コロナ禍において飲食店が相次いで閉店に追い込まれる中、不動産経営の環境は非常に厳しくなっています。そのため、金融機関も不動産投資ローンの融資審査を以前よりも厳しい目線で行う可能性があります。コロナ禍においても不動産投資ローンの審査に通過するためには金融機関が「融資をおこなっても安心」だと判断できる物件をよく選んで投資をすることが非常に重要です。
コロナ禍における不動産経営のリスクと、融資審査に通過するためのポイントについて詳しく解説していきます。

コロナ禍の不動産投資の4つのリスク

コロナ禍で不動産投資ローンの審査は厳しくなった?金融機関が懸念すること
(画像=only_kim/stock.adobe.com)

コロナ禍において、不動産投資環境には変化が生じています。
次の4つのリスクが上昇したことによって、以前よりも厳しい目線で審査されるケースも多いでしょう。

・家賃相場の下落
・空室率の上昇
・地価の下落による担保割れ
・不景気による家賃の滞納

これら4つのリスクは商業用不動産で特に上昇していると言われています。
コロナ禍における不動産経営の4つのリスクについて詳しく見ていきましょう。

家賃相場の下落

景気の悪化や人口の減少、地域の共有過多などによって周辺地域の家賃相場が下がると、入居者確保のために投資物件の家賃を引き下げざるを得なくなります。
コロナによって飲食店をはじめとする店舗が相次いで閉店していることから、商業物件はかなりの空きが出始めています。

空き物件が増えると受給バランスのために当然家賃は下がってきます。
今後、コロナ禍による不景気が飲食店を中心として、物件の空きがさらに増えていけば家賃が下落し、不動産投資における収益を確保することが難しくなるリスクがあります。

空室率の上昇

コロナ禍によって景気が悪化すれば、投資物件の空室率が上昇する懸念があります。
居住用賃貸物件は景気の悪化によってすぐに空きが出ることはありませんが、商業物件に関してはすでに空きがかなり出ています。

当然ながら物件に空きが出れば家賃収入の確保ができないので、家賃収入よりも借入金の返済の方が大きくなってしまい、借金返済が不可能になる可能性があります。
今投資をしても、コロナ禍による不景気が深刻化していけば、現状の家賃収入を維持することが難しくなるということは十分に考慮しておくべきでしょう。

地価の下落による担保割れ

新型コロナウイルスの影響で不動産市況が悪化すれば、不動産価格も下落します。
現に、海外の中にはコロナウイルスの影響で不動産価格が下落している国も出始めています。
不動産価格が下落すると、銀行の担保評価額も下落します。
担保評価額を融資残高が下回ることを「担保割れ」と言いますが、担保割れになると万が一の場合に銀行は融資残高全額を回収することができません。

担保割れの物件に対する融資は銀行にとってリスクが高いので、担保割れの融資に対しては金利を引き上げることがあります。
今後、不動産価格が下落していくと担保割れになり、不動産投資ローンの金利が引き上がってしまうリスクに注意しなければなりません。

不景気による家賃の滞納

居住用の賃貸物件は商業用物件と比較してコロナ禍の影響は小さいですが、居住用の不動産には入居者の家賃の滞納リスクがあります。
コロナによって仕事を失った人、収入が減ってしまった人は多数存在するので、入居者の中には家賃を支払うことができない人がいるかもしれません。

家賃を滞納されたとしても、借入金の返済はやってくるので場合によっては借入金の返済が不可能になる可能性もあります。
居住用住宅に投資している人も、入居者の家賃の支払いには注意しましょう。

コロナ禍でも不動産投資ローンの審査に通過するには

商業用不動産中心として、不動産投資環境は以前よりも厳しさが増しており、その分金融機関の融資審査のハードルが高くなっています。
金融機関の審査にスムーズに通過するためには次の4つのポイントを抑えて借入申込を行いましょう。

・自己資金を3割程度用意する
・築浅物件に投資する
・実質利回りの高い物件に投資する
・取引履歴のある金融機関へ申し込む

不動産投資ローンの審査にスムーズに通過するために抑えるべき4つのポイントについて詳しく解説していきます。

自己資金を3割程度用意する

自己資金を総額の3割程度用意すれば審査に通過できる可能性はかなり高くなります。
自己資金分だけ担保評価額に余裕ができるので、自己資金が多い物件へのローンは金融機関にとって有利な融資になるためです。

例えば、3,000万円の物件購入のために1,000万円の自己資金を用意し、2,000万円借りた場合には金融機関は2,000万円の融資に対して3,000万円の担保を取得したことになります。
これだけ担保に余裕があれば、万が一の時も融資金を回収できる可能性が高いので、金融機関にとってはリスクの低い融資だということができます。
スムーズに審査に通過するためには、投資総額の3割程度の資金を手元に用意してから申し込みをしましょう。

築浅物件に投資する

できる限り築浅の物件に投資した方がよいでしょう。
築浅の物件は高い家賃を長期間継続させることができ、空室率も低めに持続させることができます。
古い物件の方が売買価格は安いので購入当初は利回りが高くお得に感じますが、家賃が下がるのが早く空室率も高くなりがちです。
コロナ禍のような不景気時には特にそのような傾向が強くなるでしょう。

また、築浅物件の方が担保評価額が高いので銀行が融資しやすくなるメリットもあります。

実質利回りの高い物件に投資する

当然ながら実質利回りの高い物件の方が審査に通りやすくなります。
例えば、3,000万円の投資に対して実質利回り3%であれば年間90万円の収益ですが、実質利回り5%の物件なら150万円の収益です。

高収益物件の方が返済できる可能性が高くなるので、銀行も安心して融資を実行することができます。
不景気においても、収益力のある物件に対して銀行は「融資をしたい」と考えています。
できる限り利回りの高い物件へ投資を行いましょう。

取引履歴のある金融機関へ申し込む

不景気時の不動産投資ローンの申し込みは、これまで取引のある金融機関へ申し込みましょう。
不景気時の不動産投資ローンは銀行にとってリスクの高い融資の1つだと言われています。
景気が悪い時には、不動産価格の下落や家賃収入の減少によって投資そのものが失敗するリスクが高くなるためです。

ただでさえリスクの大きな投資資金をこれまで1度も取引をしたことがない人に融資をすることは金融機関にとって大きなリスクになります。
これまで不動産投資ローンを利用しており、問題なく返済することができている人であれば、金融機関から一定の信頼を得ることができているので、審査に通過できる可能性があります。
コロナ禍のような不景気のときこそ、信頼関係構築できている金融機関へ相談しましょう。
また、不景気時にも融資を受ける金融機関を確保するためにも、日頃から金融機関との信頼関係の構築に努めることは大切です。

不景気時には投資のチャンス|優良物件を探し確実に審査に通過しよう

コロナ禍によって、商業用不動産中心として確かに不動産投資のリスクは高まっています。
しかし、収益力の高い物件への投資で、自己資金を用意し、信頼関係が構築されている金融機関へ相談することで審査に通過できる可能性はあります。
コロナ禍のような不景気時こそ、優良物件を安価で購入できるチャンスでもあるので、割安な物件を探してみるとよいでしょう。

(提供:Incomepress



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