city-100959_640 (1)

都市圏と地方で地価価格鮮明に分かれる。東京、大阪、名古屋の3大都市圏で地価上昇。全国平均(全用途)の下落率は前年より0.7ポイント縮まったものの23年連続の下落だった。


最近の日本の基準地価動向

国土交通省が2014年7月1日に発表した基準地価は3大都市圏(全用途)が前年比0.8%上がり、2年連続の上昇となった。その一方で、地方圏は2.6%下がってはいるものの下落幅が3年連続で縮まったようだ。
日本の不動産市場の回復がメディアで謳われているが、地域によって事情が少し異なるようだ。


商業地と住宅地の地価動向

国土交通省が発表する地価公示では全用途以外に、商業地価と住宅地価も公表している。3大都市圏と地方圏の商業地価と住宅地価のデータを見ると、2005年から2008年までの景気回復期では3大都市圏の商業地価が大きく上昇し、それに続き3大都市圏の住宅地価も上昇した。その一方で、地方圏の2つ地価は下落幅を狭めたものの下落は継続した。リーマンショック以後は3大都市圏の2つの地価は下落を続けた。

そして、2013年に日銀の異次元の金融緩和が開始され、今年に入り3大都市圏の商業地価が再び上昇に転じた。それに伴い、3大都市圏の住宅地価も上昇に転じてきた。地方圏の2つの地価も3大都市圏の地価と同様にリーマンショックにより一値下落幅を広げ、その後はその下落幅を徐々に狭めながら下落を続けている。こうして見ると、地方圏の2つの地価は価格下落硬直性が強いため、景気回復局面では特に3大都市圏と地方圏の地価の価格差が鮮明になる傾向があると言える。