終電時間や天候による交通機関の乱れなどを気にせず仕事に集中できること。また、すき間時間にジム通いなどのプライベートを充実させることも可能なことから、都心部の高級賃貸マンションを選ぶお金持ちが増えています。なぜ彼らは賃貸を選ぶのでしょうか。その理由を探るとともに、いまとこれから、そしてリタイア後まで見据えたライフプランについて考えてみましょう。賃貸と持ち家、あなたならどちらを選択しますか。
目次
公私ともにアクティブな経営者たちが選ぶ「高級賃貸マンション」
「高級賃貸マンション」を選ぶ理由
持ち家派の主張
ライフスタイルにあった「住まい」の選択
リタイア後を見据えたファイナンシャルプランニング
テーマは「自分らしく生きる」
公私ともにアクティブな経営者たちが選ぶ「高級賃貸マンション」
「東京タワーが見える高級マンションに住むことを目標に頑張ってきました」と語るのは、Web制作会社の代表取締役Aさん。念願の賃貸マンションへの入居を開始、職住近接を実現しました。
「オフィスまでは徒歩15分のところにあり、季節のよい時期には、遠回りをして散策しています。新しくできたビルやひとりでも立ち寄れるお気に入りの場所を見つけるのが楽しい。自宅に戻り仮眠することも可能ですし、敷地内の24時間利用可能な居住者専用ジムも気に入っています」
都心のマンションに住むメリットをAさんはいくつも挙げてくれました。公私ともに充実しているようです。
「憧れのマイホーム」という言葉もありましたが、もう一昔前のことなのでしょうか。Aさんのような「高級賃貸マンション」派が増えています。公私ともにアクティブな経営者たちにとって、重視するのは「時間」と言います。その時間を有効に使えるのがオフィス近くの賃貸マンションなのでしょう。
「高級賃貸マンション」を選ぶ理由
都心の職住近接が可能な高級マンションを選ぶとき、賃貸にする理由として、「時間を有効に使える」「ローンや固定資産税などの煩わしさがない」「働き方や働く場所により自由に引っ越せる」といった利便性が挙げられます。
また、セキュリティ面での安心感や敷地内のトレーニングジムが利用できる他、クリーニングやハウスキーピングといったホテル並みのサービスを提供する物件もあり、快適性も選ぶ理由のひとつです。
また、法人契約により社宅として経費計上している場合には、その経費がご自身の事業のコストともかかわります。そのため、「住み続ける」というモチベーションとなっているというケースも見受けられます。
確かに、持ち家の場合には、購入時には住宅ローンの申込み・審査、登記費用や手数料、火災保険の加入など手間と手間がかかるものです。購入してからも修繕費用や固定資産税などの税負担などが発生するので、賃貸のほうが、わずらわしさがないというのも理解できます。
持ち家派の主張
一方、持ち家派からは、「自分が帰る場所という心身ともに落ち着く場所は、一朝一夕には作れるものではありません。想いと愛着のある場所です」「通勤の電車の中で考えることが、自分自身と向きあう時間であり、アイデアの生まれる場所です」「資産をもつことで老後も安心」「自分なりにDIYでカスタマイズできる」などの声が上がります。
住宅ローンを利用すれば、団体生命保険に加入することができて、もしもの場合でも家族に自宅を遺すことが可能です。最近の低金利での融資事情から可能な限り住宅ローンを借入れ、余剰資金を投資に回すというケースも見受けられます。
人生100年時代、超高齢社会に突入し、高齢者への賃貸拒否などのトラブルを耳にすると、生涯安心して住み続けられるのは魅力です。
ライフスタイルにあった「住まい」の選択
「持ち家か、賃貸か」については、長らく議論されてきました。
経済的側面から考えると、たとえば、35歳から85歳まで、家賃が月額30万円(管理費等諸経費込)とすると、単純計算で1億8,000万円にものぼります。
2019年の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳と発表されています。日本全体でのデータはありませんが、生涯同じ都内の賃貸マンションに居住した場合をイメージと捉えてください。購入することと同じ、と考える方もおられる金額でしょう。
もちろん、エリアや居住面積によって賃料は増減しますし、家族構成やライフスタイルによっても選ぶ住まいは異なるため、この金額通りにはなりません。住まいのために使った金額の多寡では、持ち家か、賃貸かについて、一概にどちらが得とは言えません。
結局のところ、それぞれの価値観という点に落ち着くのかもしれません。若いうちは都心、リタイア後は郊外に住みたいという方もいます。通勤時間を無駄と捉えるのか、自分と向き合う大切な時間と捉えるのか、それぞれ異なります。光輝く夜景に満足感を得る方もいますし、静かな空間にくつろげる方もいます。「自分らしさ」を大切にした結果であればよいのでしょう。パートナーや家族がいる場合にはよく話し合って、ベストもしくはベターな環境づくりを心がけたいものです。
リタイア後を見据えたファイナンシャルプランニング
フロー型とストック型という観点で考えてみましょう。持ち家の場合には、購入(フロー)によって、有形資産(ストック)を得ることができますが、賃貸生活の場合には、家賃という支出(フロー)のみが発生します。
ストック(資産)は、フロー(お金の動き)により増減します。フローがプラスであればストックは増加しますし、フローがマイナスであればストックは減少します。
つまり、賃貸を選ぶ場合には、住まいに関わるお金以外でフローをプラス化させることでストック(資産)をつくる必要があります。
持ち家が安泰という意図ではありません。土地の価格は変動しますし、建物も年数の経過とともに評価が下がります。購入時のエリア選択や購入後のメンテナンスも資産を目減りさせない努力が必要です。いずれにしても、どれだけの資産をどのようにつくるかがポイントです。
人生100年時代では、「いま」だけでなく、同時に「将来」についても目を向けましょう。仕事において生涯現役であれば、収入というプラスのフローが発生し続けます。しかし多くの場合、将来的には年金収入と金融資産の取り崩しで生活することになります。この時点で月収支がプラスになるようストックを積み上げておきたいものです。
また、資金面では問題ないとしても、体力や精神は下降傾向となります。介護など自分ひとりではできないことが発生することをふまえた環境づくりも視野にいれておきましょう。
高齢者賃貸住宅に入居したご夫婦の例
75歳で仕事から完全引退をしたYさんと奥様(72歳)は、都内のサービス付高齢者向け住宅(サ高住)での賃貸生活をスタートさせました。
子育て時代には自宅購入したものの、お子さまの通学や国内外の出張や長期滞在が多いことから、交通の利便性が高い都心部での賃貸生活に切り替えた経験があり、以降は「住みたい街」を選ぶのが楽しみのひとつでした。
引退にあたって地方のマンション購入なども検討しましたが、体力が低下しても徒歩で買い物に出かけられる環境や、かかりつけ医に今後も診てもらいたいとの希望がありました。また、どちらかが先立ち1人になった場合や、認知症や介護状態になった際には、系列の隣接する介護付高齢者施設に優先入居できる点などが決め手となり、同じ最寄り駅での新しい生活を始めました。
介護付高齢者施設の入居金として、2人分で5000万円を用意しており、月額40万円プランとしても100歳まで余裕をもって生活できる想定です。いまは見守りサービスのみの利用で、プライバシーを重視した2人での生活を楽しんでいます。
テーマは「自分らしく生きる」
都心部の高級賃貸マンションは、「利便性」「快適性」という面で魅力的です。公私ともに充実させたい人にはメリットが多いといえます。ただし、目指すのは「一過性の成功」ではないはずです。事業の安定化と同様に、自分自身の資産形成という点でも着実に成長できるよう、長期的視野で考えていきたいものです。
ゆめプランニング URL:https://fp-yumeplan.com/
(提供:JPRIME)
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