専業主婦の中には、毎日の家計のやりくりに苦労している人も多いでしょう。生活資金が足りなくなって、急場しのぎでお金が必要になるときもあるのではないでしょうか。

急いでお金を工面するための手軽な方法として、カードローンが選ばれることも多いですが、一般的に収入のない専業主婦が審査に通るのは困難といわれています。申し込むとしても、夫や家族に余計な心配をかけまいと、こっそり申し込みたい人も多いはずです。

この記事では、専業主婦でも利用できるカードローンについて解説していきます。

専業主婦の消費 者金融カードローン利用法

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(画像=PIXTA)

専業主婦は基本的に、消費者金融のカードローンを使えないといわれています。その理由を明らかにしたうえで、消費者金融のカードローンを使える方法について解説してきます。

・基本的には総量規制でNG?

専業主婦が消費者金融のカードローンを利用できないのは、「総量規制」が関係しています。総量規制とは、貸金業法に定められる「借入総額が年収の1/3を超える融資を禁ずる」とした規定です。

消費者金融における借り入れは総量規制の対象になるので、収入がない専業主婦は基本的に利用できません。しかし、実際には専業主婦でも消費者金融のカードローンを利用する方法があります。

・配偶者貸付を利用する

「配偶者貸付」を利用すれば、自身に収入がない専業主婦でも消費者金融カードローンを利用できます。ただし大手ではなく、中小の消費者金融が受け付けている場合がほとんどです。

この制度は、無収入の専業主婦でも配偶者の年収と合算してその1/3まで融資を受けられるものです。利用にあたっては、以下のような条件を満たさなければなりません。

●配偶者との関係を証明する住民票や戸籍抄本の提出
●配偶者の同意を確認できる同意書の提出
●配偶者の収入証明書の提出

・配偶者に知られたくない場合の選択肢

配偶者貸付は同意書や収入証明書もさることながら、審査時に配偶者への電話確認や勤務先への在籍確認が行われる可能性があります。いずれにしても配偶者に内緒で利用することは不可能です。

どうしても夫に知られずに借りたい場合は、ほかの選択肢を考えなければなりません。自分でクレジットカードを作り、キャッシングサービスを契約していればキャッシングでお金を借りることもできます。

また、総量規制の対象にならない銀行のカードローンを申し込む方法もあります。

収入ゼロでも利用できる銀行カードローン

総量規制の対象外である銀行カードローンは、収入がない専業主婦でも基本的には利用が可能です。

・配偶者や家族に内緒で利用できる

銀行カードローンは、特に配偶者の同意がなくても利用できます。そのため、カードローン の利用を夫に知られたくない人に向いているサービスです。

限度額が50万円以内なら、収入証明書の提出も不要な場合が多いことも、専業主婦にとっては助かるところです。

・消費者金融より金利が低い

消費者金融と比べて、金利が低い点も魅力です。毎月支払う金利はあなどれません。利用額が増えるほど、低金利の恩恵を受けることができます。

・月々の返済額が抑えられる

会社ごとに月々の最低返済額はさまざまですが、銀行と消費者金融を比較した場合、おおむね銀行のほうが返済額が低くなる傾向があります。

ただし、返済額を多めに設定するほうが早く返し終わるので、その分トータルの利息額が抑えられることは理解しておきましょう。総利息額において、金利が低いはずの銀行と消費者金融が逆転するケースもあることを認識しておくべきです。

・銀行は自主規制があるので審査が厳しい

手軽に使えるカードローンによって、返済能力を超える借り入れをした利用者が破綻するケースも散見されます。その結果、銀行のカードローンにおいても、2017年頃から貸しすぎや利用者の借りすぎを防ぐために自主規制を行うようになっています。

各行の判断ではあっても、結果的に総量規制に近いガイドラインになっているので、収入のない専業主婦の審査が以前に増して厳しくなっているのは否めません。

審査の厳しくない必ず借りられるカードローンはある?

専業主婦でも簡単に借りられる、審査の厳しくないカードローンはあるのでしょうか。残念ながら、そのような都合の良いカードローンは現在、ほとんどないといってよいでしょう。

前述したように、カードローンがある程度簡単に利用できた時期はありましたが、業界全体としても審査が厳しくなっています。

とはいえ、絶対にカードローンを利用できないわけではありません。以下に、専業主婦でも比較的利用できそうなサービスを紹介しておきます。

専業主婦でも50万円!楽天スーパーローン

ほとんどのカードローン審査では、安定した収入が要件となります。だからこそ、基本的には収入がゼロである専業主婦の利用はハードルが高いと言えるでしょう。

しかし、楽天銀行スーパーローンは専業主婦でも利用できるサービスです。収入証明も不要で、かつ配偶者の情報も必要ありません。

専業主婦の場合、保証人なしで50万円まで借りることが可能です。申し込む際には以下の利用条件を満たしていなければなりません。

●毎月安定した定期収入がある、または専業主婦であること
●満年齢20歳以上62歳以下(パート・アルバイト・専業主婦は60歳以下)
●日本国内に居住(外国籍なら永住権または特別永住権を取得済み)
●楽天カード株式会社またはSMBCファイナンスサービス株式会社の保証を受けられること

注目すべきは「専業主婦」が条件にされていることです。

ただし、過去に保証会社SMBCファイナンスサービスとトラブルを起こしたことがあると審査に落ちるおそれがあるので、心当たりがある場合は借り入れが厳しいかもしれません。

専業主婦に即日融資が困難な理由

専業主婦が「どうしても今日中にお金を借りたい」と思ったとしても、残念ながら極めて難しい理由についても解説しておきます。

現在、即日融資が可能な会社の多くは、消費者金融のカードローンです。しかしながら、総量規制の対象である消費者金融では、専業主婦の審査通過はほとんど不可能です。

一方、銀行カードローンは、2017年までは即日融資も可能でした。しかし、2018年1月以降はシステム的に不可能になったのです。発端は、大手メガバンクによる反社会的勢力関係者への融資問題でした。以前はローン審査において、申込者が反社会的勢力に属しているかどうかが判別できませんでした。

そこで、同じ過ちを犯さないために、審査の際に警察庁のデータベースに照合することが義務付けられました。各銀行は、申込者のデータを銀行本部に送り、本部はそれを預金保険機構に転送します。この段階で送るのは氏名や住所などの単純なデータです。

預金保険機構は、送られてきたデータを各都道府県警察の反社データベースに照会し、翌営業日には回答が得られます。この一次照会で特に問題がなければ、反社チェックは通過したものとして銀行は審査を続けます。

一次照会で問題がある場合は、再度銀行から申込者の詳細データを預金保険機構に送り、一次照会と同様に警察でさらなるチェックを受け、結果を銀行に戻す二次照会が行われます。二次照会の回答は早くて数日、遅ければ2週間ほどかかります。

このようなシステムになっているため、融資を受ける人が誰であれ即日融資は困難なのです。

配偶者貸付を利用すれば即日融資が可能?

前述した「配偶者貸付」であれば、専業主婦でも即日融資を受けられる可能性があります。ただし、そのためには夫の協力は不可欠です。同意書や収入証明などの必要書類をそろえるため、また職場に対する在籍確認の対応にも夫の理解と協力が必要です。

それさえ問題がなければ、唯一専業主婦が即日融資を受けられる方法として利用を検討する選択肢もあるでしょう。

毎月収入があればプロミスレディース即日融資

「専業主婦」とは原則的に主婦業に専念している人であって、わずかな収入でも得ていれば厳密には専業主婦と言えません。とはいえ、ほぼ専業でも週に数時間ほどのパートをしている主婦も多いでしょう。

厳密には専業ではないけれど、継続して多少の収入が得られる人であれば、女性向け金融サービス「プロミスレディース」を利用する選択肢もあります。30日間無利息で利用できるほか(※1)、手続きがWebで完結するので、夫に内緒で利用することもできます。

※1:詳しくはプロミス公式サイトをご確認ください。

専業主婦が審査落ちしがちなポイント

ここでは、専業主婦が審査落ちする具体例を挙げながら、注意すべきポイントを確認しましょう。

・申告内容の記載に不備がある

申込時の単なる記載ミスによって、審査落ちするという例もよく見られます。もちろんこれは専業主婦に限ったことではありません。

意外にも氏名や住所の記入もれ、フリガナの間違い、印鑑が不鮮明、書き間違いの訂正方法が不適切などといったものが審査落ちの理由として挙げられます。

「ちょっとしたミスでも?」と思われるかもしれませんが、正しい記載方法で書類を完成できない人を信用することはできないというわけです。

また、申告内容と事実に相違がある場合も、通過が難しくなります。審査に通りたいために申告内容を良い内容に偽ったり、虚偽の内容を申告したりすると審査に落ちてしまいます。

・信用情報に問題がある

過去において「ローンの延滞を何度かしてしまった」など、信用情報に良くない履歴があると、審査には大きくマイナスになってしまいます。

・夫の収入が不安定

銀行カードローンに申し込む場合、配偶者の同意は不要なものの配偶者の情報を申告することが多いです。

しかし、自営業であったり、勤めていても業種的に不安定な要素があったりすると、安定収入がないとみなされる場合があり、通過しないケースも考えられます。

2社目のカードローン審査に通りやすいコツ

最後に、すでに1社のカードローンを利用している専業主婦が、利用枠が少ないのでもう1社増やしたいといった場合に、審査に通りやすくするコツについて紹介しておきます。

まず、1社目の借入残高を、一時的ではあってもできるだけゼロに近づけておくことです。 2社目の審査では、残債がどれくらいあるかがポイントとなります。一時的に誰かからお金を借りるなどしてでも1社目を完済しておけば、審査に通る確率が高くなるでしょう。

次に、取引実績のある銀行のカードローンに申し込むという方法です。以前から口座を持っていて、公共料金やクレジットカードの自動振替、定期預金などを利用している実績があれば、審査にプラスになると考えられます。

あるいは、自動車ローンや住宅ローンを利用している銀行のカードローンも通りやすいでしょう。ちなみに、みずほ銀行カードローンは、住宅ローンと併用すると0.5%の金利優遇サービスが付いてきます。

専業主婦も上手に選んで計画的に!

ここまで紹介したように、専業主婦でもカードローンを利用できる方法はいろいろとあります。方法によっては、夫や家族に内緒でカードローンを利用することも可能です。

無理な利用をして家族との関係を壊してしまったり、返済が滞ったりしないように、適切な方法や金額を選んで計画的に利用しましょう。