブリッド車)市場は堅調といわれています。今回は、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリといった高級スポーツカーのEV・HVの最新動向をレポートします。
ポルシェ:同社初のEV「タイカン」の価格は1,448万円〜
国内正規ディーラーが日本初のポップアップストア(期間限定店舗)「Porsche NOW Tokyo」を東武有明フィールドにオープンするなど精力的な活動を展開しているポルシエ。この店舗の目玉企画が、ポルシェ初のフル電動スポーツカーである「タイカン」の展示です。
ポルシェではタイカンを「ポルシェの伝統を忠実に受け継いだスポーツカー」と位置づけており、これまでポルシェが追求してきた安定性の高いハンドリングや高剛性かつ軽量なボディ、低重心設計などはEVになっても変わることがありません。ポルシェが「世界最高レベル」とうたう高速充電を叶える電圧システムに対する今後の評価も注目されます。
タイカンは価格が正式発表されないまま、2019年11月に日本国内での事前予約がスタート。半年以上経った2020年6月に3モデルの販売価格が下記のように発表されています。
タイカン4S 14,481,000円
タイカンターボ 20,231,000円
タイカンターボS 24,541,000円
※2020年6月時点の希望小売価格(消費税込)
ただタイカンの予約後の納車時期については、ポルシェでは現時点で明らかにしていません。ディーラーに直接確認するのがよいでしょう。
ランボルギーニ:限定63台のシアンFKP37は即完売
ランボルギーニは、2019年9月に開催されたフランクフルトモーターショーでブランド初のハイブリッドスーパーカー「シアンFKP37」を発表したことが話題になりました。
シアンFKP37の性能は従来のガソリン車にひけをとらないもので、100kmまでの加速は2.8秒以下、最高速は349km以上というハイパフォーマンス。これなら加速性能にこだわるスポーツカーファンも納得するのではないでしょうか。ただ各メディアの報道によると、シアンFKP37は63台の限定生産であり、フランクフルトモーターショー出展時点で完売になっていたようです。次なるEV・HVの新車種投入が待たれます。
ランボルギーニの日本法人は日経新聞(2020年6月23日付)の取材に対し「顧客である富裕層の環境への意識は高い」とコメントし、スポーツカーと排ガス規制の親和性を意識した新たなマーケットがはじまると予測しています。
フェラーリは2025年以降にEV投入、マクラーレンは全車種HV化を急ぐ
EVの予約が日本国内ではじまっているポルシェ、限定生産とはいえHV車を実現したランボルギーニ。2社が先行するなか、他の高級スポーツカーブランドも今後、EV・HVを本格化させる動きを見せています。
自動車メディアであるAUTO CARによると、フェラーリは初の電動車を2025年以降に市場へ投入予定(2020年7月現在)。主要スポーツカーブランドが次々にEV・HVを投入するなか、電動車の発売を2025年よりも前倒しするのではとの憶測もありますが、同誌の取材に対し、フェラーリの部門責任者は「少なくとも5年間は電動フェラーリの投入はないだろう」と語っています。なお、この初の電動フェラーリには、各車輪にモーターが設置されている四輪駆動2シーターが採用されると見られています。
EV市場をじっくり攻める姿勢を見せるフェラリーと対称的なのがマクラーレン。国内正規ディーラーに確認すると、2020年度内のHV発表はないものの、早い段階でのHV投入がありそうです。マクラーレンは2025年までに全車種をHVにする計画を打ち出しており、環境性能との共生を次なる成長の鍵としています。
このように、一口に「高級スポーツカーブランドのEV・HV」といっても各社でかなりスタンスが違います。いずれにしても各メーカーで変革が進んでいる時期のため、EV・HVの最新状況を確認しつつ購入タイミングを図るのが賢明でしょう。(提供:Wealth Lounge)
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