3日、ビットコインのマイニングにおける難易度調整が行われた。今回は27.94%の易化となり、過去最大のマイナス調整になった格好だ。

これまでの最大マイナス調整は2011年10月の18.03%であるため、それを約10 %も上回ったことになる。また、マイナス調整は今年5月30日以降、3回連続となった。

ビットコイン
(画像=月刊暗号資産)

難易度調整はビットコインのブロック生成速度が約10分になるよう調整される。しかし、今回の調整時には1ブロックの生成速度は平均13分53秒であったことから、大幅に遅延していたことがわかる。

これほどまでの大幅調整の背景には、中国における暗号資産規制の強化が挙げられる。特に四川省や雲南省など、マイニング拠点が集まる地域において規制が強化されており、マイナーの撤退が余儀なくされている状況だ。

これに伴いハッシュレートも急落。5月13日の時点では179.25 EH/sあったが、一時は80%を下回る様相を描いた。

記事執筆時点では93.35 EH/sまで回復しており、中国から拠点を移動し始めているマイナーがマイニング再開に至れば、さらなる改善にも期待ができる。

一方で、マイナーの収益率については大幅に改善している様子がうかがえる。

記事執筆時点のハッシュレートに対する1日あたりの収益率は0.315となっており、昨年同月の収益率である0.076と比較すると、約4倍以上の数字となる。また、これは今年2月の水準に近いもので、この時のビットコイン価格は500万円前後、収益率は0.309だ。

現在は約380万円を推移しているが、それでもこの数字を上回った理由としては、ビットコインのマイニングの多くを占める中国マイナーが撤退したことで競争率が低下したことに加え、難易度調整によって採掘がしやすくなったことが挙げられる。

今後しばらくは中国マイナーの撤退が続くものとみられ、移転したとしても再開に一定の時間を要することから、ハッシュレートの不安定な状況は継続する可能性が高い。その間、中国外の既存マイナーは変わらずマイニングを行えるため、ビットコイン価格次第では収益率もさらに上昇する可能性があるだろう。(提供:月刊暗号資産