「利回り(イールド)の差(スプレッド)」という意味であり、株式や債券などの有価証券の魅力度を利回り面において比較する際の指標をいう。具体的には、長期債の利回りと株式の益利回り(=1株当たり当期利益÷株価)の比較により、株価の割高・割安を測る。一般に債券同士(債券の銘柄間)の利回り格差を指すが、債券の利回りと株式の配当利回りや、債券の利回りと株式益利回りを比較する際に用いられることもある。【パターン①】「債券同士を比較する場合」:償還期限や格付けの異なる債券を比較する場合、長期国債を基準に本数値を計算し、その利回りが割高か割安かなどを判断する。例えば、信用力のある国債を基準に、この信用度(格付け)でこの利回りは魅力的だとか割高だとかを判断したり、長期国債を基準に、この残存期間でこの利回りは魅力的だとか割高だとかを判断したりする。また、本数値(格差)から、債券間の価格裁定取引を行うこともできる。【パターン②】:「債券と株式を比較する場合」:債券と株式を比較する場合、長期債の利回りから株式益利回り(株価収益率の逆数:1株当り利益/株価)を差し引いた数値を用いるのが一般的である。例えば、国内株式市場なら、10年国債利回りから東証一部全銘柄の予想益回りを引いた数値などを用い、株式市場全体(株式相場)が金利水準(長期金利)に比べて、割高か割安かを判断したりすることもできる。結論としては、本数値が小さい(縮小)なら株式相場は割安、株式投資が有利であり、本数値が大きい(拡大)なら株式相場は割高、債券投資が有利であると言うことが出来る。