都心近くは上昇傾向、郊外は下落傾向のJR中央線沿線


一方、都心からの距離によって上昇傾向と下落傾向に差が出ているのがJR中央線沿線です。都心から近い吉祥寺(新宿から12キロ)では、取引件数が少なく人気の街であることもあり2012年第4四半期から地価が前四半期比プラスに転じ、2013年は年間を通じて前四半期比プラスとなっています。

一方、都心から遠い八王子(新宿から37キロ)では、2012、13年を通じて地価が前四半期比マイナスとなっています。吉祥寺と八王子の間にある立川(新宿から27キロ)では、2013年の第4四半期にこれまで横ばい傾向にある地価が前四半期比上昇に転じ、地価の上昇が郊外に広がりつつあると考えられます。中央線沿線では、駅近くの優良物件に人気が出ており、都心および駅からの「近さ」が地価上昇のキーワードとなっております。


再開発による地価上昇が顕著な東急東横線沿線


東急東横線沿線ではいくつかの再開発のプロジェクトが進行中であり、それゆえに郊外でも地価が上昇している地区があります。(参照:図表3)

渋谷駅周辺では渋谷ヒカリエの建設から2027年度まで続く一連の再開発事業がスタートしています。また、武蔵小杉駅周辺では2017年度まで工場跡地を中心に再開発が行われ、商業施設の開設とタワーマンションの建設(多くは既に入居済)が行われています。横浜でも横浜駅西口やみなとみらい地区で再開発が行われています。

これらを受けて東急東横線沿線の地価も上昇傾向にあり、特に渋谷から近い代官山、中目黒では2013年に入り、前年の対前四半期比横ばいから対前四半期比上昇へと転じています。また、再開発が進む武蔵小杉や元住吉では2012,  13年を通じて上昇傾向にあります。

しかし、今後当地区では3000戸を超えるマンション供給が予定されているため、地価LOOKレポートによると需給バランスの崩れを懸念する声も上がっているとのことです。横浜でも武蔵小杉や元住吉と同じように地価が上昇傾向にあります。

このように、人気沿線の地価動向から、地価の上昇につながるキーワードとして、「近さ」「再開発」というキーワードが挙がりました。住まい探しや不動産投資を行う際に、こういった視点でもう一度候補物件を見直してみると、新たな発見があるかもしれません。


地価LOOKから見る人気路線沿線の地価動向


住みたい沿線ランキング上位のJR山手線、JR中央線、東急東横線の地価動向を紹介します。これら沿線の地価の特徴は、都心部では2013年に入り上昇傾向に転じてきたが、郊外はまだ下落傾向が続くという点と、再開発により郊外でも地価が上昇傾向にある地区があるとなります。

>>圧倒的なブランド地区 山手線沿線の新築マンションを検討する
>>意外にお手頃地域あり 中央線沿線の新築マンションを比較する
>>再開発の真っ只中! 東横線沿線の新築マンションを見てみる

By Tobita kyuhei  身近なニュースを投資に結び付けるという視点で10年超投資を行っている個人投資家です。FP資格保有。