注文住宅の土地探しをスムーズに進める6つのステップと土地選びのチェック項目
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注文住宅は「家を建てる」ことがスタート地点ではありません。その1つ前の段階に、「土地探し」があります。建売住宅はすでに建っている家を土地とともに購入するものですが、土地探しから始めて好きな場所に好きな家を建てられるのが注文住宅の魅力の一つともいえます。この自由度を活かして理想の土地と出会いたいところですが、素人にとって土地探しは不慣れな作業です。

何を重視して土地探しをすればよいのかもわからないままに土地を選ぶと、失敗してしまうのではないかという不安もあります。そこで本稿では、注文住宅の極めて重要な第一歩である土地探しについて、そのポイントについて解説します。

目次

  1. 注文住宅の重要な第一歩、土地探し
  2. 注文住宅の土地探しを6つのステップで解説
    1. ステップ1:住みたい地域を絞り込む
    2. ステップ2:ハザードマップで確認
    3. ステップ3:資金計画
    4. ステップ4:実際に土地を探す
    5. ステップ5:絞り込んだ候補地を精査する
    6. ステップ6:土地先行融資の申し込み
  3. 「ここに住みたい」と思った土地のチェック項目

注文住宅の重要な第一歩、土地探し

土地探しは注文住宅の重要な第一歩です。どんなに素晴らしい家ができたとしても、土地が悪ければ意味がないともいえます。家は「不動産」と呼ばれることからもわかるように、動かすことができない資産なので、土地探しの段階から失敗するわけにはいきません。

土地探しというと難しそうに感じる方もいると思いますが、その手順は決して難しいものではありません。正しい知識と手順があれば失敗しない土地探しができます。

注文住宅の土地探しを6つのステップで解説

それではさっそく土地探しの流れやポイントを解説いたします。注文住宅の土地探しには、主に6つのステップがあります。それぞれのステップで何をするべきかをまとめましたので、土地探しから購入までの流れを理解しておきましょう。

ステップ1:住みたい地域を絞り込む

「どのあたりに住みたいのか」を最初に決め、エリアで候補地を絞り込みます。注文住宅を検討されているほとんどの方はすでに候補地をある程度絞り込んでいると思いますが、それがまだ決まっていない方はできるだけ具体的に候補エリアを絞り込んでください。

「いい土地があればどこでも」という漠然なスタート地点だと土地探しも漠然としたものになってしまい、なかなか決まらない恐れがあります。それに加えて本当に条件のよい土地ではなく「不動産会社が売りたいだけ」の土地をつかんでしまう可能性もあります。

ステップ2:ハザードマップで確認

近年、大雨、台風、地震などの自然災害が増えています。その備えを怠ってはいけません。いい土地が見つかっても、そこが災害に弱いエリアでは長く住むのは不安ですし、もしものときには家を失うだけでなく、命までも危険に晒されてしまいます。

各地方自治体では、インターネット上に災害が起きたときに危険と思われる場所をまとめたハザードマップを公開しています。住みたい土地が災害に弱いエリアではないか事前に確認しておきましょう。

ステップ3:資金計画

次に行うのが資金計画です。どの程度の費用で土地を購入するかによって条件は大きく変わってきますし、自己資金以外に資金調達をするのであれば融資の計画にも影響を与えます。

予算が潤沢にあれば理想の土地を追い求めることもできますが、そこまでの余裕がない人が多いことでしょう。その限られた予算のなかでいかに条件に合う土地(条件に近い土地)を探すかも重要なポイントになります。

ステップ4:実際に土地を探す

エリアを絞り込んである程度の予算が決まったら、いよいよ本格的な土地探しの始まりです。昔は不動産会社や注文住宅を依頼しているハウスメーカーなどに土地探しも任せるのが一般的でしたが、今はインターネットを使い自分で情報収集をすることができます。

「SUUMO」「アットホーム」といった不動産のポータルサイトには売地の情報がありますし、実際に希望エリアを歩いてみて売りに出されている土地がないかを調べるのも有効です。

地元の不動産会社に依頼する場合は、できるだけ希望の条件を具体的に伝えて、注文住宅に対する要望を共有することが大切です。

ハウスメーカーなど注文住宅を依頼する業者を経由して土地探しを依頼する場合は、家づくりに対する要望を共有しやすいですが、自分で別途不動産会社などを利用する場合は自分自身でしっかりと要望を伝えるようにしましょう。

ステップ5:絞り込んだ候補地を精査する

注文住宅を建てる候補地をある程度ピックアップしたら、その土地の精査をします。注文住宅を依頼する側は素人であり、不動産のプロではありません。どうしても素人目線でしか判断ができないので、この段階になったら注文住宅を依頼しているハウスメーカーや工務店などに土地を精査してもらいましょう。

素人の知識だけでは想像がつかないような視点での提案を受けることができるでしょうし、こうしたプロセスからも業者の信頼度をチェックすることができます。

このとき大切なのは、「ここで生活をする」という視点と具体的なイメージを持つことです。土地探しをしている段階では更地であったり、古い家が建っていたりするなど、家が完成したときのイメージとは異なる風景になっているはずです。そこに自分の家が建ち、そこで生活をすることを可能な限り想像力を膨らませてイメージしてみましょう。

ステップ6:土地先行融資の申し込み

家を建てる土地が決まったら、その土地を購入する段取りに入ります。多くの場合、土地の購入費用を調達するために金融機関の融資を利用することになると思います。ここで知っておいていただきたいのが「土地先行融資」です。

土地付きの注文住宅を建てる場合、最初に土地を購入してそこに自分の家を建てます。建売住宅のようにすでに建っている家を購入するわけではないので、土地の購入時点と家の建築時点の2回に分けて融資を受ける必要があります。

その1回目として土地の購入費用に対する融資を受けるのが土地先行融資です。多くの金融機関で申し込み可能で、その後の住宅建築費用もローンを利用することを前提に利用する形になります(土地の購入費用単体での利用は不可であることが多いです)。

土地先行融資によって資金を調達し、その資金で代金を決済したらその土地は購入者のものになります。

「ここに住みたい」と思った土地のチェック項目

最後に、土地探しの最終段階で「ここに住みたい」と思った土地に出会ったらチェックしておくべき項目について解説します。もちろん最終的にはプロの判断を仰ぐのが無難ですが、以下の項目に注目してご自身でも大まかな精査をすることができます。

  • 周辺環境(騒音、交通量、最寄駅までのルートなど)
  • 日当たり、風通し
  • 隣地環境(距離、高低差)
  • 電柱、ゴミ捨て場の位置
  • 地質、水はけ
  • 土地の法的な制限(建蔽率、斜線制限、防火地域など)

これらの項目を自分ですべて調べることは難しいと思いますが、土地の取引には必ず相手方があります。相手方の不動産会社が持っている情報の提供を受けることでチェックが可能ですし、こちら側の不動産会社(もしくはハウスメーカーなど)の専門家にチェックしてもらうのもよいでしょう。

これらの項目はいずれもその土地で生活をするうえで重要になるものばかりなので、1つずつ確実にクリアしていくようにしましょう。もし1つでもクリアできないことがあるのであれば、土地選びを再考するか、その項目が要望を満たしていないことを価格交渉に反映していくのも1つの方法です。

その土地を見ただけではわからないことが多々あります。こうした見えにくい項目は、そこに住み始めてからの「住みやすさ」に関係しています。長く住むことになるわけですから、曖昧にせず納得がいくまでしっかりと精査しましょう。

(提供:タツマガ

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