東京の人気エリアで注文住宅を建てるにはどこがいい?
(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

土地価格の高いイメージの東京。人気エリアであればなおさらかもしれません。東京で人気の住みたい街にはどんなところがあるのでしょうか、またそんな東京の人気エリアで注文住宅を建てようとしたらどのくらいかかるのでしょうか?東京で注文住宅を建てるメリットとともに確認していきましょう。

東京で住みたい街の人気エリア

東京というと23区といった都市のイメージが強いですが、東京都には23区以外にも有名な高尾山のある八王子市や、町の9割以上が森林という自然豊かな奥多摩町もあります。その奥多摩町などは過疎化や少子高齢化対策として移住・定住支援などを行っていることもあり、大自然に魅了された移住希望者には人気のひとつとなっているようです。

それでもやはり多くの人は東京の利便性の高い都市エリアに魅力を感じ、住みたい街も23区やその周辺エリアに人気があるようです。

東京の人気エリアランキング

LIFULL HOME'S 総研による「2021年首都圏版 LIFULL HOME'S 買って住みたい行政区ランキング」をもとに、東京に属する行政区をピックアップした上位20位までのエリアを並べると以下の順位になります。

【買って住みたい行政区ランキング】

1位 世田谷区 11位 大田区
2位 中央区 12位 文京区
3位 港区 13位 品川区
4位 新宿区 14位 足立区
5位 練馬区 15位 江戸川区
6位 杉並区 16位 目黒区
7位 江東区 17位 北区
8位 渋谷区 18位 板橋区
9位 台東区 19位 中野区
10位 八王子市 20位 葛飾区

(参考:LIFULL HOME'S 2021年首都圏版 買って住みたい行政区ランキング

20位までのほとんどを東京23区が占めていますが、10位に東京の郊外に位置する八王子市がランクインしています。八王子市は多くの観光客が訪れる高尾山はじめ、美しい自然に恵まれています。またJRの駅周辺には多くのビルが立ち並び、繁華街としても賑わっています。JR中央線の快速電車に乗れば新宿まで50分程度で着くなど、非常に利便性の高いエリアでもあります。

東京の人気エリアの特徴

続いては、人気エリアの上位に位置しているいくつかの街の特徴を見ていきましょう。

【世田谷区】
人気1位の世田谷区は、昔は農家が多く、その田畑が住宅地に転用されていったことから都内有数の住宅地として発展してきた歴史があります。都心部からやや距離があり、多摩川を挟んだその先は神奈川県です。

東京都の「東京都の人口(推計)」によると、世田谷区の人口は約94万人(2021年5月1日現在)と23区のなかで最も多く、面積は58.05平方キロメートルと1位の大田区に次ぐ広さです。人口密度で見ると23区中14位で、こうしたことから一人ひとりの面積にはゆとりがあることがわかります。

東急田園都市線、東急東横線といった東急各線や小田急線、京王線といった鉄道路線によって交通の利便性も高いエリアです。世田谷の各駅から新宿、渋谷などへも20分以内といったアクセスの良さがあります。

二子玉川、三軒茶屋、下北沢といった人気の商業エリアもありますが、区内の9割以上は住宅地です。閑静な高級住宅街である成城もあります。また、等々力渓谷や砧公園、駒沢オリンピック公園など大小さまざまな緑地や公園が多くあるといった住環境の良さも世田谷区の人気の理由のひとつのようです。

【中央区】
人気2位の中央区は銀座、日本橋、築地など全国でも有名なエリアを含んだ街です。東京証券取引所や日本銀行本店もある金融・オフィス街でもあります。

高層マンションを含むマンション建設が多く行われている影響もあり、区民の9割以上がアパートやマンションの居住者となっているエリアです。商業地と高層マンションといった都会のイメージの強い中央区ですが、月島など下町情緒が溢れるエリアもあります。しかし、それでも生活感のあるスーパーや商店街は少ないといえます。

中央区の交通は東京メトロや都営地下鉄が縦横無尽に走ってどこへもアクセスが良いといえますが、職住近接の環境にあることから、自転車や徒歩での通勤というのも珍しくはないようです。

【練馬区】
人気3位の港区、4位の新宿区は中央区とともに都心5区とも呼ばれ港区とエリアが近いこともあり、ここでは世田谷区に次いで人口が2番目に多い人気5位の練馬区の特徴を見てみましょう。

練馬区の一番の特徴はその公園数の多さかと思います。石神井公園、光が丘公園といった大きな公園をはじめ、小さい公園まで数えると700近い公園があり23区のなかではダントツの多さです。

また治安の良さも人気の理由のひとつかと思います。警視庁が2020年に発表している犯罪発生状況によれば練馬区の23区での治安の良さは文京区に次いで杉並区、世田谷区と同じぐらい良いエリアです。区内に繁華街や歓楽街がなく、ファミリーが多い住宅街ということも治安の良さにつながっているようです。

【東京23区 治安の良さランキング】

治安の良さランキング 人口当たり犯罪発生率
1位 文京区 0.39%
2位 杉並区 0.44%
3位 世田谷区 0.45%
4位 練馬区 0.45%
5位 品川区 0.49%

(出典:警視庁 令和2年 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数

また交通も練馬区には、東京メトロ有楽町線・副都心線、都営大江戸線、西武池袋線、西武新宿線、東武東上線があり新宿、池袋といったターミナル駅まで直通で、通勤・通学にも便利です。

ここまで人気のエリアを見てきたように、利便性の良さが人気の理由の東京であっても、住むためのエリアとしては公園などが多く子育てがしやすかったり、治安が良かったりといた住環境の良いエリアの人気があることがわかります。

東京で注文住宅を建てるときの土地相場

注文住宅を建てる場合には、まず建物を建てるための土地を取得する必要があります。建物自体にいくら費用をかけるかは、その建物の仕様や設計などで調整可能ですが、土地は建てたい場所の価値で決まってしまいます。そのため、土地の相場を知ることが必要です。

【東京の人気のエリアの土地相場(坪単価の平均)】

世田谷区 240.2万円 杉並区 192.9万円
中央区 726.6万円 江東区 248.1万円
港区 646万円 渋谷区 502.8万円
新宿区 301.9万円 台東区 325万円
練馬区 141.5万円 八王子市 44.5万円

(出典:SUUMO 東京都の土地価格相場情報 2021年6月現在)

東京の土地価格はエリアによって非常に大きなバラつきがあるのが特徴といえます。土地価格の高いエリアでは土地代だけでも億円単位のお金が必要になってくる場合があります。その一方で、例えば同じ東京都でも八王子市であれば広い土地でも1,000万円台から取得できそうです。

注文住宅でこだわりの建物にお金をかけたい場合、同じ東京エリアでも土地価格の安い人気エリアを選択するのも手段のひとつとなります。

都市災害には注意

東京の特に都心エリアではヒート・アイランド現象がもたらす局地的集中豪雨(ゲリラ豪雨)などにより道路の冠水や家屋の浸水といった都市災害が近年多くみられるようになってきています。

ハザードマップで注意したいエリア

東京都心部は平地が多く、特に河川近くのエリアは場所によっては河川より土地が低い場所があります。そのためゲリラ豪雨による河川の氾濫により家屋が浸水するリスクには注意が必要です。江戸川、荒川、墨田川、多摩川などの大きな川が流れていないところは、洪水・浸水のリスクが低いエリアといえます。

家を建てようとしているエリアが洪水・浸水のリスクがあるかを確認するには、東京都建設局の洪水ハザードマップなどが参考になるでしょう。

土地価格の開きの大きい東京で注文住宅を建てるメリット

東京は地域によって土地価格の開きが大きく、また都心部では土地価格も高額な傾向にあり、狭小地や変形地といった条件の厳しい土地も少なくありません。注文住宅は土地価格に合わせ建物の予算を調整しやすく、また条件の厳しい土地にも柔軟に対応できるのがメリットといえます。

注文住宅は日当たりや風通しといった土地の条件にも適応できるため、密集度が高い東京都心でのメリットは大きく、より良い選択肢を増やすことができる有効な手段といえるでしょう。

また、東京で注文住宅を建てる際、重要になってくるのが予算ですが、それだけを優先して住む場所を決めてしまっては後悔することになりかねません。ライフスタイル・働き方、周辺の環境、そして将来起こりえるライフイベント(子ども就学・リタイア後の環境)なども考慮して、家族と十分に話し合って決めることをおすすめいたします。

(提供:タツマガ

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