ポルシェがEVスポーツモデル「タイカン」の2022年モデルを発表。航続距離の延長や先進アシストシステムの進化、新ボディカラーの設定などを敢行
ポルシェ ジャパンは2021年8月30日、フル電動EVスポーツカー「タイカン(Taycan)」の2022年モデルの概要を発表した。
2022年モデルのタイカンは、航続距離の延長や先進運転支援システムの進化、インフォテインメントシステムのバージョンアップ、新ボディカラーの設定などを実施したことが特徴である。
まず航続距離は、モーターやバッテリーなど基本システムを従来から踏襲したうえで、制御技術の緻密な改良を実施。ノーマルおよびレンジモードでは、フロントの電気モーターはほぼ完全に切り離され、4WDモードでは部分負荷時に無通電状態となる。さらに、コースティング時や停車時では、前後いずれのアクスルにも駆動力が伝達されないようにセッティング。こうした電気フリーホイール機能によりドラッグ損失が抑えられて電気消費量を低減し、結果として実質的な航続距離の延長を果たした。一方、ドライバーがさらなる出力を要求した際やドライブモードを変更すると、再びミリ秒以内にモーターがオンの状態になり、パフォーマンス志向の走りに切り替わる。
先進運転支援システムに関しては、自動駐車機能リモートパークアシストを設定したことがトピックだ。このアシストシステムは、ドライバーがスマートフォン(ポルシェ コネクトアプリ)を使って、遠隔操作で並列駐車や縦列駐車、そして車庫入れができる仕組み。スマートフォンはiPhone 7とiOS 13以降のApple iPhoneに対応している。
インフォテインメントシステムでは、第6世代ポルシェコミュニケーションマネジメント(PCM)のサポートに、従来のiPhone向けApple CarPlayに加えて、Google AndroidのOSを搭載したAndroid Autoも対象に加えたことが訴求点。また、音声アシスタントのボイスパイロットは、日常の言葉での指示をさらによく理解できるようにバージョンアップする。サテライトナビゲーションシステムの計算も迅速化し、おもに地点情報(POI)のオンライン検索を使用しながら、その情報をさらに明確に表示するように変更した。さらに、インパネのレイアウトとオペレーティングシステムの見直しを実施。中央ディスプレイの左側のメニューオプションが3つから5つに増え、アイコンの個別配置を実現した。
ボディカラーの拡充も見逃せない。17種類の標準塗装カラーに加えて、ペイントトゥサンプルとペイントトゥサンプルプラスを近々選択可能とする。ペイントトゥサンプルでは、964型911で設定して注目を集めたルビースターやアシッドグリーンなどを含めて63種類をラインアップ。一方でペイントトゥサンプルプラスでは、ほぼ自由にボディカラーを選ぶことが可能だ。
ちなみに、ポルシェ ジャパンでは国内チャージングネットワークの構築にも鋭意取り組んでおり、国内で最もパワフルな150kW(CHAdeMO規格)の最高出力を誇る「ポルシェターボチャージャージングステーション」は、タイカンの車載バッテリーを30分で80%(走行距離約300km分)まで充電可能。また、ポルシェターボチャージャーが設置されたポルシェターボチャージングステーションは、都市型充電インフラとしてLINKS UMEDA、あべのハルカス、ヒルトン名古屋、ナゴヤセントラルガーデン、虎ノ門ヒルズで稼働しており、これからも設置施設を順次拡大していく。さらに、日本国内のポルシェセンターのうち27拠点でポルシェターボチャージングステーションと同規格のDCチャージャーが稼働しており、2023年末までにはすべてのポルシェセンターでの設置を完了する計画だ。
なお、日本仕様のタイカンおよびタイカン クロスツーリスモ2022年モデルの車両価格やスペックについては、後日発表する予定である。
(提供:CAR and DRIVER)