本記事は、大須賀祐氏の著書『リモート輸入ビジネス 成功マニュアル』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています

海外メーカーは「輸出したがっている」

ヨーロッパ
(画像=tomcat/PIXTA)

●コロナショックで甚大な被害を受けたヨーロッパ経済

2020年に巻き起こったコロナショックは、世界経済に大きな打撃を与えました。

日本における2020年4〜6月期のGDP成長率は戦後最低を記録し、マイナス7.9パーセント、年率にするとマイナス28.1パーセントでした。これは恐ろしい数字です。

日本以上に恐ろしい数字を叩き出したのがヨーロッパです。

EUにおける同時期のGDP成長率は、前期比でマイナス12.1パーセント、年率換算するとマイナス40.3パーセントです。前年同期比でもマイナス15.0パーセントと、1995年の統計開始以降で最も悪化しました。

経済規模の大きい4か国の「前期比」を個別に見ると、ドイツがマイナス10.1パーセント、フランスがマイナス13.8パーセント、イタリアがマイナス12.4パーセント、スペインがマイナス18.5パーセント。いずれも2桁を超える急落となりました。ユーロ圏域内において比較的落ち込みが軽かったドイツ経済ですら、アメリカを超える悪化幅となっているのです。

ヨーロッパ各国は、日本より厳しい外出制限やロックダウンを行った影響で、日本以上に深刻な経済悪化に陥りました。その結果、多くの国で、国内での商取引(ビジネス)の数がダウン。商品を市場に流すこともできず、メーカーの倉庫で余ってしまう事態となったのです。

●海外メーカーとのやりとりはより簡単になった

国内でのビジネスが苦しくなり、海外メーカーは、少しでも売上を回復すべく、国内外を問わず、「お客さま」となってくれる相手を探し始めています。

細かい条件なんて二の次で、顧客発掘に躍起になっているのです。

これから輸入ビジネスを始めようとするあなたにとっては、大きなチャンスが到来していると言えるでしょう。

海外メーカーとのやりとりのハードルが格段に下がっているわけですから、普通だったら取引が難しい、大きな規模の企業にもコンタクトをとりやすくなります。

相手にとってみれば、今、お客さまになってくれる相手ならばもう、誰でもよいからです。加えて、実際に商品を仕入れるとなれば、あなたは「苦しい時期に売上に貢献してくれた人」として、神さまのような扱いを受けることでしょう。

コロナショックはたしかに、世界中を混乱に陥れ、暗い影を落としました。

しかし、コロナショックを契機として、輸入ビジネスを始めやすくなった。そして、新たな仕入れ先を開拓しやすくなった。これもまた、事実なのです。

リモート輸入ビジネス 成功マニュアル
大須賀祐(おおすか・ゆう)
一般社団法人日本輸入ビジネス機構理事長、日本貿易学会正会員、ジェトロ認定貿易アドバイザー(現:AIBA認定貿易アドバイザー)、株式会社インポートプレナー最高顧問。早稲田大学卒。東証一部上場企業入社後、3年目で最優秀営業員賞受賞。しかし国内ビジネスに失望し、会社を退社。輸入ビジネスに身を投じる。2004年当時わずか合格率8.4%の狭き門「ジェトロ認定貿易アドバイザー」を取得。現在は輸入ビジネスアドバイザーとして、クライアントとともに年間100日強を海外で過ごし、全世界的に活躍中。また中小企業向けに利益倍増のための新規事業戦略としての輸入ビジネスを提唱し大人気を博している。セミナー受講者は約12,000人、海外での実践講座のクライアント数は、2021年5月時点で920名を超え、今なお数多くの成功者を輩出。その圧倒的な実績によりクライアントからは「輸入の神様」と称されている。また、輸入ビジネス界に対する多大なる貢献により、歴史と伝統ある日本最大にして最高の権威を有する貿易の学術団体「日本貿易学会」の正会員に推挙され、貿易界の発展にも寄与している。2019年、輸入ビジネスという考え方を広めるため、一般社団法人日本輸入ビジネス機構理事長に就任。著書に、『初めてでもよくわかる輸入ビジネスの始め方・儲け方』(日本実業出版社)、『図解 これ1冊でぜんぶわかる!貿易実務』『これ1冊でぜんぶわかる!輸入ビジネス【完全版】』(ともに、あさ出版)、『実はとっても簡単!儲かる輸入部門のつくり方・はじめ方』(明日香出版社)などがある。

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