注文住宅を検討している人は、内装にこだわりたいという人が多いのではないでしょうか。内装に囲まれて暮らすわけですから、素敵なものを作りたいですね。しかし、いざ打ち合わせを始めると、素材や色などの選択肢が多すぎてなかなか決められないかもしれません。そこで本記事では、内装が好みのものへと自然にまとまっていくためのポイントをお伝えします。
目次
お気に入りのテイストはどれ?
まずはインテリア雑誌や住宅関連サイトを見て、気に入ったテイストを見つけましょう。参考にする部屋があればイメージはどんどん湧いてくるはずです。家具や小物を含めた全体的な雰囲気で構いません。
おもなテイストには次のような種類があります。
北欧スタイル
白やベージュなど淡い自然なカラーをベースにしたシンプルな作りが特徴です。家具には天然木が使われていることが多く、自然な優しさが日本人の人気を集めています。直線的で都会的、洗練されたイメージです。
フレンチスタイル
北欧スタイルとは対照的に、クラシカルで重厚なイメージです。曲線を多用したエレガントな雰囲気は特に女性から人気があります。あえて古めかしいデザインと上質さを共存させた「シャビー」なインテリアとも好相性です。
カリフォルニアスタイル
明るい海や空を連想するアメリカの西海岸をイメージしたスタイルです。アウトドアやサーフィンが連想されるような、ラフな質感がよく似合います。明るいブルーや自然なグリーンを使った爽やかな色使いも特徴です。
カントリースタイル
田舎のような素朴さが温かみを感じさせるスタイルです。ベースカラーを白や天然木の茶色とし、落ち着きを与えてくれます。
他にもアジアン、モダン、ブルックリン、ナチュラル、シンプルなどさまざまなスタイルがあり、それぞれに細かい分類もあります。いろいろとサンプルを見てみるのも楽しいですよ。
基本のカラーコーディネートはこう考える
あまり多くの色を使うと統一感がなくなってしまいます。とはいえ1色では単調になりすぎて疲れてしまうでしょう。カラーコーディネートのコツは3つの色を配分よく組み合わせることです。
その理想的な比率はベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%といわれています。これを目安として実際の見え方によって調整していきます。
ベースカラー
ベースカラーは部屋の全体的なイメージを作り出す色です。床や壁、天井など広範囲にわたって使われます。白やベージュ、薄茶色など明るい色にすることが多いです。
メインカラー
メインカラーはソファーやカーテンなどに使います。部屋の色彩を印象付ける役目を果たします。茶色や黒など落ち着いた色が使われることもありますが、緑や黄、ピンクなどビビットな色で個性を出す人もいます。
アクセントカラー
アクセントカラーはクッションや小物などに使います。赤や黄色など、目を引きつけるような目立つ色にすると効果的です。
組み合わせは色相環を意識する
組み合わせのコツは色相環を意識することです。色相環とは色を光の波長の順番で円状に並べたもので、配色を考える際に参考にされます。向かい合った色を反対色、両隣など位置的に近い色を類似色と言います。
色を決めるもう1つの要素に色調があります。トーンとも呼ばれ、明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)をまとめた概念です。
色相環上で同じ色を、色調を変えて組み合わせた同系色コーディネートは、初心者にも統一感を出しやすく、グラデーションで奥行きを見せることができます。同じ色調の類似色でまとめると、自然で安心感のある仕上がりになります。
アクセントカラーに反対色を入れると、二つの色がお互いに引き立て合うことができます。また色相環の中のさまざまな色を組み合わせたい場合は、色調をそろえると統一感が出ます。
素材は床→壁→照明の順序で決める
まず、テイストに合った内装素材をひとつずつ決めていきますが、インテリア雑誌などで見たサンプルを参考にするとまとまりやすいでしょう。ただあまりとらわれず、予算と相談しながら気に入ったものを選んでください。
全体的なイメージから直感的に決めても構いませんが、部屋を印象づける中心となる床から順番に壁、照明と選んでいくと決まりやすいでしょう。
床
床材の種類にはフローリング、カーペット、クッションフロア、タイル、畳などがあります。特に人気が高いのは天然木から切り出した無垢フローリングです。数種類の木材を組み合わせた複合フローリングよりも高級感があり、年月が経つにつれて味が出てくるよさがあります。
クッションフロアは庶民的な見た目になりますが、安価で水や汚れに強いという特徴があります。柔らかいこともあり小さいお子さんがいる家庭にいいかもしれません。床が決まったら、それに合わせて窓やドアなども決めていきます。
壁
壁紙にもさまざまな種類があり機能や質感、価格が異なります。住宅で最も一般的に使われているのはビニールクロスです。安価で色やデザインなどのバラエティも豊か、汚れに強いといった特徴があります。
珪藻土壁紙は柔らかな雰囲気を持った素材で、吸湿性や消臭性など機能面におけるメリットもあります。ちなみに珪藻土とはプランクトンの化石のことをいいます。
壁紙ではなく壁に直接塗る漆喰にも吸湿性・消臭性の他、耐久性や耐火性など、さまざまな機能があるといわれています。職人さんによる施工のため少し高価ですが、重厚感が演出でき、自然な風合いにも魅力があります。
壁の色は暗い色だと落ち着きがあり、床よりも明るい色だと開放感が出ます。壁紙は必ずしも全面同じものにする必要はありません。一箇所だけ色を変えてメインカラーにしたり、ポイントに柄物を入れたりしてもよいでしょう。
照明
照明も部屋の印象を決めるポイントになります。天井に直接つけるシーリングライトは後から交換できますが、天井に埋め込むダウンライトや壁につけるブラケットライトなどは完成後に取り付けようとすると工事が必要になるので、内装を決めるまでに希望を出しておきましょう。
シャンデリアの形にこだわりたいという人は、インテリアショップを巡ってみるのもよいかもしれません。
部屋全体の統一感
シーリングライトと同様に、カーテンやインテリア家具などは住宅が建ってからでも取り替えられます。ただ、内装の打ち合わせ段階で決めれば、工務店やハウスメーカーからアドバイスがもらえこともあるので、より統一感を出すことができるでしょう。
特にカーテンやソファーなどはメインカラーとなることが多く、部屋の印象に大きく関わります。インテリア家具のデザインや色味などもテイストを形作るものです。部屋全体の雰囲気と調整しながら最適なものを選びましょう。
また少し上級者向けですが、素材や色の一部をあえて変えることによって動きや遊び心を演出することができます。何か思いついたら「こんなことをいってはおかしいかな」など考えずに、アイデアを出してみましょう。設計者も感心するようなすてきな住宅ができ上がるかもしれません。
テイストを決めつつ好みに合わせて柔軟に
部屋のテイストには北欧スタイルやフレンチスタイルなど数十種類があり、内装を考える上で参考になります。目指すスタイルをインターネットや雑誌などで見つけ、イメージをつかみましょう。
カラーコーディネートは使用する色を3色にしぼり、比率を意識するとまとまりやすくなります。素材は「床 → 壁 → 照明 → インテリア」の順で決めていくのがおすすめです。統一感を出しながら1つひとつ順序良く内装を決めていきましょう。
一生に1度あるかないかの家づくりです。内装にも思いっきりこだわって、理想の住宅を作ってみませんか。
(提供:タツマガ)
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