2019年10月より10%になった消費税。財務省によると、消費税(付加価値税)がもっとも高い国はハンガリーの27%と、世界各国を見ると日本はまだ低いほうと言えるかもしれません。ここでは消費税の高い国トップ10と、トップ3の高い理由を解説します。

消費税(付加価値税)が高い国トップ10

金融
(画像=kudoh/stock.adobe.com)

2019年10月の財務省のデータによると、消費税(付加価値税)が高い国のトップ10は以下の通りでした。

消費税が高い国トップ10

1位……27% ハンガリー

2位……25% デンマーク、スウェーデン、クロアチア、ノルウェー

3位……24% フィンランド、ギリシャ、アイスランド

4位……23% アイルランド、ポーランド、ポルトガル

5位……22% イタリア、スロベニア

6位……21% ベルギー、チェコ、ラトビア、リトアニア、スペイン

7位……20% オーストリア、エストニア、スロバキア、イギリス、ブルガリア

8位……19% ドイツ、キプロス、ルーマニア、チリ

9位……18% マルタ、トルコ

10位……17% ルクセンブルク、イスラエル

消費税が高い国は北欧や旧ソ連諸国も含めた欧州に集中しています。消費税を導入した時期は、デンマークが1967年、フランス、ドイツは1968年、スウェーデン1969年、イギリス、イタリア1973年で、日本は1989年に初めて3%導入して以降、5%(1997年)、8%(2014年)、10%(2019年)と30年間かけて徐々に上昇しています。

ほかの国も消費税が右肩上がりに推移しているところが多いものの、フランスは乱高下していますし、1984年に導入したときは17%だった中国は13%に下がっていて、カナダも1991年の導入時は7%だったのが5%に下がっています。

消費税率が高くても軽減税率が充実している?

欧州と比べると日本の消費税が低いのはわかりますが、実は日本よりも軽減税率の対象が多くあるため一概に高い、低いとは言えないのです。

軽減税率とは、特定品目については消費税を低くする制度のことで、たとえば日本では食料品の消費税は8%(消費税率6.24%、地方消費税率1.76%)ですが、レストランでの食事では10%(消費税率7.8%、地方消費税率2.2%)です。

軽減税率は低所得者の負担を軽減する措置なのですが、消費税が27%のハンガリーでは、医療品や新聞などは5%、食料品やホテルなどの宿泊は18%の軽減税率が適用されます。25%のスウェーデンにおいても、新聞やスポーツ施設の利用料、文化的イベントの入場料などは6%で、テイクアウトの食品、レストランなどは12%です。

さらにハンガリーを含め、欧州では社会福祉制度が日本よりも手厚く、医療費や教育費が無料の国も多くあります。支出と消費税のバランスを考えると、日本の消費税は低くはないと言えるでしょう。