ハイステータスゴールドカードの代表格ともいえる「アメックス(アメリカン・エキスプレス)ゴールドカード」では、2021年1〜2月にかけて新たな特典と補償サービスが追加された。ここではそれを踏まえ、このカードのメリット・デメリットを改めて確認しよう。

1,アメックス・ゴールドカードの基本スペックと審査基準

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(画像=Fenixx666/Shutterstock.com)

「アメックス・ゴールドカード(アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード)」は、他社のゴールドカードと比べてハイステータス・ハイスペックであるといわれており、他社のプラチナカードで提供される特典・サービス内容も一部付帯する優れた1枚だ。

2021年1〜2月には、2つのカード継続特典の追加と新たな補償サービスが導入され、今の時代のニーズにより応えるカードに生まれ変わった。まずは、この「アメックス・ゴールドカード」の基本スペックから見ていこう。

アメックス・ゴールドカードの基本スペック……年会費、空港ラウンジ、付帯保険など

国際ブランド アメリカン・エキスプレス
年会費 3万1,900円(税込)
家族カード1枚目無料、
2枚目以降は1万3,200円(税込)
ポイントサービス メンバーシップ・リワード
通常ポイント還元率 0.3〜0.4%
ポイント交換対象 Amazonギフト券
ANA/JALマイル
楽天ポイントなど
空港ラウンジサービス 国内28空港+ハワイ・ホノルル
同伴者1名まで無料
付帯保険 海外旅行傷害保険(自動付帯)
国内旅行傷害保険(利用付帯)
海外航空便遅延費用保険(自動付帯)
キャンセル・プロテクション
リターン・プロテクション
ショッピング・プロテクション
スマートフォン・プロテクション
追加カード 家族カード
ETCカード
プラスEXカード
電子マネー 【Apple Pay経由】
QUICPay
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

審査基準・審査難易度……年収350万〜400万円以上が目安

パートやアルバイトの人は申し込みができないが、年金受給者は申し込みが可能だ。

審査での年収条件は口コミ情報からの推測となるが、年収350万〜400万円以上で審査通過の可能性が高いだろう。勤続年数は3年以上あった方がよさそうだ。

ステータス性……他社ゴールドカードを圧倒する高いステータス性

アメックス自社発行カードは、他社の同ランクカードよりステータス性やスペック面で優れており、一般カードの「アメックス・グリーン(アメリカン・エキスプレス・カード)」は他社のゴールドに近いスペック、「アメックス・ゴールドカード」は他社のプラチナカードに迫るスペックとなっている。

また、以前はアメックス取得の審査基準が今よりも高く設定されており、高額所得者でなければゴールドを持つことができないイメージもあった。その名残もあり、「アメックス・ゴールドカード」は数々のゴールドカードの中でも特に高いステータス性を持つカードとして認識されている。

アメックス・グリーンとの違い……特典・付帯保険に大きな差

参考までに、アメックス・ゴールドのワンランク下に当たる「アメックス・グリーン」との間で主要なスペックを比較しておこう。

アメックス・ゴールド アメックス・グリーン
税込年会費 3万1,900円 1万3,200円
家族会員税込年会費 1枚目無料
2枚目以降1万3,200円
6,600円
国内空港
ラウンジサービス
国内28空港+ハワイ・ホノルル
同伴者1名まで無料
プライオリティ・パス スタンダード会員無料登録
年間2回までラウンジ利用無料
スタンダード会員無料登録
空港手荷物無料宅配 1個まで無料
大型手荷物宅配優待
ザ・ホテル・コレクション
(ホテル優待)
京都特別観光ラウンジ
レストラン1名分無料
継続特典
(ホテルクーポン・
スターバックスチケット)
旅行傷害保険 海外最高1億円(自動付帯)
国内最高5,000万円(利用付帯)
海外最高5,000万円(利用付帯)
国内最高5,000万円(利用付帯)
航空便遅延費用保険 国内最高4万円(自動付帯)
ショッピング保険 年間500万円限度
その他の付帯保険 キャンセル・プロテクション
リターン・プロテクション
スマートフォン・プロテクション
リターン・プロテクション
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

このうち注目したいのは、レストランで所定のコースを2名以上で予約すると1名分が無料になるサービスの有無だ。対象となるレストランには高級店も多く、1〜2回の利用でカード年会費の差額分以上のお得となるだろう。

また、付帯保険の充実度も両者の差は大きい。各種保険の詳細は後述するが、ゴールドがより大きな安心を提供してくれる内容となっているのは間違いない。

2,アメックス・ゴールドカードの5つのメリット

「アメックス・ゴールドカード」の主なメリットを次の5つに分けて紹介しよう。

メリット1,国内空港ラウンジサービス&プライオリティ・パス特典で空の旅がもっと快適に

このカードでは空港ラウンジサービスとして、国内主要28空港とハワイ・ホノルルの空港ラウンジを会員ならびに同伴者1名まで無料で利用できる。

また、世界1,300ヵ所以上の空港ラウンジを利用できる「プライオリティ・パス」のスタンダード会員(通常年会費99米ドル)に年会費無料で登録可能だ。1回32米ドルの利用料金が年間2回まで無料になる。

プライオリティ・パスで利用できるラウンジには一般的なクレジットカードで利用できるラウンジよりも、設備・サービスが充実した航空会社ラウンジも多く含まれており、ワンランク上の空港ラウンジ体験となるだろう。

空港ラウンジサービス以外の空港・空港周辺で利用できる特典・サービスも、ここで紹介しておこう。

特典・サービス名 特典・サービス内容
手荷物無料
宅配サービス
海外旅行の出発・帰国時に
スーツケース1個を無料配送
(成田国際空港・中部国際空港・
関西国際空港・羽田空港第3ターミナル)
大型手荷物
宅配料金優待
海外旅行時、ダンボールや
自転車など大きな手荷物の
宅配料金が1,000円(税込)割引になる
(成田国際空港・羽田空港第3ターミナル・
中部国際空港)
エアポート
送迎サービス
海外旅行の出発時・帰国時に
提携タクシー会社の車をチャーターし、
割安な定額料金で利用できる
(成田国際空港・中部国際空港・
関西国際空港・羽田空港国際線)
※「HISアメリカン・エキスプレス・
トラベル・デスク」での
国際航空券・海外パッケージツアー購入が条件
空港パーキング優待 空港周辺のパーキングで割引が適用
(サンパーキング成田店38%オフ/
安い関空駐車場20%オフ/
VIPカーデリバリーサービス
《関西国際空港》20%オフ)
※除外期間などあり
無料ポーターサービス 空港駅・バス停とチェックインカウンター
(帰国時は到着ロビー)間で
専任スタッフが荷物を運んでくれる
(成田国際空港第1/
第2ターミナル・関西国際空港)
空港クロークサービス 乗継便の待ち時間などに空港内手荷物預かり所で
荷物を無料で預かってくれるサービス
(中部国際空港)
海外用レンタル
携帯電話優待
海外用レンタル携帯電話をレンタル料半額、
通話料10%オフで利用できる
(成田国際空港・関西国際空港・
羽田空港第3ターミナル)
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

年間2回の無料利用とはなるが、一般的にはプラチナカード以上で提供される「プライオリティ・パス」が提供される点は大きなメリットといえる。手荷物無料宅配サービスなども、プラチナカード以上で提供されることが多い特典だ。

これらをトータルで考えると、プラチナカードのスペックにかなりのところまで迫る内容といっていいだろう。

メリット2,旅行商品・レンタカーなどの割引で旅が便利でお得になる

空港関連以外でトラベルが便利でお得になる特典・サービスとして、次のものが提供されている。

特典・サービス名 特典・サービス内容
アメリカン・エキスプレス・
トラベル オンライン
カード会員専用旅行予約サイト。
ホテル・レンタカー・国内航空券の利用時には
100円につき2ポイントが貯まる
(通常の2倍)
ザ・ホテル・コレクション 600以上のホテルを優待料金で案内。
2泊以上の予約時には館内施設の利用代金が
100米ドル相当割引される他、チェックイン時の空室状況により
部屋の無償アップグレードが提供される
Expedia優待 旅行予約サイト「Expedia」で、
海外・国内ホテル宿泊料金8%オフ、
海外・国内ツアー料金3,750円オフ
(税・手数料抜き15万円以上の利用の場合)が適用される
アップルワールド優待 ホテル予約サイト「アップルワールド」で、
全ホテル5%オフ
一休.com優待 ホテル・旅館予約サイト「一休.com」で、
毎月先着100名に3,000円オフのクーポンコードがプレゼントされる。
また、カード会員限定特典付プランが提供される
オーバーシーズ・アシスト 海外旅行中、レストラン予約、海外旅行傷害保険の問い合わせ、
緊急時の医療機関の紹介などについて24時間通話料無料または
コレクトコールで連絡できる
国内レンタカー優待 所定のレンタカー会社
(オリックスレンタカー、トヨタレンタカー、日産レンタカー、
ニッポンレンタカー、タイムズ カー レンタル)を5%オフで利用できる
京都特別観光ラウンジ 京都の高台寺塔頭・圓徳院に設置された「京都特別観光ラウンジ」で、
お茶の接待を無料で受けられる。
その他、圓徳院の拝観無料、駐車場1時間無料などの優待も提供。
同伴者3名まで利用可能。
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

複数の旅行予約サイトで割引が適用されるため、状況に応じて最もお得になるサイトを選んで旅行商品を購入することも可能だ。これは高く評価できる点といっていいだろう。

その他、特別感のあるものとして、アメックスのゴールド以上の会員だけが利用できる「京都特別観光ラウンジ」にも注目したい。秀吉の正室・北政所(ねね)が建立し、自ら晩年を過ごした高台寺は、祇園や八坂神社にも近くアクセスがいいので、京都に行く機会があればぜひ立ち寄ってみたい。

メリット3,グルメ・エンタメ特典で年会費以上のぜいたく体験が可能

審査内容は明らかにされていないので、ネットの口コミ情報に頼ることになる。かつては審査の難易度が高いと言われていたアメックスも時代の流れに合わせ、いくらかハードルが下がってきているようだ。年収400万円以上、あるいは勤続年数やクレジットヒストリー(クレジット利用履歴)、貯蓄、資産などの条件が良好であれば、年収350万円以上で審査を通過することもあるようだ。

グルメ関連の特典として、まず注目したいのが「ゴールドダイニング by 招待日和」だ。これは、国内外約200店舗の対象レストランにおける所定のコースメニューを2名以上で予約すると、1名分の代金が無料になるというもの。対象レストランの多くは高級店であるため、2〜3回程度の利用でも年会費以上のメリットを期待できる。

この特典では半年ごとに利用期間が設定されており、同じ店舗は各利用期間に1回のみの利用となる。ただし、一部店舗では各利用期間における2回目以降の利用時、1名分無料が適用されない代わりにウェルカムドリンクやプレゼントの提供などの特典を用意している。

対象レストランは国内の他、ハワイやシンガポール、台湾など海外にも存在する。ここでは、東京・京都・大阪の対象レストランの一部を紹介しよう。

対象レストランの一部

アンティカ・オステリア・
デル・ポンテ
重慶飯店
麻布賓館
グランファミーユ・
シェ松尾
ラ・ロシェル
南青山
サバティーニ・ディ・
フィレンツェ東京店
ラージマハール
銀座店
GINZA kansei ステーキ 花郷
祇園店
KIYOMIZU 東山庭
(ヒガシヤマガーデン)
ふぐ・はも割烹
由兵衛
懐石 北瑞苑 網焼ビフテキ
小松屋
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

その他のグルメ・エンタメ関連の特典も、まとめて表で紹介しておこう。

特典・サービス名 特典・サービス内容
ゴールド・ワインクラブ 入手困難な希少価値の高いワインなどの紹介・購入が可能。
専用の電話窓口でエノテカ・
オンラインのソムリエやバイヤーに相談もできる。
ワイン購入時にギフトボックスが無料でサービスされる他、
1万1,000円(税込)以上の利用で送料無料に
新国立劇場優待 オペラ、バレエ、現代舞踊、演劇などの
舞台芸術を上演する新国立劇場で、
会員専用の先行購入、チケット郵送無料、オペラトーク
(演出家などによる作品解説)無料などの優待を受けられる
チケット・アクセス e+(イープラス)との提携により
さまざまなエンターテインメント
チケットの先行販売が提供される
ユニバーサル・スタジオ・
ジャパン(USJ)優待
専属のツアー・ガイドが人気アトラクションへ案内してくれる
「ユニバーサルVIPツアー
〜スーパー・ニンテンドー・ワールド〜」の申し込み枠を
アメックス会員向けに1日20名分確保。
また、人気アトラクションの待ち時間を短縮する
「ユニバーサル・エクスプレス・パス~プレミアム~」の
申し込み枠を1日10名分確保する
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

これらの特典のうち、レストランのコース料理が1名分無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」はお得度が大きく、特にグルメに関心のある人にはこのカードを選ぶ理由の1つとなるだろう。

メリット4,継続特典として合計1万8,000円相当のクーポン類が毎年プレゼントされる

「アメックス・ゴールドカード」では、2021年2月から2つの継続特典を新たに提供、開始した。一つはホテルクーポンで、もう一つはスターバックスのチケットとなる。それぞれ紹介しよう。

・「ザ・ホテル・コレクション」国内クーポン

毎年のカード継続時、先に紹介したゴールドカード会員向けの旅行予約サイト「ザ・ホテル・コレクション」の国内対象ホテルで2泊以上の予約時に使える1万5,000円分のクーポンがプレゼントされる。

クーポン利用の除外日はあるものの、「ザ・ホテル・コレクション」の通常特典である「館内施設100米ドル相当オフ」「部屋のアップグレード」と併用できるので上手に使えるとかなりのお得感がある。

対象ホテルは次の通りだ。

ANAインター
コンチネンタル
ホテル東京
ザ・キャピトルホテル
東急
ザ・プリンス
さくらタワー東京、
オートグラフ コレクション
ザ・プリンス
パークタワー東京
ストリングス
ホテル東京
インターコンチネンタル
ヒルトン東京 帝国ホテル東京
インペリアルフロア
東京
ステーションホテル
ホテルインディゴ
箱根強羅
ハイアット
リージェンシー
京都
ハイアット
リージェンシー
瀬良垣アイランド 沖縄
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

・スターバックス特典

毎年のカード継続時、「スターバックス コーヒージャパン公式モバイルアプリ」などで使えるドリンクチケット3,000円分(500円分×6枚)がメールで届く。

この2つの継続特典を合わせると1万8,000円相当となる。年会費とのバランスを考えると、毎年もらえる特典としてはそれなりに大きい金額といっていいだろう。

メリット5,最高1億円の海外旅行傷害保険の他、独自性の高い保険が付帯

「アメックス・ゴールドカード」の大きなメリットとなっているのが最高1億円の旅行保険だ。その他、アメックスならではの独自性の高い保険も提供されており、安心してカードを利用できる環境が整えられている。

・付帯保険1&2,海外最高1億円・国内最高5,000万円の旅行傷害保険……家族特約あり

海外旅行傷害保険の補償額は、利用付帯(旅行代金をカードで支払った場合に付帯)で最高1億円(傷害死亡・後遺障害)、自動付帯(カードでの支払いの有無にかかわらず付帯)で最高5,000万円となる。ただし、家族カード会員は最高5,000万円で利用付帯のみとなるので注意したい。

一方、国内旅行傷害保険は利用付帯のみとなり、補償金額は最高5,000万円(傷害死亡・後遺障害)。

海外・国内とも家族特約として、家族カードを持たない家族(配偶者ならびに生計をともにする家族)にも保険が適用される。

旅行代金をカードで決済した場合(海外)

保険金の種類 本会員 本会員の家族 家族カード会員 家族カード
会員の家族
傷害死亡・後遺障害 最高1億円 最高1,000万円 最高5,000万円 最高1,000万円
傷害治療費用 最高300万円 最高200万円 最高300万円 最高200万円
疾病治療費用 最高300万円 最高200万円 最高300万円 最高200万円
賠償責任 最高4,000万円
携行品損害 1旅行中最高50万円(免責金額3,000円・年間限度額100万円)
救援者費用 保険期間中最高
400万円
保険期間中最高
300万円
保険期間中最高
400万円
保険期間中最高
300万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

旅行代金をカードで決済した場合(国内)

保険金の種類 本会員 本会員の家族 家族カード会員 家族カード
会員の家族
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円 最高1,000万円 最高5,000万円 最高1,000万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

旅行代金をカードで決済していない場合(海外)*国内は補償なし

保険金の種類 本会員 本会員の家族 家族カード会員 家族カード
会員の家族
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円 最高1,000万円 補償なし
傷害治療費用 最高200万円
疾病治療費用 最高200万円
賠償責任 最高4,000万円
携行品損害 1旅行中最高50万円
(免責金額3,000円・年間限度額100万円)
救援者費用 保険期間中最高300万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

・付帯保険3,海外航空便遅延保険……最高4万円

海外旅行時に、航空機の遅延や欠航、手荷物の遅延や紛失などに伴い生じた宿泊費や食事代、衣類購入費などの出費が補償される。

保険項目 補償金額
乗継遅延費用保険金 最高2万円
出航遅延・欠航・
搭乗不能費用保険金
最高2万円
受託手荷物遅延費用保険金 最高2万円
受託手荷物紛失費用保険金 最高4万円
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

・付帯保険4,キャンセル・プロテクション……年間最高10万円

急なケガや出張などにより、予定していた旅行やコンサートなどをキャンセルした場合、その費用が年間10万円まで補償される(配偶者や子どもの傷害による通院が原因の場合は年間最高3万円)。

・付帯保険5,リターン・プロテクション……年間最高15万円

カードで購入した商品の返品を店舗側が受け付けない場合、1商品につき最高3万円、年間15万円までの範囲でアメックスから商品代金が払い戻される。

・付帯保険6,ショッピング・プロテクション(ショッピング保険)……年間最高500万円

カードで購入した商品が購入日から90日以内に偶然の事故により損害を被った場合、年間500万円まで補償される(免責金額1事故1万円)。

・付帯保険7,スマートフォン・プロテクション……年間5万円限度

所有するスマートフォンの破損時(スクリーンガラス割れも含む)、修理代金が年間で最大5万円まで補償される(免責金額1事故1万円)。対象となるスマートフォンは1台のみで購入後2年以内のもの。また、通信料を3ヵ月以上連続して「アメックス・ゴールドカード」で決済していることが条件となる。

以上の付帯保険のうち、注目したいのは海外・国内旅行傷害保険に家族特約が付いていることだ。ただし、海外旅行傷害保険における治療費用の補償金額は少し足りない感じがあるので、他のカードの付帯保険などと上手に組み合わせたい。

一方、リターン・プロテクションや年間500万円限度のショッピング・プロテクションなどは、高額商品のショッピングが多い人に大きな安心を与えてくれるものといっていいだろう。

3,アメックス・ゴールドカードのポイント還元率は?

「アメックス・ゴールドカード」のポイント還元率やその使い道、還元率を上げる方法なども紹介しておこう。

貯まるポイントと還元率……還元率は約0.3〜0.4%

貯まるポイントは「メンバーシップ・リワード」で、基本的にクレジット支払い100円ごとに1ポイントが付与。ポイント還元率は交換対象によって大きく変わるが、マイル以外の交換対象では約0.3〜0.4%と考えていいだろう。ポイントの有効期限は最大3年間だが、一度交換すると無期限となる。

貯まるポイント メンバーシップ・リワード
ポイントの貯まり方 100円につき1ポイント
通常還元率 約0.3〜0.4%
有効期限 最大3年間(1度交換すると無期限に)
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

ポイントアップの2つの方法……入会特典などで最大3万6,000ポイント獲得可能

ポイントアップの方法をここで2つ紹介しよう。

・方法1,入会特典の条件クリアによりポイントを獲得する

入会特典として、入会後3ヵ月で一定の合計利用額を超えるとボーナスポイントが付与される。

入会後3ヵ月以内 の合計利用額 ボーナスポイント
1万円達成 1,000ポイント
20万円達成 9,000ポイント
60万円達成 2万ポイント
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

60万円のカード利用があった場合、通常の獲得ポイントとして6,000ポイントもここに加わり、その場合、合計で3万6,000ポイントとなる。

家賃などをカード決済にすれば3ヵ月60万円という条件をクリアするのはそう難しくはないが、そうできない場合は、海外旅行や高額商品を購入するタイミングに合わせて入会するといいだろう。

・方法2,「メンバーシップ・リワード・プラス」への登録

年間3,300円(税込)を支払ってポイントアッププログラム「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録すると、対象加盟店でのポイントアップ(100円の利用につき3ポイント)やポイント利用時のレートアップが適用される。

ただし、有料ということもあり、カード利用の仕方によってはポイントアップ分よりも「メンバーシップ・リワード・プラス」の年会費が高くつくことがある。そこで、これについてはカード入会2年目以降に検討した方がよさそうだ。

ポイントの使い道……マイルへの交換なら最大1%還元

ポイントは賞品の他、各社ギフト券やマイルなどにも交換でき、また各種の支払いにも充当可能だ。なお、ANAマイルへの交換には「メンバーシップ・リワードANAコース」(年間参加費 5,500円・税込)への参加が必要となる。

参考までにここで一部の交換対象の交換レートを紹介しよう。参考までにポイント還元率も付記しておく(1マイル=2円相当として計算)。

交換・利用対象 必要ポイント 交換対象単位 ポイント 還元率
JALマイル 3,000ポイント 1,000マイル 0.66%
ANAマイル 2,000ポイント 1%
提携航空パートナー
15社のマイル
2,000ポイント 1%
ヒルトン・オナーズ ※ 2,000ポイント 1,250ポイント
マリオット ボンヴォイ ※ 990ポイント
楽天ポイント 3,000ポイント 1,000ポイント 0.33%
Tポイント
航空会社の支払いに充当 1ポイント 0.3円 0.33%
カード利用代金の支払い
ホテル・旅行代理店の支払い
アメリカン・エキスプレス・
トラベル オンラインの支払い
0.4円 0.4%
HIS アメリカン・エキスプレス・
トラベル・デスク
日本旅行の対象店舗
百貨店共通商品券 3,000ポイント 1,000円分 0.33%
Amazonギフト券
American Express
SafeKey参加加盟店
(マルイのネット通販、
ベルメゾンネットなど)
1ポイント 0.3円 0.3%
※ホテルグループのポイントは季節変動が激しいため、還元率算出から除外
(※アメリカン・エキスプレスのホームページを参照し筆者作成)

上の表でも分かるように、マイルへの交換なら1%還元も可能とはいえ、基本的にはポイント還元率がそこまで高いカードとはいえないだろう。

4,アメックス・ゴールドカードの3つのデメリット

他社のプラチナカードにも匹敵するサービスを一部含むハイスペックな「アメックス・ゴールドカード」だが、デメリットもある。

デメリット1,年会費が高額

他社のゴールドカードより特典・サービスが充実しているとはいえ、3万1,900円(税込)の年会費は決して安くはなく、この金額なら他社のプラチナカードも検討対象に入ってくる。アメックスならではの特典・サービスを十分に活用できない場合はこの年会費は割高に感じられるだろう。

デメリット2,加盟店が比較的少ない

国際ブランドとしてのアメックスは、VisaやMasterCardと比べると加盟店が比較的少なく、使いたいときに使えないことがある。日本ではJCB加盟店でも使えるのでそこまで不便はないが、海外ではVisaブランドかMasterCardブランドのクレジットカードと併用したいところだ。

デメリット3,ポイント還元率が高くない

ポイント還元率は0.3~0.4%とあまり高くないため、ポイントを貯める目的には向かない。ポイントを重視するなら、ホテルやレストランなどで特典や優待を受けるときだけこのカードを使い、日常的な利用には年会費無料の高還元率カードを使うといった工夫が要される。

5,アメックス・ゴールドカードの所有者の口コミ・評判は?

実際に「アメックス・ゴールドカード」を持っている人は、このクレジットカードについてどう感じているのだろうか?評判・口コミを見ていこう。

「アメックス・ゴールドカード」の良い評判・口コミ

「アメックス・ゴールドカード」のメリットとしては、旅行シーンで便利でお得という声が多く聞かれた。

T.Hさん|30代男性
営業職の会社員
海外旅行の出発・帰国時に、提携タクシー会社をチャーターで出来、送迎を割安な定額料金で利用でき、スーツケース1個無料で配送してもらえます。また、国内主要空港の空港ラウンジを同伴者含め無料で利用出来ます。旅行の手配については、「HISアメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク」への電話で、国内外の旅行が手配出来、会員限定オンラインサイトで幅広い選択肢から自由な旅のアレンジが出来ます。

T.Yさん|40代男性
農林水産業の団体職員
アメックスで貯めたポイントは、航空会社のマイルや、家電量販店のポイントに変えることができます。有料にはなってしまいますがポイントの有効期限が無期限になりポイント換算レートやマイル還元率がアップするメンバーシップ・リワード・プラスが便利。出張で飛行機を利用する場合無料の空港ラウンジが利用できる。

M.Tさん|50代男性
情報通信業の会社員
飛行機を頻繁に利用する方には、間違いなくメリットはあります。マイル1%の還元率、空港内VIPラウンジは無料、高級レストラン1名分の料金無料、フライトの急なキャンセル、イベントキャンセルを10万円まで補償など特典多数あり。それから家族カード1名までは無料というのもメリットの一つになると思います。安心感という観点ではコールセンターの対応も電話をかけると即出てくれ待遇の良さも挙げられます。

R.Wさん|30代男性
営業職の会社員
各個人がカードに何を求めるかで感じる点は様々だと思うが、私は以前、海外出張の頻度が高かったのでよく以下サービスを利用していた。
①スーツケースを無料で家⇄空港運んでくれる
②世界中の空港でラウンジ利用(プライオリティーパス)
③とにかくカード付帯の保険内容が充実(海外で携帯が破損した際に使用)
他にはカードがカッコいい、人に見せられるカード、信用があるように思われる。

K.Yさん|30代女性
事務職の会社員
旅行等に行く際に事前予約をすると、荷物を家から空港へ運んでもらえるサービスがあるため身軽に行ける。空港で通常のラウンジではなく、特別設けられた専用ラウンジにも入ることができるため、ゴールドカードを持っている優越感に浸ることができる。またアメックスの問い合わせコールセンターは非常に丁寧なのも好印象。

Mさん|30代女性
自営業卸売
旅行好きな方や、出張等で定期的に飛行機に乗る方はとても貯めやすく、使いやすいカードだと思います。年会費はかかりますが、よくキャンペーンで入会してカードを使用するとポイントがたくさんもらえたりします。ANAだと1ポイント1マイルに交換できるのでわかりやすいですし、カードを持っていると無料でラウンジが使用できたり、空港から自宅まで荷物を無料で配送してもらうことができ、とても便利だと思いました。

「アメックス・ゴールドカード」のデメリット・改善してほしいところ

一方ではやり高額な年会費は気になっている様子。「アメックス・ゴールドカード」の恩恵を十分に享受するためには、メインカードとして利用すること、ある程度の頻度で旅行することが必要なようだ。

T.Yさん|40代男性
農林水産業の団体職員
メインとして使用しないと年会費が高く感じる。私はマイルやポイントをためるためにメインで使用しています。意識して使わないと割高に感じてしまいます。 またアメックスが使えない店舗があります。都内では不便さを感じないのですが地方だと使えない所もあります。

Mさん|30代女性
自営業卸売
やはり年会費が少し高めなところが気になります。今のところはこのカードをメインに使っているので、日々活用していますが、使わなくなり、年会費だけ払い続けない様に気をつけないといけないなと思っています。また、意外と使用できないお店やサービスが多く、せっかくの大きな買い物でポイント貯められると思ったり、日々の光熱費等をこのカードを使おうと思っても選択肢に入っていないことがあり残念です。

R.Wさん|30代男性
営業職の会社員
デメリット(不便)と感じる点は以下です。
①年会費少々高い(29,000円+税)
②ポイント還元率が必ず1%とは限らない(公共料金支払い)
③アジア・ヨーロッパでは使えないところも多い
④色々と会員向けサービスあるが使わないものもある。超高級レストランの割引など

M.Tさん|50代男性
情報通信業の会社員
やはりこのクラスのカードなので、年会費は破格に高いです。通常のゴールドカード年会費を1万ほどと考えると、それの3倍。もとを取るにはカードの特典をフルに活用することが重要です。言い換えると、飛行機をあまり利用されない方は不向きと言えます。それからVISAなどと比較すると、海外では使える店舗数が少ないというのが実情なのでこの辺も理解された方がいいと思います。

K.Yさん|30代女性
事務職の会社員
年会費がとても高い。さまざまなサービスがありますが、海外旅行へも行きづらい場合、サービスを使えないことが多く 年会費分のサービスを受けることができない。ポイントは一定で溜まるが、ボーナスやキャンペーンのようなポイントがあまり無く、他のクレジットカードに比べてお得感は少ない。

T.Hさん|30代男性
営業職の会社員
特段デメリット・不便とは感じませんが、あまり海外旅行へ行かない方、国内旅行や国内及び地方都市での利用が多い方にはそれ程のメリットは感じないと思います。特に地方都市では、提携先の飲食店、ホテル等が限られてきます。年会費が3万円近いというのも若干のネックです。

6,アメックス・ゴールドカードはどんな人におすすめか?

3万1,900円(税込)の年会費は、ゴールドカードとしては割高だ。しかし、空港ラウンジサービスやレストラン優待を活用できれば年会費以上のお得となり、むしろリーズナブルな1枚となる。

海外旅行の多い人、高級ホテルやレストランの利用の多い人なら、ゴールドカードとしては最高クラスの特典・サービスが充実している「アメックス・ゴールドカード」を有効に活用できるはずだ。

執筆・モリソウイチロウ(ライター)
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカード分野では専門サイトでの執筆経験もあり。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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