本記事は、大須賀祐氏の著書『リモート輸入ビジネス 成功マニュアル』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています
輸入ビジネスは「7ステップ」で進める
●「流れ」がわかれば未来が見える
「輸入ビジネスはどのように進めればよいのでしょうか?」
セミナー等で、輸入ビジネス初心者からいただく、最も多い質問です。
「次にどうすればよいか」が見えなければ、不安を抱くのも無理はありません。
輸入ビジネスは、下図のとおり「7ステップ」で進めていくことになります。
ステップ1 日本にまだない有望商品や、日本市場で売れているけれど改善やアップデートの余地のある商品(デザイン、価格など)に目星をつけておく
日本の市場で需要が見込まれるにもかかわらず日本では流通していないものや、すでに流通してはいるものの手に入りにくかったり、売れている商品でも値段が高く手を出せない人がいたり、「もっとこんな機能があったらいいのに」など改良の余地があったりするものを探しておきます。
目星をつけておくことで、展示会やオンラインで商品を見つけやすくなります。
「日本にまだない商品」という言葉は魅力的に聞こえるかもしれません。
ただ、何が何でも「日本にない商品を扱いたい」とこだわりすぎると、痛い目に遭います。
「日本にない商品」には新奇性があります。一見、いいことだらけのように思えますが、新奇性の高い商品は、市場に浸透させるまで時間がかかります。しっかりとマーケティングをしないと、「売れずじまい」になりかねません。「ステップ1」はとても大切な作業です。
すでに日本で流通している商品でも、「現行の商品より便利な機能がある」「デザインがいい」「価格が安い」などメリットが提示できる商品であれば、売上が見込めます。「日本にない商品」にこだわりすぎず、柔軟に対応することも大切です。
新奇性のある商品はじっくりマーケティングをし、市場にすでにある商品はすぐ流通させる。このメリハリが大切です。
ステップ2 海外の展示会やオンラインで商品を探す
事前リサーチにもとづいて、海外の展示会やオンラインで商品を探します。
気をつけてほしいのが、メーカーを複数社ピックアップしておくこと、さらに、なるべく1つのメーカーのすべての商品を取り扱うことです。
複数のメーカーをピックアップする理由は、メーカーによってやりとりの仕方、スピードなどが異なるためです。同時にやりとりしていく中で組みやすい相手を選びましょう。また、いくつかのメーカーとやりとりしておけば商品の市場性をはかる際にも役立ちます。
1つのメーカーのすべての商品を取り扱う理由は、メーカーの代理店となるうえでフルラインナップを揃えておくほうが、メーカー自体のコンセプトも打ち出しやすく、メーカーとの結びつきも強くなり、信用も得られやすくするためです。さらには一商品のみだと商品群も貧弱に見えてしまうため、それを避ける意味合いもあります。また、メーカーの異なる商品を雑多に並べるよりも「世界観」が伝わり、お客さんにメーカーの良さがわかっていただけます。少なくとも、一とおり揃えておくことが、今後の展開にも有効です。
ステップ3 メーカーに日本への輸出実績を尋ね、サンプルをオーダーする
めぼしい商品を売っているメーカーを見つけたら、コンタクトをとって日本への輸出実績を尋ね、続いてサンプルのオーダーをします。
品質や機能、デザイン、サイズ、カラー、材質、仕上げなどをチェックするためです。
サンプルは、あとで本オーダーしたときに「品質の照合サンプル」にもなりますから、大事に取り扱いましょう。
このタイミングで、原価やさまざまなコストを確認しておきましょう。
ステップ4 販売価格を決める
「値決めこそが経営」「価格は覚悟」と言われるように、価格決めは重要です。
薄利多売の価格競争に巻き込まれてしまうと、大企業には到底かないません。十分な利益を確保できる価格づけをすることが必要です。
私がオススメしている価格のつけ方は、ヨーロッパであれば原価の5倍、アジア、アフリカ地域の商品であれば原価の10倍をつけるという方法です。この価格のつけ方であれば、様々なコストを包括しており、問屋など中間業者を利用したとしても、十分に利益を確保することができます。
価格を自由に決められるメリットを最大限に活かし、しっかりと利益を確保しましょう。
ステップ5 サンプルを使って展示会などでお客さまの声を聞き、「前注文」を取る
商品が売れるか売れないかは、最終的にはお客さまの判断にかかっています。展示会などでサンプルを見せ、商品に対するお客さまの声を謙虚に聞きましょう。
お客さまの声を踏まえて、メーカーにフィードバックし、「前注文」をとります。
日本市場に適合させるため、品質や仕様を変更してもらうのも重要な仕事です。
ステップ6 少量をオーダーし、販売して、市場の反応を確認する
サンプルとオーダー品がまったく違うケースもあるので、注意が必要です。
「サンプルを見て気に入ったから」「展示会で好評だったから」と、大きな可能性を感じたとしても、いきなり大きなオーダーはせず、まずは少量で「トライアルオーダー」をするに留めましょう。
また、商品によっては、潜在的な欠陥を持っている場合もあります。欠陥を持っている商品かどうかを見極めるためにも、いきなり「本オーダー」をせず、「トライアルオーダー」に留めておくのが効果的です。
トライアルオーダーで届いた商品をある程度の期間、実際に使ってみて、性能や使い心地を検証し、よいと思ったらテスト販売して市場の反応を見ましょう。
ステップ7 市場の反応がよければ、本格的に輸入して販売する
ステップ6まで順調に進み、商品に対するお客さまの反応もよく、「たくさん売れそうだ」という手ごたえを感じられるなら、本オーダーを入れ、販売しましょう。
このタイミングで独占販売権について、打診(すでに話をしている場合は、最終確認)するのがベストです。
●複数メーカーとの取引も「現在地」が見えれば安心
輸入ビジネスが軌道に乗ってくると、1つのメーカーだけとの取引ではなく、同時に複数のメーカーと案件を進めることも多くなってきます。
「7ステップの中で、今はどのステップにいるのか」を一つひとつ確認しながら進めていけば、混乱することはありません。
「現在地」がわかっていれば、どんなに事業が大きくなり案件の数が増えても安心です。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます