地域差が出る理由

3大都市圏と地方圏の地価の動きに差が出る理由には、以下の3つが挙げられる。

(1)金融政策の波及効果の違い
日銀の異次元金融緩和ではJ-REITを購入することで地価に影響を与えている。そして、J-REITの多くの銘柄が地方よりも3大都市圏への投資を選好している。そのため、地方圏の地価は金融政策による効果が効きにくく、効いたとしても3大都市圏からの波及効果を伴うものになるので時間を要する。

(2)地価を押し上げる材料の有無
3大都市圏の特にオフィス・商業地には、海外からのマネーも流入している。また、東京では2020年の東京オリンピックに向けたインフラ整備が着々と進んでいる。その一方で、地方圏ではこうした地価の大きく押し上げる材料が欠如している。

(3)人口の増減
日本の人口減少する状況でも、3大都市圏の人口は増加傾向にありるが、地方圏では人口は減少していくばかりだ。


今後の傾向は

日銀の異次元金融緩和の継続、海外マネーの都市部への流入継続、2020年の東京オリンピックに向けた環整備といった3つを要因に、今後も3大都市圏の商業地価が継続して上昇することが予想される。そして、これらの影響が3大都市圏の住宅地価も押し上げている。そして、最終的にはその波及効果で、地方圏の商業地価と住宅地価も押し上げていくことになると。しかし、上記で挙げたような理由から、3大都市圏と地方圏の地価の価格差は、決して埋まることはないと思われる。

このように日本の不動産市場は、3大都市圏と地方圏で地価動向が鮮明に分かれる特徴を持っているため、日本の不動産市場を一括りに扱うことは避けるべきだ。不動産市場では、良い効果は特定の地域に限定され、仮に波及効果があったとしても時間を要する。そのため、不動産の売買を行う際には、各地域のそれぞれの特性や動向を理解し、他の地域の不動産状況との兼ね合いを見ながら行うことが非常に重要である。

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