本記事は、本田健の著書『お金に困らない「答え」』(セブンイレブン限定発売、プレジデント社)の中から一部を抜粋・編集しています

お金はあなたが思いもしない感情を引き出す

お金,装置
(画像=Elnur/PIXTA)

お金には、持つ人の感情が反映されると先にお伝えしました。

みなさんが素晴らしい人なら、お金はみなさんをより素晴らしい人にします。

逆に意地悪だったなら、お金が入ることで、前より意地悪な人になるでしょう。

お金は、人の感情や性格を増幅させる装置なのです。

不安な気持ちも同じです。例えば、いま財布に10万円が入っていると、あまり不安な気持ちにはならないと思います。

でも、急にカバンに1000万円を入れていたら、どうでしょうか?

1000万円がもたらす安心感を抱きながらも、その1000万円を「失ってしまうかもしれない」という不安の気持ちが出てくるのではないでしょうか。

わたしがまだ中学生の頃、トラックの運転手が道端で1億円を拾ったというニュースがありました。その人は1億円を拾って、まず交番に届けました。でも、結局持ち主は現れず、しばらくしてその1億円をもらうことになりました。

道端で拾った1億円はどう考えても、筋(すじ)のいいお金でないことはあきらかです。そこでどんな行動に出たかというと、まずボディガードを雇ったのです。

世の中には1億円を家に置いていてもなんとも思わない人がいる一方で、1億円を手にすると、すぐにボディガードを雇う人もいるということです。

そのことが、中学生のわたしにはとても印象的でした。

つまり、経済的な豊かさを十分に管理できて、受け取れる力がなければ、そのお金は逆に人をひどく不安にさせる可能性があるということです。

もし、あなたの家のタンスのなかに1億円の現金があるとして、ぐっすりと眠れるでしょうか?これは宝くじの当選者の身に起きる運命と同じです。ある日突然、数億円が口座に入金されたら、あなたはどんな気持ちになるでしょう?

お金は、あなたが思ってもみなかった感情を引き出します。

自分がふだん気づいていない感情や欲望が、お金によって突然引き出されることがあると、ぜひ理解してほしいと思います。

パンデミックを機に、今後たくさんの経済変動が起きる可能性が高まっています。みなさんのまわりでも、ビットコインで大儲けをする人が出てきたり、株価が上がって新車を買ったりする人が現れるかもしれません。そんな人の言動やS「儲けたい」などと、気持ちNSなどに触れるたびに、「自分も流れに乗りたい」が揺さぶられ続けます。

でもそんな感情は、たいていの場合、お金がきっかけとなって不安が引き出されているだけです。そうしてお金にマイナスの感情を増幅させられると、おかしな投資をしたり、変な儲け話に乗ったりしてしまうのです。

お金に困らない「答え」
本田健(ほんだ・けん)
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活ののち、執筆活動をスタート。人気YouTube番組「本田健の人生相談~Dear Ken~」は4700万ダウンロードを記録する。2019年には初の英語での書き下ろしの著作『happy money』を刊行、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、ロシアなど世界40カ国以上で発売されている。著書は『ユダヤ人大富豪の教え』『20代にしておきたい17のこと』(ともに大和書房)、『きっと、よくなる!』(サンマーク出版)など多数。毎月980円で本田健書き下ろしの1冊が読める「本田健書店」が2020年からスタートしたほか、大好きなことをやっていきたい仲間が集まる「本田健オンラインサロン」も好評を博している。

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