所得には種類がある? 収入や所得控除に関する基礎知識からおさらい
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所得税は身近な税金だが、課税の仕組みを理解しきれていない人は意外に多い。なかでも所得の種類は多く、混乱しやすいポイントだ。そこで今回は、所得の種類や計算方法などをまとめた。所得について正しい知識を学び、スムーズに申告できるように準備しておこう。

目次

  1. そもそも所得税とは?
  2. 所得税の3つの基礎知識
    1. 基礎知識1.収入と所得の違い
    2. 基礎知識2.所得控除と税額控除の違い
    3. 基礎知識3.総合課税と分離課税の違い
  3. 所得の10種類と計算方法
    1. 種類1.事業所得
    2. 種類2.給与所得
    3. 種類3.譲渡所得
    4. 種類4.不動産所得
    5. 種類5.退職所得
    6. 種類6.利子所得
    7. 種類7.配当所得
    8. 種類8.山林所得
    9. 種類9.一時所得
    10. 種類10.雑所得
  4. 損をしないように所得控除を再確認!

そもそも所得税とは?

所得税とは、個人が1年間(1月~12月)に稼いだ所得に対して課される税金のことだ。所得税の計算には超過累進課税が採用されており、所得が多い個人ほど税率が高くなる。

サラリーマンなどの給与所得者であれば、毎月の源泉徴収によって自動的に納税されるため、所得税を別途支払う必要はない。一方で、普段の収入から源泉徴収されていない個人事業主などは、確定申告で1年間の所得税額を決定し、後日まとめて支払う。

ちなみに、法人の所得に対して課される税金は法人税と呼ばれている。法人税では比例税率と呼ばれる計算方式が採用されており、所得金額ではなく法人の規模などによって税率が定められている。

所得税の3つの基礎知識

所得税の仕組みを理解するために知っておきたい基礎知識がある。いずれも確定申告や税務に欠かせない知識だ。所得税の計算を間違わないように、あらためておさらいしておこう。

基礎知識1.収入と所得の違い

収入とは、労働の対価や資産の売却などによって得たお金のことだ。サラリーマンでいえば毎月の給料、個人事業主でいえば売上金などが該当する。

その一方で所得は、収入から必要経費や控除額を差し引いた金額であり、所得税や住民税などの税金はこの所得に対して課される。つまり、所得が収入金額を上回ることはない。基本的には「収入>所得」の式が成り立つ。

税法上で収入という場合は、ほとんどのケースで年収をさすことも知っておきたい。

基礎知識2.所得控除と税額控除の違い

所得金額から控除される金額には、所得控除と税額控除の2種類がある。

所得には種類がある? 収入や所得控除に関する基礎知識からおさらい

所得控除は、税率をかける前の所得に対して適用される。一方で税額控除は、税率をかけた後の税額に対して適用される。

なお、いずれの控除制度に関しても、適用を受けるには確定申告などによる事前の申請が必要だ。申請を忘れると要件を満たしても適用されないので、所得控除や税額控除の概要は確定申告の前にチェックしておこう。

基礎知識3.総合課税と分離課税の違い

所得税は仕組みが少し難しい税金であり、所得ごとに課税方式が異なる点も理解しておきたい。

所得には種類がある? 収入や所得控除に関する基礎知識からおさらい

総合課税と分離課税の種類を分けるのは複雑である。

たとえば、同じ事業所得であっても自営業から生じる所得は総合課税に、株式譲渡による事業所得は分離課税に分類される。そのほか、利子所得や配当所得なども、内訳によって課税方式が異なる。