森ビルの戦略
虎ノ門ヒルズを手掛けた森ビルの動向も気になるところです。森ビルは港区を中心に再開発事業を行ってきていることは有名な話です。六本木ヒルズ、愛宕ヒルズなども森ビルが手掛けています。2014年6月4日に行われた記者会見で森ビルの辻慎吾同社社長は、虎ノ門や六本木などがある港区で今後10年において10件、事業規模にして1兆円の大型プロジェクトを計画していると述べています。
虎ノ門ヒルズの総事業費が2,340憶円ですから、1兆円ともなると単純計算でも虎ノ門ヒルズ級が4棟もできるわけです。合計で22ヘクタールの区域に高層ビルを建設、再開発において想定している延べ床面積は約220万平方メートルで、オフィスや商業施設、約3,000戸の住宅を組み込む予定です。虎ノ門ヒルズの虎ノ門ヒルズはその出発点に過ぎないと言って良いでしょう。森ビルは国家戦略特区については港区中心のエリアでプロジェクトを実施する事業者としても公募しています。ビルを単体で開発するのではなく、都市としての機能も考え、街全体として開発していく森ビルが、虎ノ門エリアをどのように手掛けてくのかは注目してきたいところです。
2020年にむけてまだまだ変わる
国家戦略特区に該当地域、森ビルによる1兆円にも及ぶ超大型再開発だけではありません。東京都は新橋・虎ノ門築を「アジアヘッドクォーター特区」の1つに位置付けており、外国企業の誘致を目指しています。これらの計画が1つずつ実行されていけば、虎ノ門エリアが大きく変わることは間違いないでしょう。
森ビルの他にも、森トラストが虎ノ門バストラル跡地で大規模複合施設を計画、都市整備機構が虎の門病院などのビル3棟を一体整備し、高層ビル2棟に建て替える計画です。気になる地価動向ですが、地価公示は平成21年の870万円/㎡をピークに年々下がってきており、平成25年には508万円/㎡になっています。しかしながら国土交通省が四半期に1度発表する「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」では、虎ノ門エリアでは将来の不動産価格の上昇を見込む不動産開発会社が積極的な投資姿勢を見せていることや、地価動向が上昇傾向で推移していることが述べられています。下がり続けていた地価が虎ノ門ヒルズの開業を転機に反転し、緩やかな上昇を続けそうです。個人ではなかなか直接投資できないエリアですが、森ビルがスポンサーになっている森ヒルズリート投資法人< 3234 >を保有してみるのも1つの手段ではあります。
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