⼀軒家を購入するとき、エリア(地域)はどうやって決めるの?
(画像=Dariusz Jarzabek/stock.adobe.com)

一軒家の購入にあたってはその希望する暮らし方(ライフスタイル)によって、住むエリア(地域)の選択も変わってくるかと思います。また、都市部か郊外かという選択でも、どちらがよりライフスタイルに適しているかは、その地域の特徴を知ることでも見えてきます。そこで本記事では、エリアを決める際の考え方を解説いたします。

目次

  1. 都市部と郊外の地域の特徴を知る
  2. 地域を選ぶポイント
    1. 家族構成と仕事で考える
    2. コロナ禍によりワークスタイルが変化してきている
    3. いままで育ってきた環境から考える
    4. 好きなことができる環境で考える
    5. 不動産価値を維持することを考える
  3. 長期的なライフスタイルをしっかり検討して地域選びをするようにしましょう

都市部と郊外の地域の特徴を知る

都市部と郊外と聞いてどんな場所をイメージするでしょうか?日本ではあまり明確な定義がないようですが、都市部は主要駅を中心に交通などの利便性が良い場所、郊外はその都市部から離れた緑が豊かで、一戸建ての住宅が多い場所と定義するとイメージしやすいでしょうか。

都市部と郊外をそのいくつかの特徴ごとに比較してまとめてみます。

<都市部と郊外の特徴>

特徴 都市部 郊外
交通網 ・公共交通機関が充実している
・通勤時間が短縮できる
・公共交通機関が少ない
・通勤に時間がかかる
・車がないと不便
教育環境や周辺環境 ・教育関連施設が充実している
・美術館や博物館などの文化施設や病院が多い
・緑が少なく公園の面積は小さい
・自然が多く子育てしやすい環境
・静かな環境が多い
・子育て世代同士といった割と近い世代の家族が集まりやすい
お店や商業施設 ・飲食店やスーパーなどの種類や店舗数が多い ・郊外型のショッピングセンターに集約されていたりする
・都市部と比較して種類や店舗数は少ない
治安・防災 ・騒音などが発生しやすい
・豪雨などで下水の処理能力を超えて冠水するなどの「都市型水害」のリスクがある
・比較的治安がよく静かな住宅街が多い
・災害時に計画停電の対象地域になりやすい
住まいの建物 ・マンションのような集合住宅が多い
・コンパクトな造りの戸建てが多く、近隣と密集している
・車を所有する場合、駐車場代が高い
・都市部より土地が広く、子育て世代にも住みやすい物件が多い
・距離をとっている戸建て物件が多い
・車を複数台所有できる物件も多い

地域を選ぶポイント

都市部と郊外の地域の特徴が分かったところで、次に地域を選ぶ上での考えるポイントを見ていきましょう。

家族構成と仕事で考える

今、家族構成は多様化しています。単身世帯、子育て世帯、DINKSを含めた共働き世帯、2世帯同居など家族の在り方はいろいろです。なかには2世帯に兄弟姉妹が一緒に住んでいる2.5世帯という家族もあるようです。

単身世帯であれば、仕事や生活の利便性を中心に地域を選ぶことができます。また子育て世帯であれば学校や周辺環境なども考慮して地域選びをする必要もありそうです。

一人であれば自分だけで選べることも、家族がいる世帯の場合、同じ家族といっても価値観が同じとは限りません。特に「生活の利便性」と「広い住環境や自然豊かな静かな周辺環境」というのは相反する関係の傾向にあります。

どちらにより重きを置くか、家族でよく検討してバランスをとる必要があります。

コロナ禍によりワークスタイルが変化してきている

また、近年ではコロナ禍の影響もあり仕事のスタイルも変化してきています。テレワークを導入する企業も増えてきているようです。テレワークはインターネットなどの情報通信技術を活用して、オフィスに出向かずとも離れた場所で仕事をすることです。

テレワークの働き方により、通勤時間短縮のためにオフィスに近い都市部に住むことが必ずしも必要でなくなってきています。実際、これまで東京都は他の都道府県と比較して常に他県からの転入超過が続いていましたが、2020年5月を始まりに2020年7月以降は転出超過が続いています。

1都3県と呼ばれる他の神奈川県、千葉県、埼玉県は比較的転入超過を維持している傾向とは対照的です。テレワークも可能な広い戸建ての物件を求めて、東京都心から郊外への流れがあるのかもしれません。

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(画像=1都3県別転入超過数)

出典:総務省 住民基本台帳人口移動報告2020年4月から2021年2月の結果に基づき作成

いままで育ってきた環境から考える

人は育ってきた環境の影響を受けやすい面もあります。もともと都市部で育ってきた人は、郊外の利便性が低い場合に不満になるかもしれません。

一方で、郊外で育ってきた人にとっては都市部の密集した感じがストレスになるかもしれません。住めば都とはいいますが、長年育ってきた環境と異なる環境に慣れるのには時間がかかることでしょう。

また、すでに住んでいる地域のコミュニティーに溶け込んでいるのであれば、そこから離れて違う地域で一から新たなコミュニティーとの関係を築くよりも、少しでも現在の地域、もしくはその近いところに住み続けられたほうが余計な苦労をしなくてもよいかもしれません。

好きなことができる環境で考える

ライフスタイルのなかで、趣味を大切にしたいという人も少なくないのではないでしょうか?趣味を満喫できる地域を選ぶというのもひとつの考え方になるかと思います。

サーフィンや海釣りといったマリンスポーツが好きな人であれば、海の近い郊外の地域が候補になるでしょうし、食べ歩きが好きな人であればお店の種類や数が多い都市部のほうが楽しく過ごせることでしょう。

ただ、1人暮らしの人は自分の好きなことだけで地域を選べるかもしれませんが、家族のいる人は、家族それぞれの希望をよく話し合った上でバランスのとれた地域選びをする必要があります。できたら、家族全員が共通の趣味が持てればよいのもしれませんね。

不動産価値を維持することを考える

同じ広さの物件であれば、一般的には都市部のほうが物件価格は高く、郊外は低めの傾向があります。資産価値は立地や周辺環境が大きく影響します。都市部で駅近くの物件であれば購入時には高くても、その後、価格が大きく下がりにくい傾向があります。

また地域にはブランド力というのもあります。利便性が高かったり、なにかしら魅力的な特徴を備えたりしている地域は、その地域のブランド力が不動産価値の維持に影響している場合があります。

将来、物件の売却なども考えている場合は、周辺物件の相場の推移などもチェックして価格が大きく値下がりしていない地域を検討することも地域選びのポイントとしてあげられるかと思います。

長期的なライフスタイルをしっかり検討して地域選びをするようにしましょう

家族構成や仕事、また価値観というのは不変というわけではなく変化していくものです。どういったライフスタイルで将来を過ごすのか、よく検討したうえで地域選びをすることが大切です。いくつか地域を選ぶポイントを解説しましたが、自分や家族にとって何を優先するかをよく話あって確認してください。

一軒家を購入した後で物件に不満があればリフォームなどで改善することは可能ですが、周辺環境などは移り変わらないと変えることができません。候補にあがった地域には、何度も足を運んで周辺環境のチェックや情報収集を行うことも大事です。

昼と夜では街の雰囲気が違い、また見え方や感じ方も違ってきます。できることなら日中だけでなく、夜も行ってみてください。そうやって十分に下調べをしてから判断しましょう。

(提供:タツマガ

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