注文住宅で失敗しないために。後悔しない家づくり(間取り)のポイント
(画像=YCDS/stock.adobe.com)

注文住宅づくりを成功させるための必須条件はいくつかあります。そのなかで、とくに重要度が高いのが「間取り」です。家族のライフスタイルと間取りがフィットしていないと、いくら素敵な住空間になっても「暮らしにくい」と感じてしまいます。ここでは、間取りを失敗・成功の両方の視点から考えることで、後悔しない家づくりに役立つ情報をお届けします。

目次

  1. 注文住宅の間取りの失敗ランキング
    1. 1位:広さの失敗
    2. 2位:収納の失敗
    3. 3位:配線の失敗
  2. 間取りで失敗しないためには業者選びが重要
  3. 間取りで成功するのに欠かせない5つのポイント
    1. ポイント1:納得するまで何度も直してもらう
    2. ポイント2:住みたい家を脚本で表現する
    3. ポイント3:要望を整理しておく、優先順位をつける
    4. ポイント4:「感覚的な表現」はできる限り具体化する
    5. 成功ポイント5:数十年後の生活変化をイメージする
  4. 注文住宅の間取りを通して、家族らしさやこれからの理想を表現

注文住宅の間取りの失敗ランキング

注文住宅を建てた後に、「間取りで失敗した」というケースは少なくありません。ただ一口に「間取りで失敗した」といっても、内容は実にさまざまです。はじめにその内容を確認したいと思います。

大手不動産情報サイトのSUUMO(スーモ)が行った、過去5年間で注文住宅を建てた161人の声を集めた「間取りの失敗ランキング」の結果は次の通りです。

1位広さの失敗43%
2位収納の失敗39%
3位配線の失敗37%
4位明るさ・温度・湿度の失敗<35%
5位音・においの失敗20%
6位動線の失敗17%
7位視線の失敗8%

(引用:SUUMO「先輩161人に学ぶ!間取りの失敗ランキング」)

※複数回答可、2020年9月実施

「間取りの失敗ランキング」のなかでも、上位ベスト3の内容をさらに具体的に見ていきましょう。

1位:広さの失敗

「広さの失敗」については、「どのスペースの広さで失敗したか」はケースバイケースです。たとえば、夫婦2人で使うにはキッチンが狭すぎた、あるいは、リビングの隣にある和室をなくしてリビング自体をもっと広くすればよかったという声があります。

そのほか、スペースが狭い失敗だけでなく、逆に「リビングが広すぎた」というような意見もあります。

2位:収納の失敗

「収納の失敗」では、必要なスペースは確保したものの、実際には使い勝手が悪かったという意見が目立ちます。また「収納スペースは確保したが、使いたい場所と収納場所に違いが生じた」との意見がありました。

3位:配線の失敗

「配線の失敗」では、コンセントの数が足りない、コンセントの位置が悪いという声が目立ちます。コンセントは日常的に使うものなので、使い勝手が悪いと大きなストレスを感じやすいのかもしれません。

間取りで失敗しないためには業者選びが重要

では、注文住宅を建てた人が「間取りで失敗した」原因はどこにあるのでしょうか。これについては「机上の間取りでは、実際の生活や動線のイメージがつかないこと」が大きいと思われます。

またハウスメーカーや工務店がプロとして適切なアドバイスをしなかったり、顧客からの意見をうまく汲み取れなかったりすることも原因として考えられるでしょう。

注文住宅の間取りで失敗しないためには、「施主の要望をしっかり聞く、一方でプロとして適切なアドバイスをしてくれる」そんなハウスメーカーや工務店との出会いが必要です。

間取りで成功するのに欠かせない5つのポイント

注文住宅を建てた経験者の意見などをもとにした「間取りで成功するための5つのポイント」を紹介します。

ポイント1:納得するまで何度も直してもらう

注文住宅の間取りで成功した施主には、ハウスメーカーや工務店に対して「何度も直しを指示した」という人が目立ちます。たとえば、タツミ・プランニング公式Webサイトの「お客様の声」をチェックすると、以下のようなコメントが並んでいます。

施主1コメント
こちら側の設計要望が多く、何回も考え直していただきありがとうございました。限られたスペースの中で満足いく間取りになりました。

施主2コメント
間取りは何回も何回も設計しなおしてくださったので、とても満足しています。

施主3コメント
設計にはずいぶんとご苦労いただいた。結果的には玄関とダイニングは、現在の位置でよかったと思っている。ありがとうございました。

間取りで失敗したくない人は、上記の人たちのように間取りで妥協しないことが大事です。

ポイント2:住みたい家を脚本で表現する

主婦の友社が編集・発行した『必読版 最高の家をつくる「間取り」のコツ112』では、間取りをつくる上で大切なこととして、いくつかのポイントを挙げています。そのなかの1つに「住みたい家の脚本をつくる」というものがあります。

私たちが間取りを考えるとき、「○畳」「○LDK」のような条件で考えてしまいますが、この本では「生きた自分の言葉」で考えることが大切だと提言しています。具体例としてリビングのイメージでは「家事の合間にキッチンガーデンを見ながらコーヒーブレイク」のような例を挙げています。

もちろん、最終的には「○畳」「○LDK」のような希望条件の設定も必要だとは思いますが、「生きた自分の言葉」を設計士にぶつけることで、思ってもいなかった提案が受けられるかもしれません。

ポイント3:要望を整理しておく、優先順位をつける

満足度の高い間取りをハウスメーカーや工務店に提案してもらうには、「こちらの要望をしっかり伝えること」が前提になります。ただし、家族みんなの要望をやみくもに伝えても、業者が混乱する可能性もあるため、事前に整理しておくのが理想です。

整理する流れとしては、まず家族それぞれの要望をいったん集めた上で、優先順位をつけるとよいでしょう。それを簡単なメモにまとめておいて、打合せ当日に業者に伝えるとスムーズです。

ポイント4:「感覚的な表現」はできる限り具体化する

注文住宅の間取りで成功するには、感覚的な表現を鵜呑みにするのを避けるべきです。たとえば、家をつくる上で重要な感覚の「空間の広さ」「室内の暑さ・寒さ」「うるさい・静か」などの感じ方は、性別・年齢・体質などによって大きく変わってきます。そのため、ひとつひとつ丁寧に確認していくのが大切です。

一例では、ハウスメーカーや工務店が「ご家族の人数を考えれば、これくらいの広さのリビングがあれば十分だと思います」といったアドバイスをしてきても「本当にそうだろうか」といったん立ち止まって考えてみましょう。

「今よりも家族が増えても広さは十分ですか?」「子どもが独立したら広すぎませんか?」など、疑問をぶつけることでそれぞれの家族に合った間取りにブラッシュアップされていきます。

成功ポイント5:数十年後の生活変化をイメージする

注文住宅の間取りを考えるときには、現時点の感覚でイメージしがちです。しかし、現在、10年後、数十年後では家族それぞれが住空間に求めるものは変化します。それをきちんとイメージした上で間取りを考えることが大切です。

とくにお子さんがいらっしゃる人、これからつくる予定の人は子どもが独立したときのことを想定しておくべきでしょう。くれぐれも「先のことはそのとき考える」といった考え方は避けるべきです。数十年後の未来は意外にすぐやってきます。

注文住宅の間取りを通して、家族らしさやこれからの理想を表現

同じ敷地や同じ家族でも、家の間取りが変わっただけで、家族の関係や生活の快適性は大きく変わります。それくらい間取りは重要な存在です。

先ほども触れましたが、注文住宅の間取りは「納得するまで直してもらう」くらいの気持ちが必要なのです。遠慮することなく、納得できるまで直してもらいましょう。そして間取りを通して、家族らしさやこれからの家族の理想像を表現してみてください。

(提供:タツマガ

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