◉よくある誤解③海外投資をするには必ずオフショア口座が必要

海外へ直接投資する際には、オフショア銀行の口座開設をする必要があるとお考えの方もいらっしゃりますが、必ずしもそうではありません。
例えば、オフショアファンドへ投資をする場合、相手は一般的には会社型投資信託なので、名義の銀行口座に投資資金を送金することが必要になります。しかしこれは、日本の銀行口座から行えます。日本から海外の自己名義の銀行口座へ送り、そこからファンドの口座へ送ると手数料が2回かかるだけです。
また、海外への投資の場合、直接オフショア投信を購入するなど手法もありますが、日本の証券会社が扱っているETF(上場投資信託)を用いる事で、運用ニーズを補完できるケースも多くあります。

◉よくある誤解④現地に出向いて口座を作らねばならない

オフショア口座を作るには、必ず現地に出向かなければならないとお考えの方もいますが、それも誤解になります。

確かに近年、香港の銀行では郵送での口座開設を受け付けなくなりました。しかしそれは、英語でのコミュニケーションが苦手な日本人顧客の口座開設を受け続け、 事務がパンクしてしまったことが原因です。現在では、対面によるコミュニケーションで、通訳なしで口座開設ができる人の口座開設しか受け付けないようになりました。ですから、香港で口座開設をしようとすると、現地に行かなくてはなりません。
しかし、他地域の銀行であれば、現地に出向く必要なく口座開設が可能な所は少なくありません。

◉オフショア銀行に口座を持つ目的とメリット

オフショア銀行を利用するメリットですが、資産の分散効果と国際的な銀行サービスが充実している点にあると私は考えています。

具体的には、他通貨を他通貨のまま利用できる機能など国際的なサービスの充実がこれにあたります。日本の銀行でドル預金をしていても、米国に旅行に行った際に、そのドル預金から引き出しができません(近年ようやく、銀行によっては2通貨決済機能付きクレジットカードなどが誕生したようですが。)
銀行によって条件は異なりますが、オフショア銀行は口座保有者にデビットカードを提供し、世界中のATMからの現金引出しを可能にしています。

また、日本経済の将来に不安を感じ、海外移住やキャピタルフライトを本格的に検討されている場合や資産の分散をお考えの場合も、口座を開設するメリットが出てくると言えるでしょう。

◉オフショア銀行口座のデメリットと注意点

まず、銀行取引は本人取引が基本です。そのため、私たちのようなフィナンシャルコンサルタントが、間に入り、やり取りすることはできません。
ですから、流暢に英語を話せる必要はありませんが、ご自身で銀行取引ができるだけの英語力がなければ、口座開設はお薦めしません。口座開設後は、インターネットでの取り引きがメインになるので、英会話は普段の銀行取引には必要ありません。しかしそれでも、トラブルがあった際に解決できるだけの英語力がないと難しいものがあります。

海外の銀行を利用すること自体は、資産の分散となるため、リスクの分散効果はあります。しかし、自分で取り引きの指示が出来ない口座に資金を入れることは、リスクを高めてしまうことになりかねません。口座開設ツアーで口座を開設したのはいいものの、維持手数料はかかるのに口座をどう使って良いか分からないという方をよくお見かけします。

以上、オフショア銀行に関して良くある誤解とメリット、デメリットなどをまとめました。
確かにオフショア銀行は、世界中どこでも利用できる便利なものです。しかし、その利便性を活用する予定がないのに、高い維持費を払い、また口座開設のためだけに渡航するのはナンセンスだと思います。

なお、最近は日本政府が海外での口座保有を禁止するという可能性を心配されている方もいるようです。政府は個人資産が海外へ流出することを嫌うので、無くは無いかもしれません。ただ、欧米からの外圧によって、海外投資が自由化されてからまだ10年ほどしか経っていないので、今更逆戻りをする可能性は低い個人的には思っています。

BY C.O

photo credit: Steve Webel via photopin cc

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