注文住宅を建てるなら平屋?2階建て?平屋のメリット・デメリットを解説
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注文住宅を建てるなら、最近人気の高まっている「平屋にしたい」という人もいらっしゃるでしょう。平屋のメリットは「家族のコミュニケーションがとりやすい」「耐震性の高い住宅を建てやすい」「昇り降りのストレスがない」などです。これら平屋のメリットにプラスして、デメリットも含めてくわしく解説します。

目次

  1. 平屋の注文住宅を建てたいのはどんなタイプ?
  2. 平屋の注文住宅を建てたときのメリットとは?
    1. 1.家族のコミュニケーションがとりやすい
    2. 2.耐震性の高い住宅がローコストで建てられる
    3. 3.階段の昇り降りのストレスがない
    4. 4.終のすみかにしやすい
  3. 平屋の注文住宅を建てたときのデメリットとは?
    1. 1.建物中心部で採光の工夫が必要
    2. 2.坪単価が高い傾向がある
    3. 3.2階建てよりも広い敷地面積が必要
  4. 平屋の施工実績のある業者に相談したうえでの最終判断がベター

平屋の注文住宅を建てたいのはどんなタイプ?

「注文住宅を建てるなら平屋にしたい」という人は、いくつかのタイプに分かれます。はじめに、ご自身やご家族がこれらのタイプにあてはまるかを確認しましょう。

1つ目は「家族のコミュニケーション重視タイプ」です。後ほどくわしく解説しますが、平屋には「家族のコミュニケーションがとりやすい」という特徴があります。「一体感をもって暮らしたい」ご家族であれば、平屋の注文住宅と好相性でしょう。

2つ目は「終のすみかをつくりたいタイプ」です。ワンフロアで生活できる平屋は、高齢になっても過ごしやすい住宅といえます。「その地で一生を過ごしたい」「今回つくる家を終のすみかにしたい」という人は、平屋の注文住宅を建てる選択もありでしょう。

このほか、1階しかない平屋は「庭との距離感が近い」ともいわれます。庭に木々や花を植えて、「自然を感じながら生活したい」という人も平屋に向いているかもしれません。

これらのタイプの人は平屋と相性がよいと考えられますが、最終的にはメリット・デメリットの両方を把握してから判断するべきです。それでは、まずメリットを見てみましょう。

平屋の注文住宅を建てたときのメリットとは?

平屋の最大の特徴は、住空間が水平方向へ広がっていることです。この構造を最大限に生かして注文住宅を建てることで次の4つのメリットが生まれます。

  1. 家族のコミュニケーションがとりやすい
  2. 耐震性の高い住宅がローコストで建てられる
  3. 階段の昇り降りのストレスがない
  4. 終のすみかにしやすい

1.家族のコミュニケーションがとりやすい

平屋は2階建ての住宅よりも「家族のコミュニケーションがとりやすい」といわれています。その理由は、平屋は家族それぞれの部屋が1階と2階にわかれないためです。家族同士の距離が近いので、円滑なコミュニケーションが自然に生まれやすくなります。

さらにご家族の一体感重視であれば、リビングダイニングを大空間にして、その一部に勉強できるスペースをつくるなどの工夫をするとより効果的です。

2.耐震性の高い住宅がローコストで建てられる

首都直下型地震や南海トラフ地震など、大地震のリスクが高まっているといわれています。地震によるリスクを軽減するために、「耐震性の高い平屋の注文住宅を建てたい」という人もいるでしょう。住宅の耐震性は耐震等級で示されますが、平屋であれば「耐震等級2」から、より地震に強い「耐震等級3」へのランクアップもローコストでしやすいといえます。

なお、最近では大地震リスクが高まっているため、「耐震等級2」の住宅の地震保険料が割高傾向です。一方、「耐震等級3」の住宅であれば、地震保険料は割安傾向です。これから注文住宅を建てるなら、「平屋の耐震等級3」にすることで保険料の節約にもなります。

ただし、すべての平屋の注文住宅が地震に強いわけではありません。あくまでも適切な設計・施工が前提となるためご注意ください。

3.階段の昇り降りのストレスがない

当然ながら、2階のない平屋には階段による昇り降りがありません。これは中高年世代にとって大きなメリットです。

足腰が衰えがちな高齢者にとって階段は足腰が痛んだり、転倒するリスクがあったりするなど、生活をするうえでの大きなストレスとなります。また、中年にとっては、将来体力が落ちたときに「昇り降りがスムーズにできるだろうか……」という不安があります。平屋の注文住宅を選ぶことで、こういったストレスや不安が解消されます。

4.終のすみかにしやすい

前項で解説したように、平屋には階段がありません。ワンフロアで生活ができるため、将来足腰が弱ったり視力が低下したりしても自力で生活しやすいといえるでしょう。さらにバリアフリー仕様にすることで(例:段差をなくす、アプローチをスロープにするなど)、平屋の注文住宅を「終のすみか」にしやすくなります。

平屋の注文住宅を建てたときのデメリットとは?

当然ですがメリットばかりがあるわけではありません。平屋には、次のようなデメリットがあることも覚えておきましょう。

  1. 建物中心部で採光の工夫が必要
  2. 坪単価が高い傾向がある
  3. 2階建てよりも広い敷地面積が必要

1.建物中心部で採光の工夫が必要

「平屋にすると採光が悪くなる」といっても、建物全体が暗くなるわけではありません。 外壁に沿った部屋であれば、窓のスペースを十分にとれば明るい空間になります。

採光がとりにくいのは、建物の中央部です。中央部は外壁との距離があり、窓のスペースが確保しづらく住空間が暗くなりがちです。この悩みをどう克服するかが平屋のプランニングのポイントになってきます。

採光をよくするため一般的に使われる手法は、「中央部の部屋に天窓を設ける」「中庭を設ける」などです。ただし、これらの工夫によって逆に「太陽光がまぶしすぎる」といった結果になることもあります。

このような結果にならないよう、平屋づくりの実績のあるハウスメーカー・工務店・設計士などに施工依頼をすると安心です。

2.坪単価が高い傾向がある

ひと口に平屋といってもさまざまなプランやグレードがありますが、同じグレードで比べると、2階建てに比べて平屋のほうが「坪単価は割高な傾向」にあります。平屋の坪単価が割高な理由は、同じ延床面積なら2階建てよりも基礎や屋根の面積が広くなるからです。その分のコストがかかりやすいのです。

3.2階建てよりも広い敷地面積が必要

2階建てよりも平屋のほうが広い敷地面積が必要になる理由は、それぞれの土地には「建蔽率(建ぺい率)」の上限があるからです。建蔽率とは、敷地面積(土地の面積)に対する建築面積(建物を上からみたときの面積)の割合のことです。

仮に建蔽率80%であれば敷地の8割まで、建蔽率60%であれば敷地の6割までしか建物面積を確保できません。おのずと、同じ建物面積を確保しようとすれば、平屋のほうが広い敷地面積が必要になります。

そのため、「新規で土地を取得して平屋の注文住宅を建てたい」という人は、2階建ての注文住宅を建てるよりも広めの敷地面積が必要になり、その分のコストがかかりやすいです。ただ、もともと「コンパクトな平屋を建てたい」という人は、このデメリットはあまり気にならないかもしれません。

平屋の施工実績のある業者に相談したうえでの最終判断がベター

ここでお話ししてきたように、平屋は2階建ての住宅とはまったく違う特徴、メリット・デメリットがあります。平屋を建てることに少しでも迷いや不安があるのなら、平屋の施工実績の豊富なハウスメーカー・工務店・設計士などにアドバイスしてもらってから最終判断するのがいいでしょう。

とくにご自身やご家族のニーズやライフスタイルと「平屋が本当に合っているのか」について、専門家の知見・経験をもとにアドバイスをしてもらいましょう。

(提供:タツマガ

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