最近ではデジタルアセット投資が定着し、証券や不動産分野においても新たな投資商品としてトークンの発行や取引の事例が確認されています。
各ブロックチェーンプロジェクトはその技術力を駆使して様々なシステム開発を手がけており、フランスでのデジタルユーロの実証やUAEにおけるデジタル証券発行プラットフォーム開発にTezosブロックチェーンを導入する取り組みが相次いで発表されました。
デジタル金融インフラの構築に向けては、より安全な運用・管理を行うための高度なブロックチェーン技術の活用が重要であり、Tezosブロックチェーンの活用事例について本稿では解説していきます。
ソシエテジェネラル デジタルユーロの実証にTezosブロックチェーンを採用
フランスでは投資銀行ソシエテジェネラルの子会社であるソシエテジェネラルSFHが、2019年4月に1億ユーロのカバードボンドをブロックチェーン上で発行する実証を行うなど、金融機関によるセキュリティトークンへの積極的な取り組みがこれまで行われてきました。
2020年5月にはフランス銀行と共同で、ブロックチェーン上で発行されたカバードボンドをデジタルユーロで決済する実証を行っており、デジタル技術を活用した証券決済プロセスの自動化と短縮によって顧客により良いサービスを提供することを目指しています。
今回、ソシエテジェネラルグループの技術会社である「Forge(以下、ソシエテジェネラルファージ)」が、デジタルユーロの実証実験にTezosブロックチェーンを採用することを発表し、Tezos開発会社であるNomadic Labs と協力して取り組みを進めるとしています。
CBDCの検証/開発は各国で行われていますが、実際に決済までを実証しているケースは少なく、「形式検証・オンチェーンガバナンス・90日周期アップデート」といった特徴を有するTezosブロックチェーンが国家的な実証実験に採用されたことは、その技術の信頼性や安定性を証明しているとも言えます。
「テゾスプロジェクトは、その技術的能力、適応性、および強力なコミュニティによって強化されており、すでにフランスおよび海外のさまざまなプロジェクトに存在しています。ソシエテジェネラルフォージがこのテクノロジーを選択し、再確認したことを特に嬉しく思います。もう一度、私たちのエンジニアリングの品質と専門知識が報われることを確信しています。」
ノマディックラボのミシェル・マニー社長はこのように述べており、Tezosブロックチェーンのさらなる普及が見込まれています。
Tezos シャリア(イスラム法)に準拠したデジタル証券発行プラットフォームの開発に採用
Sustain.Exchangeは、Tezosブロックチェーンを採用し、世界ではじめてシャリア(イスラム法)に準拠したデジタル証券発行プラットフォームとして開発が進められています。
「Tezosブロックチェーンを活用したSUSTAIN.EXCHANGEの開発によって、世界中のイスラム教徒18億人が最新のブロックチェーンテクノロジーに裏打ちされたデジタルアセットを安全に取引できるように私たちは取り組んでいます。」
創業者であるスライマンアルファヒム氏はこのように述べており、Sustain.Exchangeはシャリアに関する技術的な専門知識を提供することで、Tezosブロックチェーンの継続的な開発と改善をサポートするなど、相互的な発展を目指しています。
イスラム教徒によるデジタルアセット投資や市場への積極的な参加に必要なデジタルエコシステムをを構築し、他の地域との協力関係を促進する取り組みをSustain.Exchangeは行っており、デジタル証券発行プラットフォームの正式稼働に向けて大きな期待が寄せられます。
両社の提携によって、GCC諸国やイスラム世界におけるブロックチェーン技術のさらなる普及が見込まれ、Tezosブロックチェーンの活用があらゆる分野で進んでいることが伺えます。(提供:STOnline)