SDGs達成世界ランキング1位のスウェーデンでは、政府はもちろん国民も積極的にSDGs達成に取り組んでおり、その積極的な活動はランキング17位の日本にとって大いに参考になるものです。私たち個人の生活を見直すきっかけにもなるスウェーデンの取り組みを見てみましょう。

SDGsとは持続可能な開発目標

スウェーデン
(画像=alexi-tauzin/stock.adobe.com)

SDGsとは2015年の国際サミットで定められた国際社会共通の目標で、国連加盟国が2030年までに達成することを目指しています。地球上の環境を守りながらすべての人が平等かつ平和に暮らせる未来をつくるために、次の17の目標が掲げられています。

  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に
  7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10. 人や国の不平等をなくそう
  11. 住み続けられるまちづくりを
  12. つくる責任つかう責任
  13. 気候変動に具体的な対策を
  14. 海の豊かさを守ろう
  15. 陸の豊かさも守ろう
  16. 平和と公正をすべての人に
  17. パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs達成度世界ランキング

SDGs達成度世界ランキングは学術機関や企業、市民団体などのステークホルダーによるグローバルネットワーク「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」と、ドイツのベルテルスマン財団の独立した専門家のチームによって作成される「The Sustainable Development Report(持続可能な開発レポート)」で発表されます。前述の17の達成目標での取り組みを評価したスコアをもとに世界ランキングが決まります。

2020年のランキングでは、昨年デンマークにその座を明け渡したスウェーデンが1位に返り咲きました。スウェーデンはこの5年間で昨年以外の4度も世界ランクトップを達成しています。果たしてそのスウェーデンの取り組みとはどのようなものでしょうか。

政府が最も真剣に取り組んでいる

スウェーデンの具体的な取り組みを見てみると、企業や団体、自治体などよりも政府自身が最も真剣にSDGsに取り組んでいるのがわかります。

ゴミを100種類にも分別

SDGsの達成目標における気候変動への具体策としては、ゴミの削減やCO2の排出抑制は重要な課題です。スウェーデン政府はゴミの分別をなんと100種類に分け、家庭ごみの99%をリサイクルやエネルギー源としています。各種の容器はデポジット制が採られたり回収施設が非常に充実していたりと、徹底した取り組みを行っています。

大臣もジェンダーレス

SDGsの目標にある平等についてもスウェーデン政府の大臣の顔ぶれを見ると、真剣に取り組んでいることがわかります。大臣のおよそ半数が女性でありさらに男女平等大臣という役職も設けられ、それを担っている大臣も女性です。またLGBTに対する偏見が生まれないよう、同性カップルを扱った話題が教育カリキュラムに組み込まれています。

3つの原則

スウェーデンではSDGsの目標に基づく3つの原則があり、教育や企業活動、法律などがこれに沿って整備されています。

自然にかえせる量の資源しか取らない

人間もあくまで環境の一部であり、資源はあくまで自然にかえせるものを必要な量しか取らないという考え方です。例えば木材にするため木を伐採したら植樹をする、魚を捕るなら必要最小限にして数が減らないよう環境を整えるなどです。

地下より地上のエネルギーを選ぶ

地下にある石炭や石油などの資源は、再生に数百万年の時間を要するため現実的に再生が難しいものです。このため地上にある太陽の光や風、波といった再生可能エネルギーを使う社会にしていこうという意識です。

またプラスチックなどの石油製品は焼却しても埋めても環境負荷が大きいため、自然を保護する観点からも使うべきではないという考え方にもなります。

生物の多様性を保護する

すべての生物にはそれぞれに役割があり、人間も含めて地球上の生物はつながって生きています。そのため食材を始め多くの資源が地球上の生物の恩恵を受けていることは明らかで、生命全体を守っていくべきという意識です。

スウェーデン企業 IKEAの取り組み

スウェーデンで有名な企業と言えば北欧家具をメインに生活用品を取り扱う世界企業、IKEA(イケア)があります。IKEAではスウェーデン発祥らしく、以前よりサスティナブル(持続可能)な暮らしを実現するための取り組みを行っています。

健康的でサスティナブルな暮らし

家庭で90%以上の節水を可能にする製品を開発したり、大気汚染物質を減らす布地を使ったカーテンを作ったり、肉を使わない植物性食品のベジドッグを販売したりするなど、サスティナブルな暮らしを提供する商品を積極的に販売しています。

サーキュラー&クライメットボジティブ

サーキュラーとは循環型、クライメット(クライメート)ポジティブとは二酸化炭素を含む温室効果ガスの削減量が排出量を上回ることを意味し、IKEAではこの環境に優しい循環型の企業体制を取っています。

商品の60%以上が再生可能素材であり10%にリサイクル素材を使用していますが、さらに2030年までにそれぞれを100%にするという目標を掲げています。また食品ロスの削減にも取り組み、2016年後半以降で約300万食分にあたる1,400トン分の食品を廃棄せずに済んでいるとしています。

公正&平等

20年前に導入されたIWAY(イケアのサプライヤーの行動規範)によって、サプライチェーン全体の労働環境を良好なものにしています。サプライチェーンのドライバーの労働条件を公正なものにして社会的立場を向上させ、東南アジアでは若年労働者のスキル習得を支援しています。

また生物多様性が守られ農家や労働者、コミュニティが持続可能となる農業のための国際認証、UTZ認証を取得したコーヒーも提供しています。

日本は17位 その理由と課題は?

私たちの住む日本の世界ランキングは2020年では17位となり、前年から2つランキングを下げてしまいました。ランキングとその評価を伝えるThe Sustainable Development Report 2020では、日本の取り組みの中で次の5つを低評価としました。

5.ジェンダー平等を実現しよう
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
17.パートナーシップで目標を達成しよう

ジェンダー平等については他の先進国と比べるとまだまだ女性の社会進出が不十分と言え、レポートでは女性国会議員の数を増やすよう提言しています。

気候変動については二酸化炭素を減らすことと再生可能エネルギーの割合の少なさが指摘されています。以前に比べれば太陽光発電を始め再生可能エネルギーの活用を耳にするようになりましたが、他の先進国に比べると発電電力に占める比率は決して高くありません。スウェーデンに至っては2017年の実績で54.5%となっており、同年日本の16.0%と大きな開きがあります。

また水産資源の乱獲や生物多様性への驚異も指摘されており、こうした平等と環境への取り組みが日本の大きな課題と言えそうです。

政府が主導しながら生活に根付いている

スウェーデンでは政府が主導しながらもSDGsが国民生活にしっかりと入り込み、現実的な取り組みにつながっています。ゴミのリサイクル体制などさまざまな環境整備とともに、国民一人ひとりの意識が非常に高い印象があります。

一方日本でも政府が主導してSDGsを推進していますが、多くの国民にとってはまだまだ馴染みの薄いのが正直なところです。しかし地球規模で見れば今の生活は日本だけで成り立っている訳ではなく、当然持続可能な取り組みを進めなければなりません。特に低評価となった平等と環境について、私たちができる行動から考えてみてはいかがでしょうか。(提供:Renergy Online


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