投資の基本的な考え方の一つで、運用に伴う様々なリスクを低減しつつ、効率的なリターンを目指す上で、投資資金を複数の異なった資産(アセット)に配分(アロケーション)して運用することを指す。これを行うにあたり、各資産のリスクとリターン、投資環境やマーケットの動向等だけでなく、各資産毎の相関関係、運用目的や資産状況など様々なことを考えて決定する必要がある点に注意が必要である。アセットアロケーションは、投資プロセスの中でパフォーマンスへの影響度が非常に高く、また運用資金の特性を勘案したリスク許容度を反映させる段階としても重要であることから、投資の意思決定プロセスの根幹をなす作業であるといえる。また、個人ではその人の資産状況やリスク許容度、投資目的などによって、人それぞれで適切な資産配分が異なる。一般的に金融機関のファンドラップやラップ口座などの投資一任契約を利用すると、運用の専門家がヒアリングを行って、アセットアロケーションの提案をしてくれることが多い。アセットアロケーションの基本概念リスクを回避しつつ、より安定した高いリターンを獲得することを目的に、各種資産をどのような割合で投資すべきかを決定する「資産配分」のこと。その運用対象(アセット)には、国内株式、海外株式、国内債券、外国債券、コモディティ、不動産、現金等価資産(現預金)などがある。一般に、個別の銘柄選定より、全体の資産配分の方がトータル・パフォーマンスに占める寄与度が高いと言われている。【具体例】:アセットアロケーションの主な手法機関投資家などの運用のプロは、以下のような手法を使っている。


●戦略的アセットアロケーション
中長期にわたる資産配分の基準となる政策アセットミックスを決定する手法。

●戦術的アセットアロケーション
短期的に一定の投資尺度(ルール)に基づいて資産比率を適宜変更する手法。

●ダイナミック・アセットアロケーション
資産価格の変化に合わせて、組入比率を適宜変化させる手法。