海外では各国の法規制に準拠してSTOが実施されています。

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今回は2019年に各企業が発行したセキュリティトークンについて解説し、ビジネスモデルや将来性について解説していきます。

目次

  1. 1. Provenance ブロックチェーンを活用した証券化商品の組成・販売|STOで2,000万ドルの資金調達
    1. 「Provenance」の将来性
  2. 2. アメリカ Resolute.Fund 不良債権投資事業の拡大に向けたSTO
    1. Resolute.FundのSTOについて
  3. 3. アメリカ SpaceFund 宇宙産業企業への分散投資
    1. 宇宙産業について
    2. SpaceFundのSTOについて
    3. SpaceFund の将来性
    4. SpaceFundによる格付けシステムについて
  4. 4. ドイツ Neufund 3,387,752ユーロの資金調達に成功
    1. ETO(Equity Token Offering)について
    2. Neufundで採用されているERC-223について
    3. Neufundこれまでの取り組み
  5. 5. ドイツ StartMark 5,000万ユーロ規模のSTOを実施|スタートアップ企業投資
    1. StartMarkについて
    2. BaFinの承認について
  6. 6. ドイツ Bitbond(ビットボンド)社債を担保としたセキュリティトークンを発行
    1. Bitbondについて
    2. BitbondのSTOについて
  7. 7. スイス MtPelerin 金融サービスの透明性向上に向けて
    1. MtPelerinについて
    2. Mt Pelerin Bridge Protocolについて
  8. 8. スイス TradeCloud 4,200万ドル規模のSTO|コモディティ市場の金融化
    1. TradeCloudについて
    2. コモディティ市場について
  9. 9. スイス ヘルスバンク(healthbank) ヘルスケアのデジタル化への取り組み
    1. ヘルスバンクについて
    2. ヘルスバンクによるSTOについて
  10. 10. スイス BlockState セキュリティトークン発行プラットフォーム
    1. 「BlockState」のSTOについて
    2. 「BlockState」の特徴や将来性
  11. 11. スイス blockimmo
    1. blockimmoのSTOについて
    2. blockimmo STOの詳細について
  12. 12. フランス Blockpulse・Lemonway
    1. Blockpulse:フランス国内初のセキュリティトークン取引所開設へ
  13. 13. フランス Equisafe・不動産担保セキュリティトークン
    1. Equisafeの今後の展開について
  14. 14. オランダ VMCのSTO解説 MaaSとブロックチェーンの融合
    1. モビリティ市場について
    2. モビリティ市場の現状と課題
    3. 日本でのモビリティ事業の展開
    4. VMC STO(特徴・仕組み)について
    5. VMCの将来性
    6. ReitBZについて
    7. ReitBZのSTOについて
    8. ReitBZについての詳細
    9. 「BTG Pactual」「Dalma Capital」 STO共同計画について
    10. 「BTG Pactual」「Dalma Capital」 STO共同計画の将来性
  15. 16. エストニア Kriptomat 暗号資産取引所の事業拡大へ
    1. Kriptomatについて
    2. KriptomatのSTOについて
  16. 17. アメリカ Fvndit ベトナムの中小企業への融資事業の拡大へ
    1. FvnditのSTOについて
    2. eloanについて
  17. 18. リヒテンシュタイン Smartchem 高性能な洗浄剤の開発事業の拡大へ
    1. Smartchem(SCM)について
    2. Smartchem(SCM) ロードマップ
    3. Intelligent Fluids社について
  18. 19. リヒテンシュタイン edeXa データセキュリティ強化に向けて
    1. ユニオンバンク(Union Bank)について
    2. リヒテンシュタインのブロックチェーンへの取り組み
    3. リヒテンシュタインのSTO事例 edeXa
    4. edaXa STO(特徴・仕組み)について
    5. サプライチェーンの現状と課題
    6. サプライチェーン ブロックチェーン技術の導入
  19. 20. スペイン Stellerro|事業開発の拡大のためSTOを実施へ
    1. スペイン 暗号資産規制動向
    2. Stellerro 最低投資額や期間について
  20. 21. デンマーク企業 ARYZE 国際送金へのブロックチェーン技術の導入にむけSTOで2,900万ドルの資金調達へ
    1. ARYZEについて
    2. Digital Cashについて

1. Provenance ブロックチェーンを活用した証券化商品の組成・販売|STOで2,000万ドルの資金調達

これまで金融機関では、住宅ローンなどの証券化商品の信頼性を保証するために複数の第三者機関が必要であり、業務効率の悪さが長年の課題とされてきました。

そこで、「Provenance」は金融業界にむけたブロックチェーンプラットフォームの開発と提供を行っています。

Provenanceブロックチェーンを活用することで、取引の信頼性を保証し、第三者機関を必要としない証券化商品の組成や販売が実現できます。

スマートコントラクトを実装したブロックチェーンによって自動契約(取引)が可能となり、仲介業者が不要になることから多くの分野で活用が進んでいます。

取引情報の管理・共有もブロックチェーン上で行えるために、情報の改ざんを防止するといった効果も期待できます。

日本でもTOYOTAが自動運転のデータ収集と管理にブロックチェーン技術を活用しており、業務の効率化のみならず、産業の活性化を図るとして期待を集めています。

「Provenance」の将来性

「Provenance」を運営するProvenance Blockchain Inc.に対しては株式会社リクルートが投資部門である「RSP Blockchain Tech Fund Pte」を通じて2019年7月に投資を発表しています。

また、Provenance Blockchain Inc.はFigure Technologiesからの独立も発表されており、今後の取り組みに注目が集まります。

金融機関の業務効率化を目指している「Provenance」ですが、2019年Q3にはブロックチェーンによるヘッジファンドの設立、Q4にはブロックチェーンによるデジタル住宅ローンの取り扱いをホワイトペーパーでは明記しています。

現在では各国の企業がSTOに取り組んでおり、SecuritizeやtZEROといった発行プラットフォームが注目を集めています。

一方で、セカンダリーマーケットである取引所については取引が活発には行われていない状況が続いています。

アメリカやヨーロッパでは株式をセキュリティトークンとして発行し、調達した資金をブロックチェーン事業や不動産事業に活用するといった取り組みが行われていますが、「Provenance」の場合は株式会社リクルートからも投資を受けていることから事業的価値は極めて高いことが伺えます。

・Provenance

  • 代表 マイク・カーニー
  • 住所 650 California Street、スイート2700、サンフランシスコ、CA(94108)
  • 設立 2018年9月
  • 事業概要 金融業界向けのブロックチェー
  • プラットフォームの開発と提供。

2. アメリカ Resolute.Fund 不良債権投資事業の拡大に向けたSTO

Resolute.Fundはアメリカで「不良債権投資」事業に取り組んでいます。

サブプライムローンによる不良債権は小口化されていたため、個人投資家でも投資することができるようになったことから、ポートフォリオとして組成し、個人投資家から投資を募っています。

2019年5月28日にはじまったResolute.FundによるSTOは投資金額相当の不動産ポートフォリオを投資家が保有できる仕組みです。

集めた資金はResolute.Fundの専門チームによって銀行などに担保として預けられている不動産に投資され、20%の投資収益を目標に運用されます。

米国では、不良債権化したオフィスビルを銀行から格安で購入し、高値で売却する「不良債権投資」が流行しており、「Resolute.Fund」は不良債券と化した不動産をポートフォリオとして所有し、アメリカの不良債権投資を牽引している企業のひとつです。

銀行は回収できない貸付金が発生した場合、不良債権の償却の必要があります。

債務者からの回収ができず貸し倒れになるリスクがあるため、銀行は多少の売却損が出ても企業や投資家に買ってもらったほうが利益になります。

このことから「不良債権投資」は銀行・投資家の双方にメリットがあり、企業・投資家にとって大きなリターンのある投資として知られてきました。

また、債務者も担保に入れた不動産の所有権が銀行から投資家へ移ることでローンの返済が容易になるなど、住み続けられる可能性が高まります。

リーマンショック以降、不良債権化した物件の価格が低かったこともあり、個人投資家が「不良債権投資」に参加できるようになりました。

Resolute.FundのSTOについて

今回、Resolute.FundのSTOはさらなる事業拡大に向けた資金調達を目的に実施され、購入者には四半期ごとに6〜8%の配当が約束されています。

SWARMを通じて発行され、2019年5月28日〜6月25日の間販売されています。

アメリカSECに準拠したトークンを発行しており、トークンの発行体が回収、再発行、消去する権限を保有し、取引を管理するSWARMのプロトコルにより多くの投資家が安心して投資を行えるよう設計されています。

Resolute.Fundメンバーの多くは不動産投資を30年やってきた経験があるため豊富な人脈に太いパイプを持っています。

経験豊富なスタッフが不良債権への投資事業を展開しており、アメリカ全土で100軒以上の不動産に投資をしています。

SWARMはセキュリティトークン発行プラットフォームで、SRC20規格に基づいてトークン発行を行います。

これまで富裕層しか投資できなかったプライベートエクイティを一般投資家にも広めることをSWARMは目指しており、国際トークン標準化協会(ITSA)の設立メンバーであることからSTOのパイオニア的存在として注目を集めています。

今回のSTOは、手数料の低さや利便性の良さからResolute.FundはSWARMでのセキュリティトークン発行を行いました。

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3. アメリカ SpaceFund 宇宙産業企業への分散投資

2040年代には1兆ドルの市場規模になることが予測されている宇宙産業。(ゴールドマン・サックス調べ)

かつて宇宙旅行は天文学的な費用がかかりリスクも高いため、政府や資産家だけのものとされてきました。

しかし、最近になってZOZOTOWN前澤友作社長が宇宙旅行の計画を発表するなど、宇宙産業には大きな注目が寄せられています。

民間宇宙企業はスペースXのみならずボーイング社、ブルー・オリジンなどが宇宙産業に参入し、大幅なコスト削減に成功しています。

そのような中でSpaceFundは独自に厳選した宇宙産業に取り組む企業をポートフォリオとして組成し、将来的に高い収益が期待される企業への投資をサポートします。

そして、SpaceFundは株式をセキュリティトークンとして発行し、宇宙産業への投資をより流動性のあるものにすることを目指しています。

宇宙産業について

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宇宙に関連した産業がどのようなものか多くの人は予想もつきません。

ロケットの開発を行う企業が、高い収益を今後見込めるのかといったことは一般投資家にとっても判断が極めて難しいといえるでしょう。

SpaceFundは自らがベンチャーキャピタルであり、宇宙産業への投資については深い知識と経験を有しています。

そのため確実性の高い運用が可能となり、投資リスクの軽減を実現しています。

これまでの宇宙産業への投資はロケットが実際には飛ばなかったといったケースに代表されるように高リスクローリターンの投資でした。

しかし、現在ではスペースXやブルー・オリジンといった世界的な大企業が参入し、宇宙産業の発展に大きな資本が投入されています。

今後も様々な企業の参入が見込まれ、より優れたプロダクトの開発やサービスの提供が予想されます。

SpaceFundのSTOについて

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SpaceFund の将来性

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宇宙旅行は多額の費用と安全性の問題から長年にわたって、実現が困難とされてきましたが、SpaceFundによって宇宙産業への投資は低リスクで大きなリターンを得ることが今後は可能になることが予想されます。

しかしながら、今回のSTOは最小投資額も50万ドルとなっており、アメリカの適格投資家しか参加ができません。

アメリカ以外の国に住む一般投資家への宇宙産業への投資機会の提供はまだ先のこととなりそうですが、格付けシステム「SpaceFund Reality rating(SFR)」によって宇宙産業がよりオープンなものになることは間違いありません。

SpaceFundによる格付けシステムについて

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SpaceFundは「ロケットの打ち上げ」「地球外での通信システム開発」「深宇宙探査」といった事業を展開する企業を格付けしています。

深宇宙:地球からの距離が200万キロメートル以上である宇宙

SpaceFund Reality(SFR)と呼ばれるこの格付けは、資金調達額や開発プロダクトの市場における整合性をもとに0-9段階で評価されます。

格付けで0-3の企業は開発が初期段階であることを表し、プロダクトに対する低い評価を表しているわけではありません。

スペースXやブルー・オリジンはどちらも格付けでは9のスコアを獲得しており、「ロケット打ち上げ」に対して高い評価を得ています。

ボーイングやロッキードマーティンはNASAのNextSTEPプログラムとして「深宇宙探査」を行なっており、火星や月への探査事業に対してSFRは9,8をつけています。

宇宙に関するスタートアップ事業の多くは未実行のまま終わることが多く、全体の82%は陽の目を見ないままお蔵入りとなっています。

SFRによって業界全体を網羅的に把握できるようになり、それぞれの事業がどのような取り組みを行なっているのか明確になりました。

SpaceFundは投資機会の拡大によって、より多くの宇宙事業が発展を遂げることを目指しています。

4. ドイツ Neufund 3,387,752ユーロの資金調達に成功

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Neufundは運営会社であるFifth Force GmbHの株式をトークン化したETOによって3,387,752ユーロの資金調達に成功しました。

これは世界でもはじめての規制に準拠したブロックチェーンによる株式公開買い付けであり、投資家37人からの資金調達を成功させました。

ETO発行プラットフォームでもあるNeufundですが、ドイツ政府のブロックチェーンアドバイザーであるZeo AdamoviczがCEOを務めていることでも知られています。

NeufundのETOは当初、誰でも参加ができるようにドイツ連邦金融監督局(BaFin)との協議を行ってきました。

しかし、最終的な認可の前に最低投資額を€100,000に定めることをBaFinはNeufundに要求しました。

これはBaFinのガイダンスにもなく、協議中にも問題提起がなされなかったとNeufundは述べていますが、BaFinは大口投資家に限定した資金調達を行うようにETOへの規制を行いました。

結果として3,387,752ユーロの調達に成功したNeufundですが、その過程にはこのような出来事があったそうです。

2019年には2回目のETOが予定されており、最低投資額は€500になるとされています。

また、セキュリティトークンの発行や取引所は主にアメリカで多く設立されています。

そのような中でEU圏のドイツでETO発行が行われたことは、EU諸国のブロックチェーン市場の発展に大きな意味を持つことでしょう。

現在のところFounders Bank、Brille24、Uniti、MySwooop、Next Big Thing、Blockstate and Emflux Motorsの7社がすでにETOをNeufundで実施予定となっています。

ETO(Equity Token Offering)について

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ETO(Equity Token Offering)は企業の株式をブロックチェーン上でトークン化することで、従来より簡単に資金調達を行うことができます。

IPOやVCのように時間がかからず、ICOのような詐欺まがいのプロダクトが乱立しないよう各国の規制に準拠してトークンの発行が行われます。

KYC(本人確認)/ AML(アンチマネーロンダリング)によってコンプライアンスが保証されるため、投資家保護も適切に行われます。

エストニアの暗号資産取引所「DX.Exchange(デラックス・エクスチェンジ)」ではNASDAQと連携し、上位銘柄10社のETOを行なっています。

AmazonやNetflixの株式もブロックチェーン上でトークンとして取引されるため、ETOの普及は既存金融市場を巻き込んだ暗号資産の活用事例として大きな意味を持つことになるでしょう。

Neufundで採用されているERC-223について

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NeufundではイーサリアムのERC-223に基づいてセキュリティトークンを発行します。

このERC-223はERC-20の「送金アドレスを間違えるとトークンが消滅してしまう」といったセルフゴックス問題を解消し、より安全性と効率性を重視して開発されています。

送金申請にはアドレスの事前確認が行われるといった特徴があります。

Neufundこれまでの取り組み

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2018年7月 マルタ証券取引所の子会社MSXとBinanceとの提携

Neufundはマルタ証券取引所の子会社MSXおよびBinanceと提携を2018年7月に行っています。

この提携は世界初の分散型証券取引所の創設を目標に行われ、既存金融市場とブロックチェーンの融合を実現することを目指しています。

将来的には金融商品全体のエコシステム構築も視野に入れており、マルタ証券取引所の金融機関としての経験とブロックチェーンソリューションは両社を大きな発展へと導くことでしょう。

BinanceはNeufundが発行する株式トークンの取引所としてパイロットプロジェクトを行う予定となっており、両社の協業によってETOエコシステム構築を目指しています。

また、MSXとBinanceはMOU(Memorandum of Understanding)を2018年9月に締結しています。

このMOUは法的拘束力のない了解覚書のことで、セキュリティトークン取引所の開設を目指しています。

この3社によジョイントベンチャーによるETOならびにSTO取引所の開設への取り組みはヨーロッパ圏でも大きな話題を集めています。

2018年12月 Ledgerと提携

Neufundは暗号資産ウォレット企業の「Ledger」との提携によって、トークンの安全なウォレット管理を目指しています。

すでにLedgerのウォレット管理技術はNeufundに組み込まれており、高度なセキュリティーによって「投資家保護」の実現を目指しています。

2019年5月 最低投資額が10ユーロから可能に

NeufundによるETOに投資をする際には100,000ユーロが最低投資額として定められていました。

これはBaFinの規制によるものでしたが、2019年5月には最低投資額が10ユーロから可能になるとの発表をNeufundは行ないました。

このことで一部の適格投資家のみならず、一般投資家もNeufundによるETOに投資することができるようになりました。

また、この発表と合わせてリヒテンシュタインへの事業拡大、電池自動車メーカーGreypのNeufundプラットフォーム参加も明らかにされています。

5. ドイツ StartMark 5,000万ユーロ規模のSTOを実施|スタートアップ企業投資

ドイツの金融市場当局であるBafinは、StartMarkの5,000万ユーロのSTOを承認しました。

これまでは新しいビジネスアイデアに実際に投資するのは、ごく少数の資産家や投資家に限定されてきましたが、StartMarkは一般投資家にむけてスタートアップ企業の多様な投資ポートフォリオを提供しています。

StartMarkが発行するセキュリティトークンを購入することで、収益配当が得られるだけでなく、スタートアップ企業への投資リスクを分散化させることができるとしています。

投資家の最低投資額を100ユーロ(プレセールは700ユーロ)に設定することにより、StartMarkは大きな可能性を秘めたドイツのスタートアップ企業への投資機会をより多くの人々に提供することができます。

StartMarkについて

プレセール

開始日 2019年8月1日
終了日 2019年9月30日
会社名: StartMark GmbH
設立国: ドイツ
種類: 債券 (利益分配)
規則: 連邦金融監督庁(BaFin)
ブロックチェーン: ERC-20
価格: 1トークン= 1ユーロ
対応通貨: EUR、ETH、BTC、BCH
募金目標: 50,000,000ユーロ
最小投資額: 100ユーロ (プレセール:700ユーロ)

StartMarkのトークンは、満期が15年の債券を裏付けにして発行されています。同社は、10%から20%の年間リターンと、将来的にはトークン値が3倍になると予測しています。

発行価格はトークンごとに1ユーロとなっており、3つのラウンドを予定しています。

最初のラウンドでは、1000個のStartMarkトークンが発行されており、1トークン:700ユーロで購入でき、30%の割引を受けることができます。

第2ラウンドは、500個のトークンが発行され、10月1日から11月30日の間に行われます。

第3ラウンドは12月1日から始まり、1トークン:100ユーロで購入することができます。

また、StartMarkはこれまで、ポートフォリオに関する詳細を明らかにしていません。

WirtschaftsWocheGründerの最近の記事によると、StartMarkはまだポートフォリオを構築しており、現在、食品業界、小売、および物流の3つの新興企業との交渉を進めています。

BaFinの承認について

BaFinから承認を得るには法律上および技術上の正確な情報を提供し、膨大な作業が必要とされます。

BitbondやFundamentといったドイツで行われたSTOも半年以上の協議を経て、承認を得ており、StartMarkの目論見書草案77ページに対して、BaFinからは質問とコメントが17ページ分あったとされています。

StartMarksはベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、ファミリーオフィスといった大きな資産を持った人々しか参加できなかったスタートアップ企業への投資機会を、STOを通じてより効率的で安全(単一の企業ではなく、ポートフォリオで複数の企業に投資できるといった意味)な形で一般投資家に提供します。

ドイツでのSTOは、厳格な審査が必要とされるため2019年度においては3件しか実施されていませんが、世界のSTO市場にとっては大きな出来事であり、Bafinの承認事例がユースケースとなって、より多くの企業の資金調達方法の参考になることが期待されています。

6. ドイツ Bitbond(ビットボンド)社債を担保としたセキュリティトークンを発行

ドイツ国内ではじめてBaFin(ドイツ連邦金融監督所)に承認されたSTOである「Bitbond(ビットボンド)」は社債をセキュリティトークンとして発行することで、350万ユーロ(390万ドル)の資金調達を行なっています。

P2Pレンディング事業を営む「Bitbond(ビットボンド)」はドイツの銀行免許を持つ「solarisBank」と業務提携を結んでおり、レンディング事業の継続的な運用のためにSTOを実施しています。

社債市場は日本でもハイイールド債の発行が行われるようになるなど、高い利回りの投資商品として近年では注目を集めています。

セキュリティトークンによる社債の発行は、社債市場の活性化にもつながると考えられ、より多くの投資機会の提供を実現することができます。

Bitbondについて

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中小企業向けの融資プラットフォームを展開しているBitbondは、ブロックチェーン経由で世界中の貸し手と借り手を結び助けることに成功しています。

借り手はアマゾンやPayPalアカウントなどのクレジットスコアリングをもとにBitbond独自のデータ評価システムで格付けされます。

Bitbondのユーザーは165000人以上、取引量は$15M以上と発表されています。

2016年にはドイツにおける銀行ライセンスを取得し、2019年5月にはSTOを実施。

AmazonやeBayといったeコマースにおいても融資を行っており、さらなる事業拡大にむけて取り組みが進められています。

BitbondのSTOについて

Bitbondが発行したセキュリティトークン名はBB1といいます。

BB1トークンはStellarブロックチェーンによって発行が行われ、BTC、ETH、XLM、EURで購入が可能です。

2019年5月28日から販売が行われ、7月8日の販売終了日からBB1トークンの配布が始まる予定となっています。

EUの有価証券に対する目論見書規制に基づいて発行が行われ、アメリカやカナダ以外の投資家は参加が可能となっています。

SolarisBankとの提携によって投資家にはIBAN番号(国際銀行勘定番号)を提供し、より安全な支払いができるようになります。

また、今回のBB1トークン発行はセキュリティトークン発行プラットフォームを介していません。

ドイツ金融規制機関BaFinが認可し、公募によるセキュリティトークン販売はBitbondの6年間に及ぶ取り組みの成果ともいえるでしょう。

7. スイス MtPelerin 金融サービスの透明性向上に向けて

MtPelerinは独自規格の「Mt Pelerin Bridge Protocol」を開発し、STOを実施しています。

200万CHFの調達を目的としたこのSTOは、120万CHF、5,028ETHの資金調達に成功し、2018年12月15日に終了しています。

スイスの法規制に準拠し、すべての株式をMPSトークンとして発行、全体の5%を公募として販売しました。

今後はスイス金融規制当局(FINMA)から銀行免許を取得することをMtPelerinは目標に掲げています。

MtPelerinについて

MtPelerinはバランスシート(資産・負債)をトークン化し、ブロックチェーン上で管理・共有することのできるプラットフォームの作成を目指しています。

ブロックチェーン技術によって金融サービスの透明性を向上させ、簡略化することがMtPelerinの目的であり、「Mt Pelerin Bridge Protocol」は世界各国であらゆる金融商品をトークン化するのに役立ちます。

将来的にはあらゆる金融機関が参加可能なブロックチェーンプラットフォームの形成を目標にしており、スマートコントラクトによる取引の自動化やコスト削減を金融業界にもたらします。

これによって金融業の流動性や利便性の向上が期待され、バランスシート全体のトークン化にむけて様々な取り組みを進めています。

その一環として2018年10月16日にMtPelerinは株式を担保にしたセキュリティトークンとして発行。

今回のSTO実施には「Mt Pelerin Bridge Protocol」が使用され、このプロトコルによってMt Pelerinはあらゆる金融商品をトークン化することを目指しています。

Mt Pelerin Bridge Protocolについて

「Mt Pelerin Bridge Protocol」は金融商品の種類に関わらず、その国や地域の法規制に準拠してトークンを発行するように設計されています。

法規制に柔軟に対応し、トークンに安全性をもたらすことを「Mt Pelerin Bridge Protocol」は保証します。

MtPelerinでは「Mt Pelerin Bridge Protocol」はスイス資本市場技術協会(CMTA)と協働し、世界各国や地域の規制に準拠しているかを確認する体制作りにも取り組んでいます。

配当や議決権の発行、身元確認手続きやマネーロンダリング対策といった証券に必要な機能も「Mt Pelerin Bridge Protocol」は発行元に提供します。

MtPelerinはより合理的な金融システムの構築をブロックチェーンによって成し遂げようと取り組みを進めています。

トークン名 MPS
1MPS=5CHF
規制 スイス金融規制当局(FINMA)
通貨 ETH、BTC、USD
ブロックチェーン ERC20
配当 収益分配(12.5%)
最低投資額 1000USD
目標調達額 2,500,000USD
期間 2018年10月23日~12月15日
発行体 MtPelerin(スイス)
会社設立日 2016年3月2日

最低投資額はスイス国内で250USD、国外では1000USDと設定されていました。

500000MPSのうち498,107は販売され、28ヶ国570人の購入者の中には110000MPSを購入する投資家も現れました。

残りのMPSトークン95%のSTOによって資金調達を行うのかまではロードマップでは明らかにされていませんが、2023年には暗号資産銀行となることを定めています。

スイス金融規制当局(FINMA)から銀行免許を取得には2800万CHFを必要となり、Mt Pelerinがどのような取り組みを行なっていくのか今後も注目が集まります。

8. スイス TradeCloud 4,200万ドル規模のSTO|コモディティ市場の金融化

TradeCloudは、コモディティ市場を対象にP2Pプラットフォームを提供しており、販売者と購入者を直接的に結びつけることで、効率的な取引を実現しています。

現在のところ金属産業を中心としてプラットフォームは運営されており、今後は、エネルギー、農産物といった分野にもTradeCloudプラットフォームの提供を行うとしています。

購入者は商品や販売者を自分で見つけ、仲介業者を介さずに購入することができるため、コスト削減や新規市場の開拓が容易になるといったメリットがあります。

今回、TradeCloudは4,200万ドルを上限としてSTOによる資金調達を行なっており、コモディティ市場の金融市場化といった観点からも大きな注目を集めています。

TradeCloudについて

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TradeCloudは、2017年10月にプラットフォームの提供を始めて以来、TradeCloudには39か国240以上の企業が参加しており、 10億米ドル以上の取引が行われています。

このTradeCloudプラットフォームにはブロックチェーン技術が活用されており、これまで出回っていなかった各業界の商品を市場に流通させることを目指しています。

特に、金属やエネルギー、農作物といった「コモディティ商品」のデジタル化は市場に大きな変化をもたらすとされており、金融市場化が進むコモディティ市場にとっても、STOによる資金調達は非常に相性が良いと言えます。

ブロックチェーンを活用したTradeCloudプラットフォームによって、コモディティ市場がより多くの人々に開かれ、運営会社がSTOを活用して資金調達を行なったユースケースは他にはなく、非常にユニークな取り組みであることが伺えます。

コモディティ市場について

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世界全体では人口増加が著しく、コモディティへの需要は、日に日に増しています。

非鉄金属市場(アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、リサイクル材料):2017年に約1億1,400万mトンの総生産を誇り、約4,275億ドルの市場価値があると推定。

石油市場:需要は2019年には1日あたり1億バレルを超えると予測されており、毎日80億ドル相当の取引を必要とします。(年間2.9兆ドル)

農産物市場(穀物肉、牛乳):全世界で総生産量が45億トンに達し、2017年には1.9兆ドルの市場価値があると推定。

このように市場は成長を遂げており、コモディティ市場のデジタル化は、非常に将来性にあるビジネスだと言えます。

TradeCloudによって、より多くの人々が市場に参加し、適正な価格で効率的な取引を行うことで、コモディティ市場が活性化すると考えられます。

9. スイス ヘルスバンク(healthbank) ヘルスケアのデジタル化への取り組み

ヘルスバンク(healthbank)は個人の医療情報をクラウド上で管理するプラットフォームを開発しています。

今までは受診した医療機関ごとに情報は管理されており、患者が自分自身で医療データを管理することは不可能でした。

そのため過去の病歴に基づいて診察を受けることができず、時には誤った治療が施されるといった課題が医療業界には存在しています。

ヘルスバンク(healthbank)は医療データを管理するだけではなく、オンラインでの診察も可能となるサービスを展開。

患者が医療データを管理し、アクセスの権限を自分で決めることができるなどその取り組みは医療業界でも注目を集めています。

そして、ヘルスバンク(healthbank)は協同組合の持分権(所有権)をトークンとして発行し、STOを実施しています。

不動産投資にはGT-TKスキーム(匿名組合出資契約)といった手法がありますが、ヘルスバンク(healthbank)は配当によるエコシステムを構築しています。

ヘルスバンクについて

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ヘルスバンクは2019年に設立されたスイスの協同組合です。

医療分野においてはデジタルヘルスの市場規模が年々拡大しており、予防医学や遠隔医療への活用が進んでいます。

ヘルスバンクが展開するプラットフォームではオンラインで遠隔医療を受けることができ、治療記録をペーパーレスで管理することが可能になります。

つまり、自宅にいながらもパソコンかスマートフォンがあれば、医療従事者からオンラインで診断を受けることができるのです。

待ち時間なしで診察を受けることができ、将来的には遠隔医療の分野での活用が期待されています。

ヘルスバンクによるSTOについて

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

ヘルスバンクは協同組合の持分権を「HBEトークン」として発行しました。このHBEトークンには持分権だけでなく、配当権が含まれているため配当型のトークンといえます。

事業ファンドと同じスキームで、トークンの購入額に応じて配当を得ることができます。

ERC20規格に準拠し、イーサリアム・スイスフラン・ユーロによる支払いに対応しています。

アメリカをはじめとして90か国以上が投資対象からは除外されており、日本の投資家も除外の対象となっています。

ヘルスバンクのSTOは5月31日に終了しており、今後は取引所での販売を予定しています。

取引所まだ明らかにされていませんが、プラットフォームでの収益に基づいて配当を受け取ることができるエコシステムを設計しています。

医療業界ではヘルスバンク(healthbank)によるSTOをはじめとしたブロックチェーンの活用が進んでいます。

10. スイス BlockState セキュリティトークン発行プラットフォーム

スイスはブロックチェーンの聖地・クリプトバレーが有名ですが、700以上のブロックチェーン企業の誘致に成功しています。

近年のスイスはUBSグループのマネーロンダリング幇助が国際的な問題となったことで、国際の見直しを迫られていました。

そこで、いち早くブロックチェーン産業に国を挙げて取り組み始めたことが今日の成功につながっています。

すでにスイスではMtPelerin2018年10月にSTOを行なっており、スイス証券取引所が2019年後半にはSTO取引所を開設予定となっています。

そして、2019年6月18日からはSTO発行プラットフォーム「BlockState」が自社プラットフォームを使ってセキュリティトークンの発行を行なっています。

「BlockState」のSTOについて

「BlockState」はスイス金融市場監督局(FINMA)からの認可を受けており、自社プラットフォームを使用したトークンの発行によって200万ユーロの資金調達を目指しています。

このSTOでは資金調達だけではなく、「BlockState」の技術力や発行プロセスを紹介する意味合いもあります。

そして、投資家は「BlockState」のSTOを通じて配当を受け取ることができ、2019年6月25日からは個人投資家向けに最小投資額が200ユーロに設定されたメインセールが始まります。

KYC / AMLはドイツのブロックチェーン企業「Fractal Blockchain」との提携によって行われ、「投資家保護」を果たすための取り組みを強化しています。

トークン名 BKN
種類 株式(配当・議決権)
ブロックチェーン Ethereum(ERC-20)
発行プラットフォーム BlockState
最小投資額 €200
1トークンあたりの価格 1BKN=€200
購入可能通貨 EUR、USD、CHF、BTC、ETH
規制 スイス金融市場監督局(FINMA)
開始日 2019年6月25日 終了日 2019年7月12日
会社概要(発行元) BlockState AG

「BlockState」の特徴や将来性

STO発行プラットフォームはSecuritizeが人気を集めており、世界各国のブロックチェーン企業やIBMとの提携を行なっています。

他にもPolymathやHaborといったプラットフォームもあり、ヨーロッパではドイツのNeufundがETO(Equity Token Offering)発行プラットフォームとして知られています。

また、エストニアのSTO取引所であるDX.ExchangeはNASDAQとの技術提携を行なっているため、NASDAQ上位銘柄であるAmazonやNetflixの株式をETOとして発行することができます。

このように世界的な大手企業のETOが今後は増えてくることが予想され、「BlockState」もその発行プラットフォームの1つとして将来的な発展を目指しています。

大手企業の株式トークンによって株式は小口化され、アマゾンの株が10ドルから購入できるようになれば、より多くの投資家への投資機会を提供することができます。

証券取引所がクローズしている間でもブロックチェーン上では24時間365日の取引が可能となり、市場の流動性向上をもたらします。

このことから「BlockState」が現在の暗号資産業界においても将来性の高いビジネスモデルを構築しており、今後も注目していくべきプロダクトだと考えられます。

スイスには多くのブロックチェーン企業が集結していることからも多くのビジネスチャンスを享受できることでしょう。

11. スイス blockimmo

blockimmoはブロックチェーン技術を活用した不動産の売買プラットフォームです。

不動産物件をblockimmoに登録するとトークンとして発行され、ブロックチェーン上で管理・販売することができます。

取引はすべてブロックチェーン上で行われるため、不動産の小口化や市場の流動性向上が期待されています。

また、blockimmoは自社の株式の20%をセキュリティトークンとして発行しています。

これはスイス金融市場監督局(FINMA)とリヒテンシュタイン金融市場監督局(FMA)が定める法規制に準拠し発行されており、配当型のSTOです。

不動産市場は仲介業者への手数料や一部の会社が独占的に不動産を所有していることから透明性の低さや流動性が問題とされてきました。

blockimmoにはすでに不動産がリストアップされており、スイス金融市場監督局とリヒテンシュタイン金融市場監督局による規制に準拠してトークン発行を行なっています。

ERC20規格を採用し、イーサリアムブロックチェーンに基づいてスマートコントラクトを作成します。

2019年3月にはスイスではじめてのブロックチェーンによる不動産取引が行われました。

blockimmoをはじめとしてElea Labs Ltd、Swiss Crypto Tokens Ltdの共同で行われ、スイスフランに裏付けされたステーブルコイン「CryptoFranc」が使用されました。

この不動産取引は18個のアパートとレストランの売買によって298万ドルに及び、ブロックチェーン業界でも大きな話題を集めました。

blockimmoは国内外を問わず、様々な金融機関やパートナーとの提携を進めています。

blockimmoのSTOについて

blockimmoはSTO取引所(セカンダリー・マーケット)である「STX.SWISS」においてセキュリティトークンの発行を行いました。

1IMMO=2CHFで販売され、投資家には配当の権利が与えられます。

しかし、この配当はどのタイミングで行われるかは明らかにされていません。

最小投資額は134ドルで、このSTOによって調達した資金は人件費やマーケティングなどに使われるとされています。

IMMOトークンは2019年第2四半期にはSTX.SWISSに上場される予定となっており、不動産市場の流動性向上にむけて取り組みを進めています。

blockimmo STOの詳細について

トークン名 IMMO
種類 株式(配当)
ブロックチェーン イーサリアム(ERC20)
発行プラットフォーム STX.SWISS
最小投資額 134ドル 1ReitBzあたりの価格 1IMMO=2CHF
購入可能通貨 CHF、ETH、BTC、CryptoFranc
規制 スイス金融市場監督局(FINMA)
開始日 2019年4月1日
終了日 2019年4月12日
会社概要(発行元) blockimmo(スイス)

12. フランス Blockpulse・Lemonway

フランスでは国内初のセキュリティトークン取引所の開設を目指して「Blockpulse」が「Lemonway」と提携を結び、ブロックチェーン技術を活用した証券の発行・管理サービスを提供することを明らかにしています。

フランスでは、ソシエテジェネラル銀行が債券のトークン化の実証を実施するなど、証券のデジタル化には前向きな取り組みが行われてきました。

「Blockpulse」のサービスを活用することでSTOによる資金調達を行いたい企業は、法的文書、電子署名、オンラインペイメント、キャップテーブル、株式変動のレジストリをプラットフォームで簡単に作成することができます。

「Blockpulse」の共同創設者兼社長であるThibaut Ingelaere氏は、「Blockpulseにはすでに12のクライアントがあり、まもなくさまざまなパートナーシップを発表する予定です。」と語っています。

Blockpulse:フランス国内初のセキュリティトークン取引所開設へ

33万ユーロの資金調達に成功している「Blockpulse」は、2020年の第2四半期中に独自のプラットフォームを通じてより多くの資金調達を予定しています。

日本国内でもエンジェル投資家などがスタートアップ企業への投資を行うなど、近年ではプライベートエクイティ投資への注目が高まりつつあります。

米国では同様の事例としてナスダックプライベートマーケットやSHEREPOSTといったプライベートエクイティ取引所がありが、ブロックチェーンベースでのセキュリティトークン取引所としてはtZEROやOpenfinancenetworkが挙げられます。

現在のところセキュリティトークン取引所への上場銘柄は数種類と市場としては小さいものではありますが、フランスをはじめとして各国で取り組みが行われることでより多くの人々から関心を集めることが予想されます。

「Blockpulse」は、フランス銀行から“Agent prestataire de service de paiment.”として登録を受けたことでトークン発行に対するユーロの支払いを管理できるようになり、今後18ヶ月以内には「スタートアップ企業向けの証券取引所」になることを目指しています。

Lemonway:投資プラットフォーム向けのヨーロッパ有数のデジタル決済ソリューションプロバイダー。KYC / LCBFTサービスを提供。

13. フランス Equisafe・不動産担保セキュリティトークン

パリの西部郊外にある高級不動産であるAnnA Villaは、フランス初の不動産担保セキュリティトークンとして2019年6月に発行されました。

フランスのデジタル投資銀行「Equisafe」は、セキュリティトークン発行業務などを通じて、AnnA VillaのSTOを支援しました。

通常の不動産証券の立ち上げは、構成に数週間かかり、費用は20,000ユーロ近くになりますが、Equisafeは、AnnA Mansionのプロセスを完了するのに30分しかかかりませんでした。

Equisafeは、ブロックチェーン技術を活用することで、証券発行プロセス全体を効率化することができ、今後は15のセキュリティトークン化プロジェクトを計画しているとのことです。

このEquisafeの取り組みは、EUでのSTOのさらなる普及と、フランスSTO市場の発展に貢献するとして大きな注目を集めています。

AnnA Mansionの所有権を合弁会社である「SAPEB AnnA」に譲渡し、イーサリアムブロックチェーンを利用して100個のセキュリティトークンに分割。

各トークンはそれぞれ100,000ユニットに分割され、発行プラットフォームを通じて最低投資額6.5ユーロで取引が行われました。

このフランス初の不動産担保STOによって、合計650万ユーロが調達され、建物の所有権がブロックチェーン上で取引された歴史的な実例となりました。

各トークンには、購入・売却履歴や取引の条件、配当権、投票権に関する情報が記載されており、ブロックチェーン技術によって、これらの情報は改ざんされず、いつでもアクセスできます。

フランスは暗号資産やブロックチェーンを景気刺激策として活用できるよう、他国に先んじて法規制を整備してきましたが、トークン化された証券は依然として既存の証券法の対象となります。

Equisafeは、証券のトークン化のためのフルスタックサービスとしての展開を目指しており、発行、管理、流通市場の活性化を促進します。

Equisafeの今後の展開について

ブロックチェーンを通じて多くの投資家がセキュリティトークン化された金融商品にアクセスしやすくすることをEquisafeは目指しており、今後6か月から9か月にかけて15を超えるSTOプロジェクトがあるとしています。

不動産に加えて、証券、投資ファンド、美術、さらには映画制作への参加権など、規制された実世界の資産にセキュリティトークンを活用することで、市場の流動性を向上させることに繋がります。

最近では、英国のワールドチェスがSTOをIPOの前に行う「ハイブリッドIPO」を発表するなど、ヨーロッパにおいてもSTOへの取り組みが盛んに行われています。

不動産担保STOを手がけているドイツのFundament Groupは、およそ74億ドルに及ぶ資金調達に成功しており、2019年の海外スタートアップ企業の資金調達ランキングで1位に輝いています。

EUがセキュリティトークンに関係している企業が88社あるとされており、最も企業が多いドイツは20、次いでスイスは15の企業が確認されています。

証券市場のデジタル化の促進にSTOを活用する取り組みが盛んに報じられていますが、ヨーロッパでは不動産(担保証券も含む)のセキュリティトークン化も確認されており、今後は不動産STOへの注目が高まるとも考えられます。

日本においても、株式会社リードリアルエステートがSecuritizeプラットフォームを使用して、銀座、新宿、渋谷、などの不動産物件のトークン化を発表しており、各国で行われる不動産のトークン化への取り組みに期待が寄せられています。

14. オランダ VMCのSTO解説 MaaSとブロックチェーンの融合

VMCは「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」とブロックチェーン技術の融合に取り組んでいます。

交通機関での支払いをブロックチェーン上で行うことで、より効率的なMaaS事業を実現できます。

VMCは2019年6月3日からSTOによる資金調達を開始しており、VMCモビリティプラットフォームのさらなる発展を目指しています。

この記事ではVMCのSTOについてMaaS市場の現状と課題を踏まえながら解説していきます。

モビリティ市場について

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(画像=STOnlineより)

「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」は次世代型の移動サービスとして注目を集めています。

MaaSによって自分で車を持つ必要もなく、ライドシェアに対応した自動運転車があなたを目的地まで運びます。

「ICT(情報通信技術)」によって公共交通機関の経路や発着日時を分析。

スマートフォンアプリで希望の目的地を伝えれば、あとは自動で移動ができるようになります。

すでに海外では台湾の高雄市で無人自動運転バスやライドシェアの事例があり、将来性のあるビジネスとして期待されています。

モビリティ市場の現状と課題

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テスラでは「ロボタクシー(自動運転車)」の開発を進めています。

現状では、実際に道路を走る際の画像処理能力や消費電力の改善が課題となっています。

ニューラルネットワーク採用システムによって、危険を認知するためのデータ解析は進歩を遂げていますが、実際には一般販売が許可されていません。

しかし、テスラ・イーロンマスクCEOは2020年夏をめどに公道での自動運転が開始されることを予測しており、日本でも2018年にトヨタ自動車とソフトバンクが共同会社を設立。

共同会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」では「自動運転(Autonomous)によるMaaS」を掲げてMaaS事業に取り組んでいます。

「MONETコンソーシアム」を設立し、ヤマトホールディングスやコカコーラなど88社が参加しています。

日本でのモビリティ事業の展開

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

MONET Technologiesのみならず、日本ではMaaS事業に参画する企業が増えてきています。

  • 2018年4月 小田急電鉄がMaaS事業への取り組みを表明
  • 2018年6月 日本政府が「未来投資戦略2018」でMaaSについて名言
  • 2018年7月 JR東日本「変革2027」モビリティ戦略を公表
  • 2018年9月 JR東日本 東京急行電鉄 「伊豆エリアでのMaaS実証実験」発表
  • 2018年9月 WILLER JR北海道 「北海道観光型MaaS実証実験」発表
  • 2018年11月 西日本鉄道 トヨタ自動車 「福岡市でMaaSアプリ実証実験」スタート

交通サービスの統合化といった課題はあるものの、多くの企業が積極的に実証実験を行っています。

そして、MaaSの世界市場規模は2030年に1.4兆ドル(アメリカ・ヨーロッパ・中国のみ)に達すると予測されています。

「テスラのロボタクシーが実現した際に自家用車を手放すか?」という質問には中国では79%の人は「Yes」と答えるなど、自動車業界も再編が迫られているといえます。

トヨタ自動車では自動運転可能な電気自動車「e-Palette Concept」を発表し、時代に先駆けてMaaS事業を展開しています。

そのような中でオランダでは「VMC」がMaaSにブロックチェーン技術を活用した事業を展開しています。

MaaS事業にまつわるすべての交通機関での支払いをブロックチェーン上で行うことが「VMC」の目的です。

VMC STO(特徴・仕組み)について

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

企業はVMCモビリティプラットフォームを利用してお客と取引を行う際に、VMCに取引手数料を支払います。

この取引手数料による収益はVMC-ST所有者に分配されます(最大40%)。

多くの取引が行われるほど手数料が発生するため、より多くの収益が投資家に分配されます。

また、ブロックチェーン内の取引にはユーティリティトークンVAIが使用され、デュアルトークンシステムをVMCは採用しています。

Stellar Lumens(XLM)のプロトコルによる決済システムによってより迅速に支払いを行うことができるのも特徴です。

トークン名 VMC-ST
種類 株式(収益分配・最大40%)
ブロックチェーン Stellar Lumens(XLM)プラットフォーム
発行プラットフォーム Polymath(ST-20)
最小投資額 500ドル
1トークンあたりの価格 1VMC-ST =€0.20
購入可能通貨 EUR、BTC、ETH、XLM
規制 オランダ金融市場局(AFM)
開始日 2019年6月3日
終了日 2019年7月31日
会社概要(発行元) VMC.AI BV(オランダ)

VMCの将来性

分散型記帳台帳やスマートコントラクトといった特徴は、MaaSと非常に相性がよく、データの改ざんを防ぐといった意味でも実用的な活用が予想されます。

ブロックチェーン上での支払いが多くなればなるほどトークン所有者には収益が分配されるため、VMCの発展に大きな期待が寄せられています。

MaaS市場の拡大は自動車企業が積極的な取り組みをみせているように、あとは時間の問題とも考えられます。

しかしながら、MaaSに関する法整備や支払いの統合については未知数な面もあります。

STOによる資金は70%を研究開発とマーケティングに当てることをVMCは明らかにしており、将来的な実用にむけて取り組みを進めています。

15 ブラジル 投資銀行 BTG Pactual 不動産プラットフォーム「ReitBZ」と提携しSTOを実施へ ラテンアメリカで最大手の投資銀行「BTG Pactual」は不動産プラットフォーム「ReitBZ」と提携しSTOを実施しています。

このSTOはブラジルの不動産市場の発展を目指して行われ、330万ドルの調達に成功しました。

BTG Pactualはラテンアメリカで35年以上の実績があり、南米ではチリやペルーをはじめとして数百万ドル規模の投資資金を管理・運用しています。

今回のSTOはブラジルの法規制に準拠し、セキュリティトークン所有者は利益に応じた配当を受け取ることができます。

ReitBZについて

ブラジルでは2014年~2017年の景気後退によって商業用不動産価格が下落しました。

2017年10月~2018年9月の間で商業用不動産の賃貸料、販売価格はおよそ7%(FipeZap指数)の下げ幅を記録しています。

2013年と比較すると賃貸料42.5%、販売価格31.6%も下落しており、投資の大幅減少によって景気低迷が続くブラジル経済にとっては海外からの投資が必要不可欠な状況です。

また、ブラジル不動産価格は下落しており、不動産投資の仕込み時としては今がもっともベストな時期とも言えます。

そのような状況の中でReitBZはブラジルの不動産市場をよりオープンなものにするためにBTG Pactualと提携してSTOを実施。

主に売れなくなった不良不動産をポートフォリオとして管理・収益化を目指しており、BTG Pactualの不動産投資の経験を生かすために提携を結んでいます。

ReitBZのSTOについて

世界中の投資家からブラジル不動産への投資を呼び込むためにBTG PactualとReitBZはSTOを行いました。

サンパウロ州とリオデジャネイロ州の都市型不動産をターゲットに売れない不良不動産をポートフォリオにして運用を行います。

配当は半年に1回を予定しており、ポートフォリオの収益の50%がRBZトークンの所有者に支払われます。

残りの50%の収益はポートフォリオに再投資され、収益性の悪化や資産不足に陥った場合にはポートフォリオを全て売却し、トークン保有者に返金が行われます。

配当の支払いなどはBTGの関連会社であるEnforceによって行われます。

ReitBZについての詳細

トークン名 RBZ
種類 株式
配当 半年間に一度(収益分配)
ブロックチェーン イーサリアム(ERC20)
発行プラットフォーム 公募
最小投資額 500ドル
1ReitBzあたりの価格 1ReitBz=10ドル
購入可能通貨 USD、ETH、Gemini dollar
規制 ケイマン諸島
購入規制 ブラジル、アメリカ、中国、アルジェリア、ボリビア、エクアドル、モロッコ、パキスタンの投資家は投資できない
開始日 2019年2月21日
終了日 2019年5月24日
会社概要(発行元) BTG Pactual(ブラジル)

投資銀行「BTG Pactual」は10億ドル以上のセキュリティトークン発行計画を明らかにしました。

これはドバイの投資ファンドである「Dalma Capital」との共同計画として発表され、「Tezosブロックチェーン」を使用するとしています。

「BTG Pactual」は不動産プラットフォーム「ReitBZ」と提携し、STOを行なった経験があり、330万ドルの調達に成功した実績があります。

「ReitBZ」の際にはイーサリアム(ERC20)ブロックチェーンを使用していましたが、今回は「Tezosブロックチェーン」を使用するとのことです。

「ReitBZ」が2019年2月21日に開始され、5月24日に販売が終了したばかりですので、「BTG Pactual」は非常に早いスピードでSTOに取り組んでいると言えます。

今回の「Dalma Capital」との共同計画では「Tezosブロックチェーン」を使用して

  • 不動産
  • スポーツクラブ
  • 債券

といった「伝統的かつ代替投資を幅広くセキュリティトークンとして発行」することを目指しているとのこと。

南米では不景気によって買い手がつかない不動産が多く存在しており、景気刺激策としてセキュリティトークンによる投資を世界中から呼び込みたいといった狙いがあります。

また、ドバイの投資ファンド「Dalma Capital」との提携は財政基盤を整備し、セキュリティトークン普及に向けた取り組みを加速させる狙いがあるとも考えられます。

投資銀行である「BTG Pactual」にとっても新たな投資商品としてセキュリティトークンが普及することを目指していると予想されます。

今回は「BTG Pactual」と「Dalma Capital」が取り組む共同事業について解説していきます。

「BTG Pactual」「Dalma Capital」 STO共同計画について

この共同計画の特徴は「Tezosブロックチェーン」を使用することを基本としています。

  • トークン名
  • 種類
  • 配当
  • 最小投資額
  • 購入可能通貨

これらはプロダクトごとに決定され、規制については「ReitBZ」でBTG Pactualのケイマン支店を利用し、ケイマン諸島の規制に準拠してしていたことから同様のスキームを活用するとも考えられます。

今回の共同計画によって「BTG Pactual」と南米の不動産会社やスポーツクラブが提携を結び、それぞれの株式や不動産をセキュリティトークンとして発行することが予想され、「ReitBZ」を成功事例にした取り組みが行われると考えられます。

南米の景気回復やセキュリティトークンの普及への取り組みの一環として注目を集めている今回の共同計画ですが、「Tezosブロックチェーン」を使用していることでも大きな話題を呼んでいます。

Tezosはプロトコルを「ネットワーク」「コンセンサス」「トランザクション」の3種類に独立させています。

このことでシステムをアップロードする際にブロックチェーンが分裂(ハードフォーク)しないよう互換性を持たせた設計をしています。

ビットコインは取引量が増加したことで分裂騒動が起こったこともあり、Tezosブロックチェーンを利用する際にはハードフォークの必要はないとされています。

また、「PoS(Proof of Stake)」を採用していることで電力消費や手数料といったコストについても軽減することができ、スケーラビリティの向上や強固なセキュリティといった特徴を持っています。

Formal Verification(フォーマル・ベリフィケーション)という技術を採用していることで、スマートコントラクトのコードの正当性を数学的に解析・証明する形式的検証もTezosの設計には組み込まれています。

「BTG Pactual」「Dalma Capital」 STO共同計画の将来性

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

10億ドル以上の規模でのSTO計画はSTOの世界的な普及にむけての足がかりとして大きな話題を集めています。

不動産投資商品としては「小口化不動産」などがありますが、「セキュリティトークン化した不動産」も投資商品としての利回りの良さから人気を集めることも予想されます。

ブロックチェーン上で売買ができるため、書類のやり取りも必要なく世界中の投資家から資金調達が可能となります。

「ReitBZ」は最小投資額が500ドルとされていたことから少額投資が可能となっていました。

このように気軽な不動産投資としてセキュリティトークンが広まれば、さらなる成長産業として注目を集めることでしょう。

「BTG Pactual」「Dalma Capital」STO共同計画に今後とも注目が集まることでしょう。

16. エストニア Kriptomat 暗号資産取引所の事業拡大へ

Kriptomatはエストニアで認可された暗号資産取引所で、EUの規制に準拠しています。

手数料の低さやシンプルでユーザーフレンドリーなデザイン性が特徴です。

22ヶ国語に対応し、ビットコインやイーサリアムをはじめとして2019年1月からはリップルの取り扱いも始めました。

2019年5月9日にはSTOを実施しており、投資家はKriptomatの収益に応じた配当が受けられます。

Kriptomatについて

Kriptomatでは暗号資産の購入を行うことができます。

送金やセキュリティ対策をはじめとした暗号資産取引所としての機能に加えて、Skrill E-Walletをって72カ国の人々が暗号資産を購入できるのが特徴です。

このSkrill E-Walletは2001年からデジタルウォレットサービスを提供しており、200カ国近く、40の通貨で安全な支払いをオンラインで行えます。

支払いは銀行振込、クレジットカードに対応しており、Skrill E-Walletアカウントへの送金によって日本からでも暗号資産の購入ができます。

複数のクレジットカードや銀行口座の登録も可能で、より円滑な暗号資産取引の実現にむけてKriptomatでは事業の拡大を進めています。

ブロックチェーン国際標準化組織「INATBA」にも参加しており、国際機関や各業界の有名企業との連携も深めています。

KriptomatのSTOについて

KriptomatのSTOは配当型で、投資家にとってはKriptomatの収益が良いほどに多くの配当を受け取れます。

6ヵ月ごとに8%の収益分配、毎年4%の利益配当を投資家は受け取ることができるのです。

配当は2020年8月から行われる予定となっています。

Ethereum ERC-20ブロックチェーンを利用してセキュリティトークンは発行され、最小投資額は250ユーロ、最大投資額は250,000.00ユーロと定められています。

STOによって調達した資金はマーケティングや開発、セキュリティ強化、運用資金に充てられ、さらなるユーザー獲得をKriptomatは目指しています。

現在、Kriptomatは1万人以上のユーザーの登録があり、その35%がアクティブユーザーと明らかにしています。

STOの実施18ヶ月後には30万人のユーザー登録を目標としており、250ユーロからの投資で配当が受けられる今回のSTOは、Kriptomatの知名度向上にも大きな意味を持っているといえます。

KriptomatのSTOは2019年5月9日から6月10日まで行われ、2020年第4四半期には第2ラウンドの資金調達を予定しています。

17. アメリカ Fvndit ベトナムの中小企業への融資事業の拡大へ

Fvnditはベトナムの中小企業への融資をより簡単にできるように作られたプラットフォームです。

P2Pを利用したレンディング事業を通じて貸し手と借り手を結び、ベトナムにある中小企業の資金調達をサポートするサービスを展開しています。

中小企業は資金繰りがうまくいかないことで倒産や事業展開に行き詰ってしまうことが少なくありません。

IPOは時間や厳しい審査が必要になり、個人投資家から資金調達を行うのも時間や手間がかかるため、P2Pレンディングは世界的にも近年、大きな発展を遂げています。

今回、FvnditはSTO発行プラットホーム「Securitize」を通じてFVNDトークンの発行を行いました。

このFVNDトークンは株式を担保にした配当型のセキュリティトークンで、FVNDトークンの所有者は年間10〜14.29%の配当を受け取ることができます。

事業ファンド型クラウドファンディングと同じ仕組みで投資額に応じたリターンを得ることができます。

Fvnditは今回のSTOによって1000万ドル以上の資金調達に成功し、この資金はの9割は子会社であるeloanを通じてベトナムの中小企業への融資資金に充てられます。

FvnditのSTOについて

ベトナムでは中小企業の市場が年間14%以上成長しています。

しかし、ベトナムでは国際貿易の割合が他国と比べても多く、入金されるまで90日も待たなくてはいけないなど運転資金のやりくりが難しいといった問題が存在しています。

そこで、Fvnditは2017年に子会社「eLoan」を設立し、金融機関を通さずともP2Pネットワークによって貸し手と借り手を結ぶサービス(ソーシャルレンディング)を開始。

このP2Pを利用したレンディングはアメリカや中国で一時期、急速に増加したサービスでしたが、現在は金融業者の破綻が相次ぎ規制が強化されています。

Fvnditは50年以上銀行業務に関わってきた経験がある金融専門のプロフェッショナルチームが在籍しており、今回のSTOについてもアメリカSECに準拠して発行が行われています。

発行体はアメリカで、最小投資は10,000ドルとなっています。

今回のSTOによってFVNDトークンを購入した投資家には年10%以上の配当が分配されることとなり、ドイツのBitbondによるSTOとともに配当型STOの1つとして注目を集めています。

FVNDトークンはアメリカSECに準拠しているトークンであるため「投資家保護」の観点から見ても、安全な取引が保証されています。

eloanについて

eloanは投資家と事業者をP2Pネットワークでマッチングさせ、売掛金に基づいて24時間以内に融資を行うこと(ファクタリング)ができます。

P2Pレンディングは投資家にとってリスクの高い投資の1つであり、実際に中国やアメリカでは事業者の破綻によって、投資家が多大な損失を被ったという事態が相次いでいました。

eloanでは投資家保護を目的として「事業者の格付けシステム」を設けており、万が一事業者が破綻した際にはeloanが管理を引き継ぎます。

eloanの最低投資額は50,000,000ベトナムドン(およそ2323万円 2019年6月2日現在)からとなっており、口座開設や入金、投資にまつわる手数料はかかりません。

企業だけでなく個人事業主でも投資は可能ですが、「ベトナムの銀行口座を保有、18歳以上、身分証明の確認」が必須となっています。

P2Pレンディングは事業者側が資金を持ち出して、破綻するといった事態が相次いだために世界各国で市場の信用は失われてしまいました。

その中にあってFvnditはSTOによって資金調達し、子会社であるeloanへ増資を行うといったビジネススキームを構築しました。

トークン所有者に対しても年10%以上の配当を行い、ベトナム投資家によるeloanへの投資も年15〜20%の利益を生んでいることが明らかにされています。

eloanは前月比で10%の成長を遂げており、Fvnditは毎月$1MUSD(およそ1億827万 2019年6月2日現在)の追加融資を行なっていることから今回のSTOによってFvnditはさらなる発展を遂げることが期待されています。

18. リヒテンシュタイン Smartchem 高性能な洗浄剤の開発事業の拡大へ

ドイツ・ライプツィヒを拠点とするIntelligent Fluids社は、環境に配慮した高性能な洗浄剤の開発を行っています。

その独自技術は、化学的な溶解ではなく、強固な汚れに浸透し、剥離されることで、物理的に汚染物を除去します。

EU全体では毎年約3億2200万トン(2013年)の有害な化学物質が生産されており、人々の健康リスクや環境への悪影響が問題とされています。

工業分野における洗浄プロセスでは化学溶剤を使用しており、法規制に基づいた汚染液体の廃棄または再処理は、企業にとっても大きな負担となっています。

そこで、Intelligent Fluids社は、高性能洗浄剤「Intelligent fluids」のグローバル市場におけるシェア獲得を目指し、STOを実施し、社債(収益配当権)をセキュリティトークン「SCM」として発行しています。

「microelectronics」「maintenance」といった2つの事業をメインに、年間100万ユーロ以上の収益をIntelligent Fluids社は生んでおり、今後は生産量を500トン/年から13,500トン/年に増加させることを目指しています。

現在のところ平均売上高は年間300トンに達し、200万ユーロの収益になるとしており、化学反応ではなく物理的作用によって強力な付着汚染を洗浄する技術には今後も注目が集まることでしょう。

Smartchem(SCM)について

STOnlineより
(画像=STOnlineより)
  • 規制:EU(ESMA-EU準拠の目論見書規定)
  • リヒテンシュタイン金融市場局(FMA)
  • 種類:社債(利益分配権)
  • 最低投資額€250,000.00
  • 最大投資額€24,250,000.00

・先行販売(プレセール)

  • 開始日 2019年6月27日
  • 終了日 2019年9月10日
  • トークン供給 31,250,000
  • 1 SCM =€0.04

・トークンセール(通常販売)

  • 開始日 2019年10月20日
  • 終了日 2019年12月20日
  • トークン供給 238,371,212
  • 1 SCM =€0,075-0.200

  • ソフトキャップ $ 1,250,000

  • ハードキャップサイズ $ 24,250,000
  • ティッカーシンボル SCM
  • 種類 ERC1400
  • 対応通貨 EUR、USD、BTC、ETH

Intelligent Fluids社は世界各国から投資を募ることを目的として、社債をセキュリティトークンとして発行しています。

調達目標は2,425万ユーロとされ、プレセールと通常販売を通じて、約2億7,000万個のトークンが発行されます。

2030年には3億ユーロの売上高を目標として、Intelligent Fluids社はグローバル市場における販売に力を入れていくことを明らかにしています。

Smartchem(SCM) ロードマップ

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

2019年 シードA

公募のための技術力向上、広告、会社組織、マーケティングへの投資

2020/2021年 シードB

台湾のマイクロエレクトロニクス/メンテナンス市場に参入し、欧州生産拠点を設立

2022年 シードC

中国のマイクロエレクトロニクス/メンテナンス市場に参入し、財務構造を最適化する

今後は東アジア地域の新しい生産施設への戦略的投資を行っていく予定で、セカンダリーマーケット(二次流通市場)としては下記の取引所での取り扱いを目指していると考えられます。

  • ロンドン証券取引所(LDX)
  • ジブラルタル証券取引所(GSX)
  • マルタ証券取引所(MDX)
  • シュツットガルト証券取引所

Intelligent Fluids社について

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

Intelligent Fluids 社は、ライプツィヒに拠点を置く化学会社です。

同社はライプツィヒに研究所を持ち、ロイナに生産施設を運営しています。

Intelligent fluids社は、マイクロエレクトロニクスおよび産業用メンテナンス市場でシェアを拡大しており、高性能な洗浄剤「Intelligent fluids」は水ベースで環境にやさしく、生分解性、無毒、不燃性です。

環境に優しく物理的に汚染物を分解する技術力は高く評価されており、世界中の化学業界でセキュリティトークンを発行した最初の企業であると言えます。

銀行やVCに頼ったこれまでの資金調達方法以外の選択肢としてSTOは注目を集めており、トークンエコノミーの構築が世界各国で進んでいます。

SCMトークンの利益分配については

  • 開始日 2020年1月1日
  • 終了日 2044年12月31日

とされており、€24,250,000.00の調達に成功した場合には、いくつかの有望な市場(GER / EU、CHN、TWN、JP、KOR、SGP、米国)に全面的に参入するとしています。

19. リヒテンシュタイン edeXa データセキュリティ強化に向けて

リヒテンシュタインにある「ユニオンバンク(Union Bank)」が銀行としては世界で初めてセキュリティトークンを発行することが明らかになりました。

「ユニオンバンク(Union Bank)」は2018年8月にスイス・フランを担保にしたステーブルコイン「ユニオン・バンク・ペイメント・コイン(UBPC)」を発行しており、当時から世界で最初のブロックチェーン投資銀行になることを目標にしていました。

今回のセキュリティトークンはこのUBPCに裏付けがなされているのが特徴です。

リヒテンシュタインはブロックチェーン市場の発展において主導的な役割を果たしており、政府が公開草案「National Blockchain Act」を2018年10月に発表するなど国をあげて取り組みが進んでいます。今回の「ユニオンバンク(Union Bank)」によるセキュリティトークン発行は今後のブロックチェーン業界にどのような影響を与えるのでしょうか?

ユニオンバンク(Union Bank)について

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

「Union Bank」はStandard & Poor´sの格付けでも「AAA-」となっており、ITセキュリティ技術とプライベートバンキングサービスは世界的にも高い評価を得ている投資銀行です。そんな「Union Bank」のセキュリティトークンはUBPCに裏付けされています。

UBPC自体がスイス・フランといった法定通貨に裏付けされているプライベートチェーンであり、既存の銀行取引とブロックチェーン技術を組み合わせることを「Union Bank」は目指しています。

今回の「Union Bank」の取り組みは証券取引所がセキュリティトークン発行を目指すなど先進的な動きをしているスイスやマルタにも好影響を与えることが予想され、ブロックチェーンと法定通貨の結びつきがさらに強まることでしょう。

リヒテンシュタインのブロックチェーンへの取り組み

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

リヒテンシュタインはタックスヘイブン(租税回避地)として知られており、ブロックチェーンに対しても積極的な取り組みを行っています。東京23区の4分の1ほどの面積で3万8000人の人口の小国ですが、分散型台帳技術(DLT)企業がおよそ40社設立されているなど企業間交流も積極的に行われています。

2018年には「ブロックチェーンの家」と呼ばれる共同オフィスが首都ファドゥーツに建てられるなど政府が産業育成に熱心に取り組んでいるのが特徴です。リヒテンシュタインは「National Blockchain Act」によってブロックチェーンビジネスの活性化にむけての体系的な規制を定めることに成功しています。

これもまた世界初の取り組みとして知られており、企業側はブロックチェーンビジネスに取り組む不安感が解消され、より透明性の高い環境を手にすることができます。

リヒテンシュタインのSTO事例 edeXa

edeXa(リヒテンシュタイン・サプライチェーン・配当)

リヒテンシュタインにあるio-market AGは2018年にedeXaを子会社として設立しました。io-market AGは20年以上にわたってEDI(電子データ交換サービス)を展開している会社です。EDIとはサプライチェーンにおける企業間での受発注や支払いといった取引を電子データに変換し、パソコン上で自動処理するシステムのことです。

io-market AGは長年にわたって培われた経験を生かして、ブロックチェーン技術をサプライチェーンに導入することを目指しています。edeXaはio-market AGから財務的支援とノウハウの提供を受けており、ブロックチェーン企業として2019年3月1日にはSTOを実施しています。

そして、edeXaはヨーロッパでははじめてとなる株式型のSTOを2019年3月に実施しています。

edaXa STO(特徴・仕組み)について

edeXaはio-marketのサプライチェーンとブロックチェーン技術の融合を目指しています。今回、実施されたSTOは株式をトークンとして発行し、資金調達を目的に行われました。

EDEを所有する投資家は配当を受けることができますが、具体的な日程や%については明らかにされていません。このSTOによって調達した資金は、主に研究開発やマーケティング、運営費に充てられます。

サプライチェーンをブロックチェーン上で管理・共有するにはデータセキュリティに多くの投資が必要となります。2019年にはベータ版のローンチ、2020年にはヨーロッパのサプライチェーン市場への参入を計画しています。

edaXaはio-market AGから財務的支援とノウハウの提供を受けており、STOの実施によって、財政面基盤を築いています。また、edaXaブロックチェーンは3種類のブロックチェーンによって構成されています。

Consortium Blockchain

edaXaやio-market AGなどのグループ企業専用ブロックチェーン。監査や認定を受けたグループ企業のみが使用できる。

Company-Private Blockchain

Company-Private Blockchainはセキュリティ対策のためにサンドボックスの役割を果たします。未確認のファイルの隔離など、外部から攻撃を受けても悪影響のない仮想環境で、取引データのトランザクションや合意プロセス形成を監査・制御する組織のみがアクセスできるブロックチェーンです。

Company-PartnerNet Blockchains

Company-PartnerNet Blockchainsは顧客にユーザーインターフェースの提供を行います。物流会社や顧客はこのCompany-PartnerNet Blockchainsによって取引データの管理や共有を行います。このようにedeXaではブロックチェーンの開発が進められており、顧客が安全に取引データを共有できるセキュリティ対策にも取り組んでいます。

しかし、物流業界ではすでにコンソーシアムごとにブロックチェーンプラットフォームの運用が開始されており、統合運用といった課題が存在しています。edeXaの将来的な運用に向けては、TradeLensやBiTAといった国際的なコンソーシアムとの協働が必要不可欠と予想されます。

サプライチェーンの現状と課題

サプライチェーンはここ数年で大きな変化を迫られています。消費の多様化によって商品の発注は複雑化し、インフルエンサーによる拡散は予想ができない需要を生んでいます。

また、通販サイトの発展によって運転ドライバーへの負担が大きくなり、人材不足といった問題も出てきています。日本でもサプライチェーン・マネジメント(SCM)という言葉が、2000年代前半から注目を集め始めました。

しかし、大手メーカーが過剰在庫や欠品に厳格になるあまり、納期の短縮を取引先に求めるようになるなど労働環境を悪化させるといった事態を招いていました。最近では物流大手のヤマト運輸が配送費の値上げや宅配ボックスの設置を行うなど、サプライチェーン業界では様々な取り組みが行われています。

業務の効率化にむけて、サプライチェーン業界ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。

サプライチェーン ブロックチェーン技術の導入

AIによる食品の安全管理やリアルタイムでの配送状況の確認など、サプライチェーンは進行技術によって大きな発展を遂げています。ブロックチェーンによる取引の自動化や透明性の向上もその一つであり、国際物流においては多くの企業が導入への取り組みを進めています。

海運業者は貨物輸送に多くの仲介業者を経由しなければならず、紙ベースでのやり取りがほとんどです。そのため不正やデータ改ざんが行われやすいのが特徴です。

ブロックチェーン上で取引データを管理・共有する場合には不正やデータ改ざんは実質的に不可能になります。そのため国際送料の低価格化や配送時間の短縮につながると期待されているのです。

データベースによる取引データの管理はコストがかかり、データの書き換えも簡単に行われてしまうため、多くの企業が導入には消極的でした。導入した企業ではそれぞれでシステムがことなるため、一元的にデータを管理・共有することは不可能だったのです。

ブロックチェーンはスマートコントラクトによる契約の自動化や分散台帳といった五術があるために、取引の効率化や統合的なサービスの提供が可能となります。生産者の顔や情報をブロックチェーン上で共有し、店舗での販売数を生産者はリアルタイムで確認できるようになります。

在庫の管理や流通経路の確認といった面でも業務の効率化が図られるため、多くのサプライチェーン企業が国際的なコンソーシアムに参加しています。

リヒテンシュタインは世界初のセキュリティトークン発行銀行となった「Union Bank」、そして「National Blockchain Act」といった法整備においても世界のブロックチェーン業界をリードしており、今後もその取り組みに注目が集まります。

20. スペイン Stellerro|事業開発の拡大のためSTOを実施へ

STOは新しい資金調達方法として注目を集めていますが、実際のところ、どのSTOに投資をすればいいかの判断は簡単なものではありません。

トークン化された証券は世界各国の規制に準拠しているものの、STOによって収益分配や四半期ごとの配当など条件は様々です。

また、認定投資家にならないと投資ができないSTOもあれば、最低投資額が100ドルからというものもあり、プレセールへの参加で10%以上の割引を受けることもできます。

STOのエコシステムが成熟していくにしたがってセキュリティー技術の進歩や世界中のあらゆるSTOにアクセスできる機会が増えていくことが予想されています。

そのような未来に備え、Stellerroでは資産のトークン化、オンボーディング*までのプロセスをコンサルティングし、デジタル投資への新たなソリューションを提供します。

*オンボーディングとは新加入者がプロセスに慣れるまで教育などのサポートを施すこと。

Stellerroはブロックチェーン業界の引受会社としてDigital Securities Offeringsと伝統的な資本市場との架け橋として機能することを目指しています。

引受会社:有価証券の募集もしくは売出し、または私募に際し、これを取得させることを目的として当該有価証券の全部または一部を取得する(買取引受)会社、あるいは当該有価証券を取得する者がない場合にその残部を取得する(残額引受)契約をする会社のこと。

すでに世界的な金融機関や投資ファンドとの提携を結んでおり、研究開発や事業開発の拡大のため2019年6月17日から自社株式の所有権をセキュリティトークンとして発行しています。

このSTOで投資家は四半期ごとにStellerroの収益から12.5%の配当を受けられます。

スペイン 暗号資産規制動向

スペインでは国内の失業率が30%以上となっており、暗号資産の規制においても保有者には身元確認と保有量の報告を義務付けることで税金逃れを防止する租税法を2018年10月に承認しています。

この法案は税制改革の一環として行われており、スペイン政府は1,050億円の税収を増加させることを目指しています。

海外取引所における暗号資産への投資についても政府に報告する義務を設けており、この法案が可決された場合には暗号資産投資は「Spain’s assets declaration form (Model 720)」の対象となることが明らかにされています。

また、スペイン国立証券市場委員会(CNMV)は2019年1月にあわせて23の暗号資産と取引所をブラックリストに追加し、3月にはCNMVがこれまでのICOプロジェクトについては正式に承認していないとの立場を明確にしました。

また、セキュリティトークンについては500万ユーロ未満のトークン発行で、150人未満の個人投資家をターゲットにする場合、または投資家1人当たりの最低投資額が少なくとも100,000ユーロに設定されている場合はCNMVからの承認を必要としないことを明らかにしています。

スペイン国民と50,000ユーロを超える特定資産を持つ居住者を対象に資産状況を記録することを義務付ける法律として2012年に制定されました。

財政上の詐欺を防止するための法律であり、虚偽の情報を申告した場合には€5,000~€10,000、申告遅れの場合にも€100~€1,500の罰金が定められています。

2018年4月にはスペインの税務期間が60社の金融機関に暗号資産投資家の情報提供を呼びかけるなど、暗号資産への規制が行われています。

Stellerro 最低投資額や期間について

トークン名 STRO
1STRO=0.86€ 規制 ESMA スペイン証券法
通貨 USD EUR BTC ETH
プラットフォーム ERC1400
配当 収益分配(12.5%)
最低投資額 500€
最大投資額 100K€
目標調達額 500K€
使用用途 マーケティング 研究開発 ビジネス開発
制限区域 アメリカ、シンガポール
期間 2019年6月15日~8月15日
発行体 Stellerro(イスラエル)
会社設立日 2018年11月28日

StellerroはESMAとスペイン証券法に準拠したSTOを2019年6月15日~8月15日の間、実施しています。

2019年12月には「デジタル資産管理プラットフォーム」を計画しており、資金調達後のアラート機能やAIツールによるレポート・決定機能を備えたシステムであることが明らかにされています。

また、2020年にはニューヨークと香港へ拠点を持つことが計画されており、世界的な認知度向上と収益拡大を目指しています。

Stellerroではセキュリティトークンを発行、購入プロセスを簡略化できるオンボーディングソリューションを発行者と投資家に提供し、より包括的なDigital Securities Offeringsプラットフォームの構築を予定しています。

21. デンマーク企業 ARYZE 国際送金へのブロックチェーン技術の導入にむけSTOで2,900万ドルの資金調達へ

ARYZEは2020年第1四半期における新たな事業展開のために、STOを実施し、2,900万ドルの調達を目標としています。

RYZEトークンは米国とEUの適格投資家にむけて販売され、一般投資家に向けては販売されていません。

ARYZEはプラットフォームRYZEnetの開発を行っており、ブロックチェーン技術を活用した金融インフラストラクチャの構築を目指しています。

RYZEnetでは、デジタルキャッシュの発行、譲渡、償還システムが施され、金融業界に新たな革新をもたらすとされています。

ARYZEについて

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

規則:米国証券取引委員会(SEC)-RegD(506c)
トークンシンボル:RYZE
トークンの種類:ERC777
総供給トークン:515707536
価格:1RYZE = 0.10ドル
最小目標: $ 29,000,000.00ドル
募金目標: 31,000,000.00ドル
最小投資:100,000.00ドル

これまで、金融機関を経由して国際送金や支払いを行う際には、非効率なシステムによって高額な取引手数料が課せられてきました。

国際送金市場は年間約6,580億ドルの規模を誇り、年間手数料の総額は460億ドル(平均手数料7%)にも及んでいます。

ARYZEはこの社会的課題を解決するべく、国際送金へのブロックチェーン技術の導入に取り組んでいます。

Digital Cashについて

STOnlineより
(画像=STOnlineより)

Digital CashをARYZEは発行し、RYZEnetプラットフォームを介して、より迅速で取引手数料を削減した国際送金手段を提供しています。

RYZEnetプラットフォームにおいては、相互運用可能となっており、より多くの利用者を見込んでいます。

企業は支払いの管理にかかる費用を最大80%節約でき、 外国人労働者が費用をかけず、安全に国際送金を行うことができるとしています。

ARYZEは、ジャックニコゴシアン(CEO)とモーテンニールセン(CFO)をはじめとして金融に関する専門家で構成されています。

ジャックニコゴシアン(CEO)は、ブロックチェーンの専門家の一人として広く知られており、ニールセンはUBSやJPモルガンで上級職を経験しています。(提供:STOnline