先月14日に金融庁長官に就任した氷見野良三氏は5日、ロイターのインタビューに応じ、CBDCへの取り組みを推進すべきとの持論を展開した。

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(画像=月刊暗号資産)

今回、ロイターの取材にあたり氷見野長官は、「コロナウイルスの大流行により、キャッシュレス社会の到来が加速する可能性があるため、日本は代わりに中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)に向けた取り組みに注力すべきだ」「日銀がCBDCの研究を加速させるための最近の取り組みを歓迎し、将来CBDCが発行された場合、日本は潜在的な課題に対処するための方法をより詳細に見なければならない」と述べた。

氷見野長官は金融国際審議官(FSB)を務めてきた人物で、2015年から約3年間、国際業務を営む銀行を対象に各国で統一規制を協議してきた経験の持ち主である。

氷見野長官は暗号資産について、昨年のG20で、「ビットコインやその他の暗号通貨の規制緩和は、投機的な取引を増やすだけで、必ずしも技術革新を促進するとは限らない。暗号通貨を促進するために特別な措置を取ることは考えていない」と積極的な規制緩和をとることに慎重な立場を示したが、暗号資産について否定も肯定もしなかった。

しかしブロックチェーン技術については、「未来の分散型金融技術がもたらす可能性もフルに花開かせつつ、さまざまな社会的、公共的な目的と両立する形で成長していくために必要なことは、できるだけサポートしていきたい」と語っていた。(提供:月刊暗号資産