注文住宅を建てる際には、間取りの作成が重要になってきます。作成するのに参考になるのが、住宅展示場やWebサイト、カタログなどに掲載されている実例の間取りになります。それらの間取りをチェックすることで、あれこれとイメージが広がることでしょう。また、間取りを作成するには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。そのポイントを含め間取りを考えることで、家族みんなが住みやすい住宅になることでしょう。そこで今回は、間取り作成のポイントを解説します。
間取り作成の流れ
注文住宅を建てる際に理想の家になるかどうかは、間取りの作成が成功の鍵を握っています。
注文住宅の間取りは、ハウスメーカーや工務店、設計事務所などの設計担当者が、施主家族の要望を聞いて作成します。次に、設計担当者が作成した間取りを、施主家族が見て、さらに要望に合わせて、間取りを変更したり詳細をつめたりしていきます。
途中、見積もりが出てくるので、予算をオーバーする場合には、予算に合わせた修正が必要になるかもしれません。こうした話し合いをスムーズに進めるためには、間取り作成のポイントを抑えておく必要があります。そのポイントは5つありますので、さっそく見ていきましょう。
間取り作成のポイント1:家族の要望をまとめておく
間取りの作成を成功させる最も重要なポイントは、設計担当者の聞き取りの前に、家族で要望を話し合って、まとめておくことです。展示場に行き、気に入った間取りは写真を撮ったり、カタログなどを見ながらイメージを膨らませたり、また実例集や間取り集などを見てもいいでしょう。
自分達の要望やイメージをうまく設計担当者に伝えることが、後悔しない間取りを作るための重要なポイントになります。
間取り作成のポイント2:土地や大きさ、家族構成から間取りを考える
間取りを考える際には、土地の形状や大きさ、日当たり、家族構成などから部屋の数や間取りを考えていくのが一般的です。まずは建てられる住宅の大きさ、必要な部屋の数や大きさなどから順に考えるといいでしょう。
気をつけたいのは、今の家族構成だけではなく、子どもが増える予定がないか、子どもが大きくなったら部屋はどうしたいか、という将来のことまで考えることです。将来、大きな部屋を間仕切りで分割したりリフォームをしたりする際のことまで考えられればベストです。
間取り作成のポイント3:目的から間取りを考える
間取りを考える際には、どうしても部屋数とその配置だけを考えて、間取りを決めてしまいがちです。しかし、実際はもう1つ大切なことがあります。それは、その家や部屋をどのように使いたいか、どのように使うかを設計担当者に伝えることです。
例えば、リビングには大きいテレビを置いて、みんなで映画を見たい、友達が多いのでホームパーティーをしたいなど、実際の使い方が分かると、より設計がしやすくなります。また、家族それぞれの趣味や場所を取る持ち物などがあれば、それもメモしておくようにしてください。
間取り作成のポイント4:家事動線から間取りを考える
家事導線とは、掃除や洗濯、そして炊事など家事を行う際に通る道筋のことをいいます。この家事動線が悪いと、家事がしにくい、家事に時間がかかるといったことになり、日常生活において大きなストレスを抱えることになります。
可能な限り、日常のストレスを軽減させるためにも、間取りを考えるときは家事動線が良くなるよう工夫することが大切です。以下の2つを意識して家事動線を考えてみてください。
移動距離を短くする
例えば、玄関からキッチンまでの距離が遠いと、買い物をしたときに買い物袋を運ぶのが大変です。そうした負担を軽減させるには、移動距離を短くするため、玄関とキッチンを近くにするといった工夫が必要です。洗濯は1ヵ所で完結させる
洗濯は毎日行うだけでなく、「洗う・干す・たたむ、しまう」といったオペレーションの多い家事の一つです。洗ったら、外に干しに行き、乾いたらリビングで畳む、それからしまうといったことをします。
最近では、これを1ヵ所で完結させる家事室(ユーティリティルーム)を持つ住宅が増えています。洗濯が大変楽になることから、とても好評です。
間取り作成のポイント5:生活動線から間取りを考える
生活動線とは、家の中で日常生活を営むときの人の動き、移動ルート(線)のことをいいます。これも家事導線と同様で移動距離を短くさせることが重要になってきます。そしてさらに「暮らしやすさ」が加わります。
例えば、お風呂やトイレに行く際、必ずリビングを通らなければならないとなったら、心理的負担が大きいでしょう。また来客時には嫌なものです。そうしたストレスを抱えないよう生活動線のことも念頭におき間取りを考える必要があります。
注文住宅で取り入れたい間取りのアイデア
ここでは上記のポイントを踏まえ作られ、また最近人気のある間取りを取り入れるなど、利便性とデザイン性を兼ね備えた住宅を紹介します。
2階リビング、2階LDK
タツミプランニング施工例:NAKAMACHI/STAY HOMEでも大はしゃぎな家
2階LDK、2階リビングは都市型住宅で採用されることが多い間取りです。狭小地や隣地の距離があまり取れない土地ではどうしても1階部分の日当たりが悪くなってしまいます。
そのため、日中過ごす時間が長いリビングを2階に配置するご家庭が増えています。2階リビングの場合、隣地からの視線もあまり気にはなりません。特に、家族で過ごすリビングだからこそ、明るい空間にしたいと考える人におすすめです。
LDK隣の和室
タツミプランニング施工例:KAWASAKISHI-ASAO -川崎市麻生区-
タツミプランニング施工例:KAMAKURASHI-JOMYOJI Ⅱ -鎌倉市浄明寺 Ⅱ –
LDK部分につながる形で和室を作るケースも多いです。LDKにつながる和室は座ってくつろぐだけではなく、ちょっと寝転んだりもできるので、さまざまな使い方ができます。
お客さんにくつろいでもらってもいいですし、実家の親が来たときには泊まってもらうこともできます。また、子どもが小さいときには、遊んだりするスペースとして利用してもいいでしょう。
土間収納
タツミプランニング施工例:ZUSHISHI-SHINJUKU -逗子市新宿-
外で使うもの、汚れやすいもの、子どものスポーツ用品を置くのにぴったりなのが土間収納です。具体的に置くものとしては、下のようなものがあげられます。
- 自転車やベビーカーなど、場所を取るもの
- 長靴やレインコートなど、一度濡れて乾かしたいもの
- じょうろやほうきなど、ガーデニンググッズや外の掃除に使うもの
- ボールや汚れた靴などを、汚れるので室内には持ち込みたくないもの
どうしても下駄箱では置く場所が足りなくなることが多く、玄関前にはできるだけ置いておきたくないものが中心ですが、とても便利なスペースです。
実例から学ぶ注文住宅の間取りのアイデア
最後に、最近人気がある間取りのアイデアもご紹介します。
スタディスペース
タツミプランニング施工例:SUGINAMI -杉並区の邸宅-
子ども部屋以外に、家族の共有部分にスタディスペースを設けるご家庭もあります。子どもが成長し子ども部屋に持つまでの一時的な部屋として、リビングや階段回りを利用します。
子どもが幼稚園や保育園、小学校低学年ぐらいだと、リビングで朝の支度をして、荷物もリビングに置いておきたいというご家庭が多い傾向です。また、親が料理を作っているときに子どもがスタディスペースで勉強していると、お互いの存在やつながりが感じられます。
他にも、子どものオンライン授業を考えて、リビングにスタディスペースを作りたいという要望も増えています。一方で、階段回りに設ける場合は、本棚を置いたり、趣味の空間といっしょにしたりする使い方もあります。
テレワークスペース
タツミプランニング施工例:FUJISAWASHI-TSUJIDO -藤沢市辻堂-
コロナ禍でテレワークをする機会が増え、テレワークスペースを作りたいという人が増えてきています。ダイニングテーブルでも仕事はできないわけではないですが、常時パソコンや仕事の資料を置いておけるスペースがあれば仕事の効率はアップすることでしょう。
また、あらかじめテレワークスペースを決めておくと、パソコンやスマホの周辺機器に使うコンセントの位置も決められ便利です。
リビング階段
以前は、階段は廊下に階段ホールを作ることがほとんどでしたが、住宅の断熱性や気密性が上がり、全館冷暖房なども普及してきた結果、リビングに階段を設ける間取りが増えてきています。
空間が広く利用でき、おしゃれなので、採用しているご家庭も多いです。この間取りは、家族が顔を合わせる機会が増える点が大きなメリットです。
ただし、お客さんが来ているときには、他の家族がリビングを通らないと出かけたり自分の部屋に行ったりできないというデメリットもあるので、家族でしっかり話し合う必要があります。
親身になってくれる工務店やハウスメーカーに相談を
注文住宅を建てることなったときには、世界に一つしかない自分たちだけの家を建てたいと思うものです。そうした住宅を建てるためには、親身になって相談に乗ってくれる工務店やハウスメーカーと巡り合うことが大切になってきます。
大手だから安心ではなく、会社の規模に関わらず地域に密着した工務店やハウスメーカーも選択肢に含め探してみるといいでしょう。地域密着型は、評判が営業をしていくうえで命となります。相対的に親身になってくれるところが多く、メリットだけでなく、デメリットもしっかり教えてくれたりもします。
また、地元の風土を深く理解していることから、環境に適した住宅の提案もしてくれます。注文住宅を建てたいと思ったら、まずは気軽に工務店やハウスメーカーに連絡をしてみてはいかがでしょうか。
(提供:タツマガ)
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