投資信託などの金融商品に投資するときに、運用方針や過去のリターンとともにぜひ注目しておきたいのがシャープレシオです。リスクに見合ったリターンが得られているかという投資信託の重要な評価指標の1つです。シャープレシオについて理解し、シャープレシオから優れた投資信託を探す方法を解説して行きます。

目次

  1. 効率的な運用ができているのかを測る指標「シャープレシオ」
  2. シャープレシオを実践で生かすための注意点
  3. 実践!中長期投資にふさわしい投資信託の銘柄の選び方
  4. ソルティノレシオとシャープレシオの違い
  5. シャープレシオを活用して定期的にファンドの見直しを

効率的な運用ができているのかを測る指標「シャープレシオ」

金融
(画像= moonrise/stock.adobe.com)

シャープレシオとは、ファンド(投資信託)がリスクに見合ったリターンが得られているかを評価する指標です。効率係数ともいいます。投資対象となる投資信託を決めるのには、運用方針や過去のリターンなどを分析し、比較していく手順が一般的ですが、シャープレシオはその指標のなかでも機関投資家が特に重視するものの1つです。

シャープレシオをわかりやすく説明すると、リターンが10%の同じファンドが2本あったときに、大きなリスクをとって出した10%とリスクを抑えて出した10%では、ファンドの評価が異なるということです。リスクに対して効率的な運用をしており、シャープレシオが大きいのは後者です。取ったリスクが小さいほどシャープレシオは大きくなり、効率的な運用がされているファンドであると評価できるのです。

取ったリスクに見合ったリターンを得られているか、シャープレシオで確認する

機関投資家は、運用でリターンを求めていますが、年金や投資信託といった人々の大切な資産を運用しているわけですから、大きな損失をいかに避けるかも大切なポイントです。金融商品は基本的にはリスクをとればとるほど期待リターンは大きくなりますが、損失する可能性も拡がります。だからこそ、リターンを求めてリスクをとったときに、取ったリスクに見合ったリターンが得られ、ファンドが効率的に運用されていることが重視なのです。

ここでいうリスクとは、ファンドのリターンのばらつきである標準偏差をいいます。機関投資家にとってのリスクとは、期待リターンに対して実際のリターンが大きくかけ離れることだからです。

目安としては、シャープレシオが0.5~0.9ならば普通、1.0~1.9ならば優秀、2.0以上だとたいへん優秀なレベルだと覚えておきましょう。この考え方は機関投資家だけでなく、個人投資家の長期投資にも当てはまるのではないでしょうか。

シャープレシオの計算方法

シャープレシオは、リターンのうち安全資産を上回った超過リターン分を、ファンドのリスクである標準偏差で割ることで計算します。ファンドのとったリスクに対して、何倍の超過リターンがあったのかという効率を見るわけです。

▽シャープレシオの計算式
シャープレシオ = (ファンドのリターン-安全資産利子率) ÷ リスク(標準偏差)

安全資産利子率はリスクゼロの資産の利回りです。なぜファンドの平均リターンから安全資産利子率を引くかというと、リスクを取った以上、リスクを取らないで得られる安全資産のリターンを上回らなければ投資として意味がないからです。日本では、無担保コールレートや3ヵ月国債利回りなどを利用します。最近は、短期利回りはゼロやマイナスが定着していますので、いまはこれをゼロとしてもいいでしょう。

では、具体的に、シャープレシオを計算して比較してみます。

▽ファンドA:
リターン10%、無担コール0.1%、リスク(標準偏差)10%

▽ファンドB:
リターン15%、無担コール0.1%、リスク(標準偏差)20%

▽シャープレシオ
ファンドA:(10%−0.1%)÷ 10% = 0.99
ファンドB:(15%−0.1%)÷ 20% = 0.749

実績のリターンがいいのは15%のリターンであるファンドBです。ただ、ファンドAがリスク10%なのに対し、Bは20%と高いリスクをとっています。シャープレシオを計算するとファンドAのほうが高くなります。リスクに見合った運用成績を出しているのはファンドAで、運用効率ではファンドAのほうがいいということになります。これが、シャープレシオです。

シャープレシオを実践で生かすための注意点

シャープレシオはできるだけ長期でみること

シャープレシオは短期的には変動しやすい指標です。短期のシャープレシオは、リターン次第ですので、短期的な相場の動きに影響されます。上昇相場でたまたまいい数字が出ることもあり得るわけです。ファンドのトータルリターンを比較するとき、できるだけ長期で見ることがいいように、シャープレシオもできるだけ長期のデータを見ることが必要です。

ファンドのホームページや月次報告書では、1年、3年、5年、10年など、ある程度長期のシャープレシオが取れるはずです。

ただ、長期の比較をすすめるのはあくまで、ファンドの特色をつかみ、ファンドを絞り込むためです。比較的短期のシャープレシオのランキングを見て、時流にのり独特の投資方針をもったいいパフォーマンスのファンドを探すことも可能です。これはまた後で説明します。

シャープレシオは同じ期間で比較すること

ファンドをシャープレシオで比較する場合、必ず同じ期間のデータを使いましょう。シャープレシオは、相場の変動の影響を受けますので、異なる期間でファンド比較してもあまり意味がありません。

たとえば、2008年のリーマンショックを含む期間の10年とリーマンショックを含まない期間の3年のシャープレシオは、運用環境も年数もまるで違うのですから比較しても意味がないのです。

シャープレシオはアセットクラス別で比較すること

シャープレシオは、基本的には主要アセットクラス(資産分類)である、「国内株」「海外株」「国内債券」「海外債券」など、それぞれアセット内での比較に適しています。国内株なら国内株ファンドを同じ期間で比較するべきです。

そもそも、基本的には株は債券よりリスクが高いので、国内株のファンドと国内債券のファンドを比較することにはあまり意味がありません。株式型でも国内型と海外型、違う通貨のファンドを比較することも同様です。

シャープレシオはアセットアロケーションに有効

シャープレシオは、基本的には同じアセットクラスの商品を比較するために使います。この概念を持っておくことは、ポートフォリオのアセットアロケーション(資産配分)を決めるときに有効です。

長期投資のアセットアロケーション(資産配分)を決めるためには、どこで守り、どこで攻めるといったことを考え、リスクとリターンの見合いで決めます。例えば、まだ投資家が若く、長期のリスクをとれるため、国内株の比率を40%、海外株を40%、海外債券を20%などと決めるわけです。アセット毎の期待リターン、リスク、シャープレシオなどのイメージをもっておくことは、最適なアセットアロケーションを考えるのに大きな効果があるでしょう。

シャープレシオは未来を保証するものではない

シャープレシオは、あくまでも過去の一定期間の実績であり、過去の数値がよかったからといって、未来の数値を保証するものではりません。特に短期のデータは相場の影響が大きく表れます。将来的にも同様のリターンが望めるかどうかはファンダメンタルズなどの別の要因のほうが大きいかもしれません。ただ長期的に見ることでそのファンドの特性はわかります。

シャープレシオだけでは投資商品を判断できない

シャープレシオだけで、投資に適した商品を判断することはむずかしいです。運用方針やトータルリターンなどほかの指標と合わせて総合的に判断する必要があります。

例えば、日本国債や米国国債のシャープレシオが高い時期がありました。これはリターンが高かったのではなく、リスクが小さかったからでした。単に、シャープレシオが高いからといって、長期投資で大きなリターンを狙うのに適した商品であるとはいえないのです。シャープレシオだけで判断するには限界があり、あくまでも、ほかの主要データとのバランスで判断すべきデータと心得ましょう。

実践!中長期投資にふさわしい投資信託の銘柄の選び方

シャープレシオにフォーカスしながら、中長期投資にふさわしい投資信託の銘柄(ファンド)の選び方を実践してみましょう。

メディアの発表するシャープレシオにはいくつかの種類がある

金融情報のメディアが、シャープレシオをベースに推奨ファンドをリストアップすることがあります。この場合は、アセットクラス毎にいくつかの期間のシャープレシオの平均値を出して、それらを合計してランク付けするケースと、単に5年や10年の長期シャープレシオのランキングを使うケースがあります。

例えば、過去5期間の(5年・3年・1年・6ヵ月・3ヵ月)のシャープレシオの平均値を合計して、この合計値が高いファンドのランキングが一例です。

これらを個人が独自に調べようとしても、過去5期間などのデータを集めて合計してスクリーニングすることは簡単ではありません。そこで、簡単にシャープレシオの優れたファンドを探す方法を紹介します。

日本経済新聞の投信ランキングから探す

日本経済新聞のウェブサイトに掲載されている投信ランキングには、ファンドのシャープレシオランキングがあります。期間3年で、シャープレシオ、リターン、リスクが表示されます。そのランキングには、いろいろなアセットが含まれていますので、ファンドを絞り込むためには、投信分類でランキングをし直したほうがいいでしょう。国内株式、先進国株式、新興国株式といったアセット別のランキングが出せるので、それを使うと便利です。

例えば、「国内株式」の2020年6月末時点では、「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」が1位にランキングされています。年率でシャープレシオは1.11、リターンは21.06%、リスクは18.95%です。このリスクがとれるなら、組み入れるファンドの候補の1つになるわけです。

ランキングから気になったファンドをクリックすると、簡単な運用方針、ほかの期間のリターン、シャープレシオ、純資産総額などが簡単にチェックできます。いくつかの候補のファンドを比較しやすくなっています。

モーニングスターのランキングと検索で探す

モーニングスターは投資信託の評価会社の大手です。その「投資信託ホーム」の「ファンドランキング」にはシャープレシオのランキングがあります。ここでは、アセットクラス別で、1週間から10年の様々な期間別でシャープレシオをランキングすることができます。

例えば、国際株式型で5年のシャープレシオのランキングを見ると「netWIN GSテクノロジー株式ファンド A(ヘッジ有)」が1位に出てきます。米国株に特化し次世代のテクノロジーに関連した銘柄に投資するファンドです。年率で、シャープレシオは0.99、リターンは17.07%です。

ファンド名をクリックすることでファンドの特色、過去のデータ、チャートなどをすぐにチェックできます。このページからファンドの目論見書にもリンクが張られており、目論見書や月次報告書でファンドの詳細、ファンドの組み入れ銘柄などの詳細にアクセスできます。

また、モーニングスターの検索機能も便利です。「投信ホーム」から「ファンドを探す」に行きます。「詳細検索」に行き、ここで、投資したいカテゴリー(アセットクラス)とリターン、シャープレシオなどの条件を入力すればOKです。

例えば、国内株式型、シャープレシオ3年が平均より高い、トータルリターン3年が平均より高いといったザックリした条件での検索が可能です、便利なのは、ファンドの信託報酬などのコスト面など様々な条件を加えてスクリーニングできることです、買い付けを検討するファンドの数を絞り込めるので、いろいろな条件を入れて検索してみましょう。

短期でのシャープレシオが高い投信ランキングからファンドを探す

相場のボラティリティ(変動率)が高いときには、損失を限定的にするために特に効率的な運用が求められます。そこでシャープレシオがクローズアップされます。

2020年6月末時点で、短期(1年間)の国内株式投信(ETFを除く)のシャープレシオの高い投信ランキングを見てみましょう。

短期のシャープレシオをあまり重視するべきではないと話しましたが、これはあくまでファンドを比較するときの話です。シャープレシオの短期ランキングを見ることで、時流にあった独特の投資方針をもった好パフォーマンスのファンドを見つけるきっかけとなることも多いのです。

▽日本株 株式投信のシャープレシオ(1年)ランキングトップ10

順位 ファンド名 シャープレシオ リターン
1 情報エレクトロニクスファンド 1.37 29.80%
2 イオングループ・ファンド 1.29 20.03%
3 日本経済『大転換』ファンド
『愛称:グレート・ローテーション』
1.27 25.46%
4 BNYメロン・日本株式ダイナミック戦略ファンド
『愛称:臨機応変』
1.24 11.53%
5 ダイワ・セレクト日本 1.18 35.86%
6 小型ブルーチップオープン 1.1 23.52%
7 日興UBS日本株式リスク・コントロール・F 1.1 14.68%
8 生活基盤関連株式ファンド
『愛称:ゆうゆう街道』
1.09 23.76%
9 企業価値成長小型株ファンド
『愛称:眼力』
1.08 36.35%
10 日本株リーダーズファンド 1.05 19.43%

出典: モーニングスター 2020年6月末時点

株式投信の過去1年のシャープレシオのランキングで見ると、トップにランクされたのは野村アセットマネジメントが運用する「情報エレクトロニクスファンド」です。シャープレシオは1.37%と高く、リターンは29.8%に達します。電気機器、精密機器などエレクトロニクスに関連する企業群や情報ソフトサービス、通信など情報通信に関連する成長性企業に投資するファンドです。純資産総額は112億円。ポートフォリオのリンクをたどれば、2月時点で組み入れが大きい銘柄はソフトバンクだということもわかります。ファンドの詳細についての目論見書や運用報告書もここからリンクされています。

このようにシャープレシオのランキングから、各種の組み入れ候補銘柄の情報が簡単に手に入れられるのです。

カテゴリー別シャープレシオ(5年)ランキングからファンドを探す

シャープレシオの基本は、同じアセットクラスを長い期間で比較することですので、5年のシャープレシオでアセット別にトップ3を見て行きましょう。

▽国内株式型ファンド シャープレシオ(5年)ランキングトップ3

順位 ファンド名 シャープレシオ リターン
1 東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン 1.11 20.52%
2 SBI 中小型成長株F
ジェイネクスト 『愛称:jnext』
0.9 18.27%
3 新成長株ファンド
『愛称:グローイング・カバーズ』
0.85 17.33%

出典: モーニングスター 2020年6月末時点

国内株式型の5年でトップとなったのは東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」で、経営者が実質的に主要な株主である企業の株式に投資するファンドでした。5年の年率リターンは20.52%と高く、シャープレシオも1を超えています。2位にはSBIアセットマネジメントの「SBI 中小型成長株F ジェイネクスト『愛称:jnext』」、3位には明治安田アセットマネジメントの「新成長株ファンド 『愛称:グローイング・カバーズ』」が入りました。この2つのファンドはどちらも中小型の成長株ファンドなのですが、共通しているのは、どちらのファンドも運用の投資助言をエンジェルジャパン・アセットマネジメントが担当していることです。

▽国内債券型ファンド シャープレシオ(5年)ランキングトップ3

順位 ファンド名 シャープレシオ リターン
1 エス・ビー・日本債券ファンド
『愛称:ベガ』
0.79 1.83%
2 明治安田
日本債券オープン(毎月決算型) 『愛称:しあわせ宣言(毎月決算型)』
0.75 1.70%
3 日本超長期国債ファンド 0.68 2.39%

出典: モーニングスター 2020年6月末時点

国内債券型でトップに立ったのは三井住友DSアセットが運用している「エス・ビー・日本債券ファンド 『愛称:ベガ』」でした。国内の低金利が続いているため、リターンもシャープレシオも厳しかったことがわかります。国内債券のファンドは現状では資産配分を低めにしたほうがよさそうです。

▽国際株式型ファンド シャープレシオ(5年)ランキングトップ3

順位 ファンド名 シャープレシオ リターン
1 netWIN
GSテクノロジー株式ファンド A(H有)
0.99 17.07%
2 AB・米国成長株投信Cコース(H有)
予想分配金
0.93 13.48%
3 AB・米国成長株投信Aコース(H有) 0.92 13.44%

出典: モーニングスター 2020年6月末時点

国際株式型でトップに立ったのがゴールドマンサックス・アセットマネジメントの「netWIN GSテクノロジー株式ファンド A(ヘッジ有)」です。次世代技術の通信、クラウド、5G、AIなどにフォーカスしたファンドで、米国株に投資します。純資産総額が1,694億円の大型ファンドです。米主力IT系企業の好パフォーマンスを享受して、5年の平均リターンは17.07%に達しています。シャープレシオは0.99でした。2、3位にもアライアンス・バーンスタインが運営する米国株のファンドが2本ランクインしています。米国株の強さが注目されるだけに、国際株式型は注目されるアセットです。

▽国際債券型ファンド シャープレシオ(5年)ランキングトップ3

順位 ファンド名 シャープレシオ リターン
1 野村
豪州債券ファンドCコース(毎月分配型)
0.73 1.95%
2 東京海上
Roggeニッポン海外債券F(H)
0.7 2.19%
3 朝日Nvest
グローバルボンドオープン 『愛称:Avest-B』
0.68 2.19%

出典: モーニングスター 2020年6月末時点

国際債券型でトップは「野村 豪州債券ファンドCコース(毎月分配型)」でした。リターンは1.95%、シャープレシオは0.73%でした。やはり債券型ですのでリターンには苦戦していそうです。

▽バランス型ファンド シャープレシオ(5年)ランキングトップ3

順位 ファンド名 シャープレシオ リターン
1 投資のソムリエ 0.85 2.48%
2 日米4資産スマートバランス
『愛称:きんとう君』
0.8 1.35%
3 UBS米国成長株式リスク・コントロールF 0.63 11.02%

出典: モーニングスター 2020年6月末時点

バランス型とは、4つのアセットクラスを基本に、アセットアロケーションをコンピュータ判断で自動的に行うファンドです。投資初心者には最適のようにも思えますが、ファンドのコストである運用報酬が通常のファンドより高めに設定されていることが多いです。

長期投資ではコストの違いが複利で大きな違いになります。ランキングからいろいろなファンドを比較するときにコストもぜひ比較してみてください。

バランス型ファンドでトップにランクしたのは、アセットマネジメントONEの「投資のソムリエ」です。国内外の公社債、株式およびREITに投資するファンドで、基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑えながら、安定的な基準価額の上昇を目指すとともに、機動的配分戦略に基づき、急な投資環境の変化に対応することを投資方針としています。日々の市場環境に応じて国内外の株式やREITといったリスク資産と債券の安定資産での機動的配分戦略をとります。

このように、市場のリスクによって、ファンドの配分を見直すバランス型のファンドの残高がグローバルでは増える傾向があります。

ソルティノレシオとシャープレシオの違い

シャープレシオに似た指標の1つに「ソルティノレシオ」があります。「シャープレシオ」がリスク(標準偏差)を、相場が上振れたときも下振れたときもリスクとして計算するのに対し、「ソルティノレシオ」は相場が上振れしたときの影響は除外し、下振れたときだけの影響をリスクとして換算して計算します。投資家にとって、上振れる変動には問題がなく、下ぶれることが本来のリスクであるためです。

ソルティノレシオにおいてランキングの上位に来るファンドは、時流に乗っており、下げるときは小さく、上げるときは大きく上げるファンドですので、ソルティノレシオを使うことで、より低リスクで高リターンが期待できるファンドを見つけられる可能性はあるでしょう。

シャープレシオを活用して定期的にファンドの見直しを

長期資産運用は、運用期間、運用目的、目標金額、ライフプランなどに応じて、アセットアロケーションすることから始めます。その上うえで投資するファンドを決めていくのが王道です。

ただ、自分のライフスタイル、ファンダメンタルズなどの経済環境、地政学リスクなどの外部環境は常に変わります。変更に合わせて定期的にファンドの見直しをすることが、投資効果を高めることにもつながります。

ファンドの見直しというとむずかしく感じるかもしれませんが、投資しているファンドと市場で好調なファンドのシャープレシオを時々比較しておくと、ファンドを見直す際に大きく役立つでしょう。

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