日本国内で「民間デジタル通貨」発行に向け、30社を超える大手企業が協業することがわかった。19日、日本経済新聞が報道した。

民間デジタル通貨(名称未定)を発行するにあたって、ブロックチェーン技術を使った共通基盤を開発し、22年の実用化を目指す。

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(画像=月刊暗号資産)

今回、日経が報道した民間発行のデジタル通貨は、業界の枠を超え、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクや野村ホールディングス、東京海上日動火災保険、関西電力、NTT、KDDI、JR東日本など30社を超える企業が参加する。

昨今、国内でもキャッシュレス化は進んでいる。しかし、各事業者の発行するデジタル通貨(電子マネー)は、それぞれ異なるプラットフォーム上で構築されている。

そのため、取り扱うデータやアプリの仕様も異なることが普及の足かせとなっている。

今回の民間デジタル通貨の発行は、事業者の枠を超えた決済機能を整え、「業界標準化」を推進していくのが狙いだ。

構想中の民間デジタル通貨は銀行を通じて発行される。個人や企業が保有している現預金を裏付け資産とし、銀行口座と同様の役割を持つ「ウォレット(電子財布)」に発行するという。

ウォレットに発行された民間デジタル通貨は送金や決済以外にも、共通基盤を通じて各社のデジタルマネーを横断的に取引出来るようにするという。

民間デジタル通貨の共通基盤開発は国内暗号資産(仮想通貨)取引所ディーカレットが担当する。

ディーカレットが開発する新共通基盤は決済だけでなく、ブロックチェーンに情報を書き込むことで個別の取引内容の把握や追跡もできる。

参画企業は21年4月から小売りや製造業、物流、電力といった業界グループごとに実証実験を始める予定だ。(提供:月刊暗号資産