毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか、迷ってしまう方も多くいるかと思われます。

本稿では、読書家が集まる本の要約サイト「flier(フライヤー)」にてアクセスの多かった書籍を、金融業界のユーザーに絞って毎月ランキング形式でご紹介しております。皆様の書籍選びの参考になれば幸いです。

銀行
(画像=PIXTA)

目次

  1. 金融業界ランキング
  2. このままでは地銀の価値はなくなる
  3. 話すこと、書くことがしんどい人たちへ
  4. 運のいい人は3億円を何に使いたいか、すでに考えている
  5. 「太っているけど健康」は理論上ありえない
  6. 人の心を動かすのは、相手との関係性である
  7. 編集後記

金融業界ランキング

第1位:『捨てられる銀行4 消えた銀行員』(橋本卓典著、講談社)
第2位:『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』(ひきたよしあき著、大和出版)
第3位:『科学がつきとめた「運のいい人」』(中野信子著、サンマーク出版)
第4位:『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(八木仁平著、KADOKAWA)
第5位:『食べても太らず、免疫力がつく食事法』(石黒成治著、クロスメディア・パブリッシング)
第6位:『雑談の一流、二流、三流』(桐生稔著、明日香出版社)
第7位:『カイシャインの心得』(山田理著、大和書房)
第8位:『心理的安全性のつくりかた』(石井遼介著、日本能率協会マネジメントセンター)
第9位:『自分を操り、不安をなくす 究極のマインドフルネス』(メンタリストDaiGo著、PHP研究所)
第10位:『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(越川慎司著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)

※本の要約サイト「flier(フライヤー)」の有料会員を対象にした、2020年12月の閲覧数ランキング

このままでは地銀の価値はなくなる

2020年12月、金融業界でもっとも読まれたのは『捨てられる銀行4 消えた銀行員』でした。とりわけ銀行にお勤めのユーザーから注目を集めた結果となりました。

銀行は、いま大きな転換点を迎えています。デジタル化や金融技術の進化、他業態の金融業への進出などにより、伝統的なビジネスモデルが通用しなくなってきているからです。そうした中で、銀行員は今後どういうアクションをとればいいのでしょうか。

『捨てられる銀行』シリーズ第4弾となる本書では、地域の金融機関にフォーカスが当てられています。長年、銀行のサービスは明確な差をつけにくいと言われてきましたが、本書では工夫次第で大きく差別化できることが示されています。銀行が今後取り組むべき課題を明確に示した一冊です。

捨てられる銀行4 消えた銀行員
捨てられる銀行4 消えた銀行員
橋本卓典
出版社:講談社
発売日:2020年09月15日
ジャンル:経営戦略、政治・経済、ファイナンス

※画像をクリックすると「flier」に飛びます

話すこと、書くことがしんどい人たちへ

第2位は、『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』でした。幅広い業界の方に読まれており、それだけ多くの方が、話すことや書くことに課題意識をもっていることが伺えます。

会議や商談、プレゼン、企画書など、ビジネスにおいて「言葉で伝える」機会は多々あります。本書はストーリー仕立てで、効果的なメソッドがいくつも紹介されます。とにかく語り口がやわらかく、とても親しみやすいのが特徴で、「思いつく」というところから、「考える」「発想してまとめる」という段階を経て、「伝える」「説得力を増す」段階までカバーされています。このメソッドをステップ・バイ・ステップで実践していけば、言葉の力をもっと引き出せるようになれるはずです。

5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本
5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本
ひきたよしあき
出版社:大和出版
発売日:2019年04月30日
ジャンル:スキルアップ・キャリア、自己啓発・マインド、マーケティング

※画像をクリックすると「flier」に飛びます

運のいい人は3億円を何に使いたいか、すでに考えている

第3位は『科学がつきとめた「運のいい人」』。こちらも幅広い分野のユーザーから注目を集めましたが、特に証券関連企業にお務めのユーザーから多く読まれています。

運というと、自分ではコントロールできないもののように思えてきますが、脳科学者の著者・中野信子氏は、「科学的に運をよくすることは可能だ」と断言します。書かれている内容の中には、「早寝早起き」や「『私は運がいい』と書いた紙を貼っておく」など、すぐに行動できるものが多く、しかも科学的な根拠にもとづいて説明されているため、実践したい気持ちにさせられます。

金融業は、少なからず不確実性と付き合っていかなければならないもの。本書を通じて、「運」についてあらためて考えてみてはいかがでしょう。

科学がつきとめた「運のいい人」
科学がつきとめた「運のいい人」
中野信子
出版社:サンマーク出版
発売日:2019年05月30日
ジャンル:スキルアップ・キャリア、自己啓発・マインド、サイエンス、健康・フィットネス

※画像をクリックすると「flier」に飛びます

「太っているけど健康」は理論上ありえない

年末年始が近かったからか、食事に関する本にも多くのアクセスがありました。特に第5位の『食べても太らず、免疫力がつく食事法』は、銀行・証券・保険それぞれで上位につけています。

新型コロナウイルスの蔓延により、免疫力の強化が注目されるようになりました。本書によると、肥満も免疫力の低下も、根本の問題は同じだといいます。体の組織や器官は、単独で機能するわけではありません。あらゆる身体の不調は、互いに関連しあっているからです。

本書には、現役の外科医である著者が実際に試行錯誤してつくりだした健康法が記載されており、実際に著者の指導によって100人以上の人が結果を出しているそうです。「新年だしダイエットをしたい」という方にも、「新型コロナウイルスに備えて免疫力を高めたい」という方にも、おすすめです。

食べても太らず、免疫力がつく食事法
食べても太らず、免疫力がつく食事法
石黒成治
出版社:クロスメディア・パブリッシング
発売日:2020年09月21日
ジャンル:健康・フィットネス、トレンド

※画像をクリックすると「flier」に飛びます

人の心を動かすのは、相手との関係性である

第6位の『雑談の一流、二流、三流』は、11月の時点では第12位でしたが、12月になって一気にジャンプアップしました。特に保険業界でよく読まれた本で、業務におけるコミュニケーションの重要性を再認識させられる結果となりました。

本書によると、「雑談」には人間関係をつくる力があるといいます。「雑談」のコツについて、本書では「一流」「二流」「三流」に分けて解説しているのですが、驚くべきことに「二流」として挙げられている雑談のコツとして、「これこそ雑談上手なのでは?」という振る舞いがかなり挙げられています。たとえば、よく耳にするアドバイスである「聞き上手になる」というコツも、それだけだと二流止まりだといいます。

では一流になるにはどうすればいいのか? 答えは本書にあります。コロナショックにより、雑談できる機会は貴重なものになりました。だからこそ、雑談するチャンスがやってきたときは、ぜひこの本書の叡智を生かしてください。

雑談の一流、二流、三流
雑談の一流、二流、三流
桐生稔
出版社:明日香出版社
発売日:2020年03月16日
ジャンル:スキルアップ・キャリア、自己啓発・マインド

※画像をクリックすると「flier」に飛びます

編集後記

11月に引き続き、12月も『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』がトップ10に入りました(第2位→第10位)。興味深いことに、証券業界にお勤めの方から多く読まれる傾向があるようです。1月はどのような書籍がランクインするのか、引き続きウォッチしてまいります。

本の要約サイト「flier(フライヤー)」は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだりしただけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

flier(フライヤー):https://www.flierinc.com

ZUU online library
(※画像をクリックするとZUU online libraryに飛びます)