IFAに求められる顧客起点のアドバイスとは?長期投資だからこそ必要な伴走者
(画像=PIXTA)

新型コロナウイルスの感染拡大で世界の株式相場が大きく変動しています。これをチャンスと捉え、株式投資を新しく始めた方も多いでしょう。実際投資してみると、「株価急落の場面で慌てて売ってしまい、大きな損を出してしまった」「あの時、あの株を買っていれば・・・」といった後悔も多くなっているのではないでしょうか。

私も金融アドバイザーを務める中で、株が上がっているので不安になり途中で売ってしまったという方、逆に株が下がり続けているのに損切が出来ないという方を多く見てきました。人間は損をしたくないという気持ちが強く、既に失ったお金(サンクコスト)にこだわり、取り戻したいという感情が強くなると言われています。

そして、このような場合さらに損が膨らむのが世の常です。なぜなら、取り返そうと思い、さらにリスクを上げて運用をしがちだからです。逆に増えた場合に関しても、増えた状態から減らしたくないという損失回避の行動になりがちで(現状維持バイアス)、早期に売ってしまうことが多くあります。こうした時に、顧客の運用方針から大きく外れないようにアドバイスをしてくれるのがIFAなのです。

アドバイザーの重要性・IFAとは

運用を始めようと思った時、独学で始める方も大変多いと思います。しかしながら、今、IFAに相談をする人が増えているというのはご存じでしょうか。

IFAとは、Independent Financial Advisorの略で、独立系ファイナンシャルアドバイザーとも呼ばれます。独立系という名前の通り、どこの金融機関にも属さずに、中立的な立場から資産運用のアドバイスをする専門家であり、投資の相談だけではなく、不動産、M&A、資産承継等、付随する分野の垣根を越えてトータルで金融のコンサルティングを行っています。近年、日本でもIFAが金融アドバイザーとして注目を浴びており、新聞を始め、あらゆる媒体を通じてその名を目にするようになりました。

IFAになる人間の多くが証券会社出身の者であることは想像がつくと思います。しかしながら、証券会社に相談をして受けられるサービスと、IFAで受けられるそれとは大きな違いがあるということを皆さんにご理解頂きたいと思います。IFAと証券会社の大きな違いは3つあります。

1つ目は、取扱いの出来る商品・サービスが幅広いということ。
2つ目は、金融機関には属さないということ。
3つ目は、生涯担当制であること。

まず1つ目の「取扱商品が異なる」という点ですが、証券会社の営業員は所属する自社の商品しか販売することが出来ません。一方IFAは、複数の金融機関と業務提携を結んでいることが一般的です。そのため複数の金融機関が扱う金融商品の中から顧客に合った商品を選ぶことが出来るのです。

続いて2つ目の「金融機関に属さない」という点ですが、IFAは金融機関に属していないため独立性が確保されていることです。証券会社の営業員は、当然ですが特定の証券会社に属しています。特定の証券会社に属していると、どうしても所属している金融機関の意向によって営業活動を行わなければなりません。一方、IFAは特定の金融機関に所属せず複数の金融機関と業務委託契約を結んでいることが一般的です。特定の金融機関に所属せずに営業活動をしているため、会社のしがらみなく営業活動をすることが出来るのです。

そして3つ目の「生涯担当制である」ということについて。皆さん少し驚かれるかもしれませんが、証券会社の営業員の場合、長く担当してもらえても5年が限度だということです。しかしIFAは、転勤がないため、長い場合は一生涯の付き合いをすることが出来ます。運用は長期投資が基本となるため、長期的な目線で投資のアドバイスを受けることが出来るというのは顧客にとって非常にメリットがあります。

長期投資だからこそ必要な伴走者

お客様のゴールに向けて、資産を増やす、資産を守るためにIFAがいます。お客様のご相談を受ける中で「対面の証券会社からネット証券に移行し、自分で運用を始めたものの、これでいいのか不安になり、客観的なアドバイスが欲しくなった」という話をよく聞きます。

なぜなら、自分のやり方が時として誤っていたとしても一人でやっているとそれに気が付かない、時として大きく変動するマーケットに動揺し、正しい投資行動をとることが出来ないからです。初めてIFAに相談された方から「客観的なアドバイスをもらうことで、自身では気づかなかった落とし穴を見つけることが出来た。運用を続けていく上でいつでも相談ができるという安心感を得ることができた」というお言葉をよくいただきます。長い投資人生だからこそ、一緒に考えることができる、アドバイスをもらえる伴走者が身近にいることは顧客にとっても心強いのではないかと思います。

日本における IFA 法人を含む金融商品仲介業者の登録外務員数は、ここ数年は増加傾向にあり、2020年 6 月末時点で約 4,036 名となっています。米国の独立系 FA(IFA)は、約 12.7 万人と言われていますので、米国と比較して日本のIFAはまだそう多くないと言えます。

しかしながら、証券会社からIFAへ移籍する人数は、ここ数年で急速に増えており、IFAへ移籍することで、幅広いサービスを提供できることや、お客様本位のアドバイスがしたいという意向が高まっているようです。また、近年、各証券会社がIFA事業を立ち上げるなど、IFA向けの業務支援サービスが充実し、従前と遜色ないサービスを提供しやすくなったことも移籍への後押しをしています。顧客側の二-ズとしても、伝統的な金融機関のブランドに必ずしも拘らず、知名度に惑わされず本当に良いサービスを受けたいという方が増えていると実感しています。

Japan Asset Management のIFAについて

私が経営しているJapan Asset Managementは現在15人のIFAを抱える金融コンサルティング会社です。代表取締役の私(堀江)と、取締役の長谷川が2018年2月に立ち上げました。現在創業2年半ながら、2020年11月末時点で当社を介したお預かり資産が190億を達成し、これまで経営者や資産家の方を中心に、あらゆるお金についての悩みを解決して参りました。

社員は、証券会社からの移籍が最も多く、社内の8割は証券出身です。平均年齢も20代後半と若年層ながら、金融業界を少しでも変えたいと意気込む人間が集い、また入社を希望する人も年々増えております。現在では、6社の証券会社、7社の保険会社と提携し、その他にも不動産仲介、M&A、海外不動産を使った節税対策など、あらゆるお客様のお悩みにアプローチが出来るサービスを展開しております。

私は、日本における金融リテラシー向上と、日本の個人金融資産拡大を目指して、今の金融業界を少しでも変えたい、そんな想いで日々挑戦し続けたいと思っています。次回は、弊社がお客様より相談を受ける際に実際にお話しをする、人間の「投資行動」について行動経済学の観点からお伝えしようと思っております。是非、楽しみにしていてください。

株式会社 Japan Asset Management
https://www.japan-asset-management.com/

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