自分の親が亡くなったとき、悲しみや精神的ショックを感じるのは当然のことです。しかし、悲しんでばかりもいられず、さまざまな手続きを行わなければならないのも事実です。事前に知っておくことで心構えができることもあるでしょう。そこで今回は自分の親が亡くなった時にまず行う、葬儀までに必要な手続きや準備についてお伝えします。

親が亡くなったら行うこと

相続
(画像=hichako/stock.adobe.com)

親が亡くなったらまずは医師の診察を受け、「死亡診断書(死亡検案書)」を作成してもらいます。生前の傷病に関連して亡くなった場合には死亡診断書が、それ以外の場合には死亡検案書が作成されます。

たとえば、特に持病がなかったのに自宅で亡くなった場合や事故で亡くなった場合、事件性が疑われる亡くなり方などをした場合には、警察に連絡をする必要があります。その後検視が行われ、その結果をもとに死亡診断書または死亡検案書が作成されることになります。

親が亡くなったら行うこと1:死亡届や関係先への連絡

死亡診断書(死亡検案書)を作成してもらった後に、本人の死亡地・本籍地、または届け出をする人の所在地の市区町村役場へ死亡届を提出します。提出期限は死亡の事実を知った日から7日以内となっていますので、早めの手続きが必要です。

なお死亡届と死亡診断書(死亡検案書)は一体となっていて、医師に死亡診断書(死亡検案書)を作成してもらい、届け出をする人が死亡届の欄に記入をして提出します。なお死亡届は提出すると戻ってきません。後日、生命保険の死亡保険金を請求する時などに必要となってきますので、コピーを複数枚取っておいたほうが、手続きなどがスムーズとなります。

死亡届を提出すると「火葬許可証」が交付されます。この火災許可証がないと火葬を行うことができませんので、必ず交付を受けるようにしてください。

また親族、知人、職場、お寺などの関係先に、死亡したことと葬儀の日程を連絡するのが一般的です。ただし亡くなった方の生前の意向で、49日が終わった後に連絡をしてほしい、という場合などがありますので、関係先への連絡はケースバイケースとなります。

親が亡くなったら行うこと2:葬儀の段取りを決める

並行して、葬儀の段取りなども決めていくことになります。亡くなった方が生前に葬儀会社を決めている場合もありますし、病院や施設から葬儀会社を紹介してもらうこともできます。ご自身で探すこともできますが、いずれにしても担当者の対応がよいか、料金設定は明確か、亡くなった方の意向に沿った葬儀ができるのか、といったことを判断材料として葬儀会社を決めていきます。

なお葬儀会社では、先にお伝えした死亡届と火葬許可証の手続きを代行してくれる場合があります。その場合には死亡届に記入した後に手続きを依頼します。

葬儀会社との打ち合わせでは、喪主や受付などを誰がやるのか、通夜や告別式の日時、葬儀の料金プランなどの詳細を決めていきます。また、葬儀で使用する遺影写真や喪服の準備、喪主挨拶の作成など、葬儀を行うための準備も必要となってきます。

最近では、葬儀・告別式と同じ日に「初七日」の法要を行うケースが多くなっていますので、事前に葬儀会社との打ち合わせで初七日の日取りについても確認しておく必要があります。

親が亡くなったら行うこと3:お通夜、葬儀、告別式

お通夜の一般的な流れとしては、参列者が受付後に着席し喪主の挨拶が終わった後、僧侶が読経をして喪主・遺族・親族・参列者がお焼香を行います。お焼香が終わった後に喪主が挨拶をして、別室に移動をして通夜振る舞い(会食)を行います。

翌日に葬儀・告別式が行われます。ここでも参列者が着席後に喪主が挨拶をして、同じく僧侶の読経が始まりお焼香を行います。お焼香が終わり喪主の挨拶が終わると出棺となります。出棺の前には棺の中に花や亡くなった方が生前に愛用していたもの、ゆかりの品などを入れていきます。

その後火葬場に移動して火葬が行われます。火葬が終わった後に親族・参列者が「骨上げ」を行い、遺骨を骨壺の中に納めていきます。骨上げが終わった後に、埋葬に必要な「埋葬許可証」と骨壺を受け取り葬儀・告別式が終了します。

生前に話し合っておけば、亡くなってからの手続きが軽減されることも

今回は、もっとも一般的な仏式を例に、親が亡くなった直後から、葬儀までにすべきことを解説しました。このように親が亡くなった場合には葬儀を行うまでに、死亡診断書(死亡検案書)、死亡届、火葬許可証が必要となり、同時に最後のお別れである葬儀の段取りを決めていく必要があります。限られた時間のなかで行う必要がありますので、特に葬儀についてはどのように行いたいのか、生前に意向など確認しておいてもよいかもしれません。(提供:相続MEMO


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